令和7年3定決特 款別 福祉費 大田区災害時福祉支援について(令和7年10月1日)
●令和7年5月28日、参議院本会議で「災害対策基本法等の一部を改正する法律」が可決され、改正災害対策基本法及び改正災害救助法が成立しました。「災害派遣福祉チーム」の活動範囲拡大による災害時における福祉的支援の充実、官民連携による「災害ボランティア団体登録制度」「被災者情報」「要配慮者情報」を活かした、迅速な被災者支援が期待されています。
◎「災害対策基本法等の一部を改正する法律」可決に伴う、大田区における災害時の福祉的支援の必要な方々への対応、被災者の生活再建に向けての支援の強化などについて、令和7年第3回定例会での代表質問に続き、改めて伺います。
質問➀大田区では災害時の福祉的支援の強化の一策として、今回、避難所への巡回相談を実施する、「災害時支援チーム・オーワット」を新たに設置するとしていますが、これまで、災害時の避難所における福祉的支援については、どのような取組をしてきたのか伺います。
回答➀これまでの、各学校避難所における福祉的支援の取組ですが、令和元年度の台風19号の教訓を踏まえ、学校避難所へ避難してきた要配慮者の方々へ、適切かつ効果的な支援を行うには、専用のスペースを設けて対応する必要がある、との観点から、各学校避難所へ要配慮者スペースを設けた。
要配慮者スペースでの適切な支援が提供できるよう、運営の中心者として福祉部の職員を各拠点へ2名ずつ配置。
避難所生活が長期化した場合に学校避難所での支援の継続が困難な方々については、順次開設を想定している福祉避難所で支援している。
◇大規模災害後、高齢者をはじめ要配慮者の方々にとって避難所生活の長期化は大きな負荷になると考えます。
質問②では、オーワットの誕生の経緯について伺います。
回答②区が被災地となった場合、区内で働く福祉専門職も同様に被災する可能性が高いことから、区内の人的資源だけで活動体制を構築することは、困難と考え、都道府県からの支援を受け、連携していくことを検討。
しかし、能登半島地震の教訓を踏まえ、また、東京都内に開設される避難所等の数を考えた場合、都道府県からの受援までには相当程度の時間を要するこが想定される。
特に、日ごろから介護サービスを利用している高齢者の方々は、慣れない避難所生活によるストレスと、生活支援が受けられなくなることで、生活機能の低下を生じる場合があり。
こういったことを予防するためにも、要配慮者への相談支援を小規模であってもできるだけ早く開始するためには、大田区独自の機動力を持った体制整備が必要と考えたことを契機に、新たに地域包括支援センターを中心に据え、これに、区内の福祉専門職を加えたチーム作りに向けて、福祉の職能団体に相談し、協力を得られたことで、オーワットの結成に至る。
◇避難所での、要配慮者に対する相談支援をより早く開始するために、「災害時支援チーム・オーワット」が誕生した事、理解いたしました。
質問③オーワットの活動や役割について伺います。
回答③オーワットの活動は、大きく分けて3つ。
1つ目は「要配慮者の相談支援」、2つ目は「生活再建に向けたサービスの利用支援」、3つ目は「把握した要配慮者のニーズや情報を区へ提供する。」
こと。
こういった活動を、福祉専門職によるきめ細やかな配慮と、本人の心情に寄り添った相談支援を行うことで、被災された要配慮者の不安を少しでも解消し、ひいては早期の生活再建に向けた必要な支援につなげていく。
◇寄り添った相談支援を丁寧に行い、要配慮者のニーズをしっかり把握することが、生活再建に向けた、より良い支援に繋がっていくと考えます。
質問④オーワットを機能させるためには、協力いただく団体との連携は不可欠です。そのために必要な要素について伺います。
回答④オーワットを機能させるために重要な要素は、チーム結成の要となる社会福祉士やケアマネジャー等の福祉専門職の協力者の確保。
このため、おおた社会福祉士会、大田区介護支援専門員連絡会の両会と
災害時に要配慮者への支援活動等に協力いただく趣旨の協定を締結。
区が被災した場合、区内の福祉専門職の協力者の方々も同様に被災する可能性が高いことが予想される。
そのような中で、いち早くこのチームを結成し、活動を開始するためには、
協力者を出来る限り増やしておくことが重要。
このため、協定締結後には、地域包括支援センター職員や両会の会員を対象に説明会を実施し、60名を超える方々に参加いただいた。
今後もこういった説明会を開催することで活動への理解を広め、協力者を増やしていけるよう努める。
重ねて重要なのは、平時における訓練。
訓練を通じて、課題を明確化し、検証を繰り返し行うことで、実効性ある活動体制の構築に繋がる。
また、こういった平時の訓練を通じて支援者同士の顔が見える関係性を築いておくことも重要。
特に、発災時に速やかに活動を開始するためには、有事の際に参集するための情報伝達訓練を行い、習熟しておくことが必要。
現在、この訓練の実施に向けた準備を進めている。
◇協力いただく団体との連携と共に各団体の協力者を増やしていく事、平時における訓練と平時の訓練を通しての支援者同士の顔が見える関係づくり、どれもオーワットを機能させるために必要な要素だと考えます。
質問⑤福祉的支援が必要な被災者の生活再建のために重要な事は何かを伺います。
回答⑤福祉的支援が必要な被災者の生活再建に向けては、オーワットの活動を通じて集めた多岐にわたる相談内容を、フェーズごとに適切な支援に繋げていくことが重要。
このため、庁内外の関係機関と情報共有を図りながら、連携することは不可欠。
まずは、避難所生活におけるストレス等から体調を崩すことがないよう健康観察や薬の調達など健康政策部との連携が重要。
加えて、都道府県から派遣されるDWATとの情報の共有による避難所等の運営体制の強化や、災害ボランティアによる被災住宅の整理等が必要。
こうした様々な支援者との連携を通じて、被災された方々が、一日も早く元の生活を取り戻していけるよう支援していく。
◇被災後の要支援者の方々の生活再建のためには様々な支援者の連係・協力が不可欠です。災害ボランティアも多様でありますが「足湯ボランティア」をはじめ、被災者の話を聞き、被災者に寄り添いながら「心のケア」が出来る自発的な支援者である「災害ボランティア」の存在は重要であると考えます。
「災害時支援チーム・オーワット」は、まだ、手探り状態で未知の部分も多いと考えますが、これからも、「災害時支援チーム・オーワット」の動向については注視していきます。今後の進化が楽しみです。
