30歳半ばのI子さんは、夫と二人暮らし。
心療内科で不安神経症(パニック障害)と診断されました。
きっかけは、入浴中に、ふと夫が自分より先に亡くなったら、どう生きていけばよいのか?と考えてから、入浴出来なくなり、食事もとれなくなり、日常生活が困難になりました。
服薬と心理療法で少し落ち着きましたが、「以前のような自分に戻れないことが辛い」と言います。でも一人でいると不安が募り、生きていることがとても辛いという気持ちが、時々パニックになります。
「どうして、私はそういうことを考えてしまうのだろうか?分りません。」と言います。
I子さんの夫への依存は、恋愛中から強くありました。
子どもが出来ないことも不安を募らせています。
お話を聞くと、母親依存から夫依存というように依存対象が移動したように感じられます。
母親との関係性を理解すると、母親のI子への癒着があり、それは支配に近い様子でした。
夫は、支配というより、I子が望むように触れていることがわかります。
I子は、「夫に甘えて生きている」という想いもあります。
この言葉がきっかけになり、まず夫との関係性を少し改善することにしました。
「夫の喜ぶことをしてあげる」に同意し、夫が喜びそうな事柄をI子さんに拾い上げてもらいました。
そして、夫とI子さんと三人で面接した結果、まず夕食づくりに励むことになりました。「夫が元気で長生きできるように」と言う意味です。
夫の食事の好みをI子さんは、初めて知りました。
I子さんは、和食の料理教室に通うようになり、友達もでき、生活が一変しパニックが収まりました。
I子さんは、支えてもらう人生から、ほんの少し支える歓びを味わい、自信が芽生えました。料理教室の友達と過ごす時間も増え、料理やファッションにも関心が深まりました。朝食も作るようになり、夫の関係もよくなりました。