フィリピンでは住宅の賃貸借について定める民法があるので、契約の項目はほぼ統一されており、地域、物件により金額や月数などが異なるだけです。

家主の権利がより保護されており、特に売り手市場となっている地域では行き過ぎと思われる契約もまかり通っています。

賃貸物件の概要と賃貸借契約の主要な項目は次の通りです。

Copyright (c) wikimapia.org
 
 
 
部屋数に応じた標準的な床面積が減少してきています。
特にコンドミニアムでは3B/Rは220-240m2、2B/Rは120-140m2程度でしたが、最近では3B/Rは110-120m2、2B/Rは70-80m2程度になっています。
 
 
 
賃貸物件はFully furnished(家具付き)、Semi-furnished(一部家具付き)、Unfurnished(家具無し)の何れかです。
こちらの要望に応じて家具を付けたり、取り払ったりしてもらえる場合もあります。
 
マニラの家具付き住宅は台所用品からベッド・シーツまで全て備わっており、とても重宝しました。
 
 
 
不動産代理店、不動産ブローカーにこちらの意向を伝えて物件を探し、契約するのが一般的です。
成約した場合の謝礼は家主が負担します。
 
家賃の値引き交渉は簡単ではありませんが、内装を少し変えたり、家電製品を追加する等の対応はしてもらえます。
 
 
家賃には共益費は通常含まれていますが、水道光熱費、電話、ケーブルTV、インターネット等の費用は賃借人負担です。
また、領収書を必要とする場合は12%の消費税を負担する必要があります。
 
家賃の前払いは最少1か月ですが、マニラで12か月分を求められたコンドミニアムもありました。
また、1か月の前払いでも、残余の期間について先日付小切手での支払いを求められることがあります。
 
 
契約期間は通常1年間で、2-3か月の事前通告で再契約することができます。
また、1か月程度の事前通告で中途解約することができます。
この場合は保証金、前払いした家賃の一部を放棄するなどのペナルティーが課されます。
 
ただし、残余の期間について代わりの賃借人を指名すれば、ペナルティーを最小限にすることが可能です。
 
 
保証金は家賃の1-3か月分です。
契約終了後、損傷個所の修理費、未納の水道光熱費などを差し引いて1-2か月後に払い戻されます。
 
自然損耗以外の損傷は賃借人の責任になります。
入退居時に家主若しくは代理人立会いの下、現状確認することが必須です。
 
 
 
入居中の小修理は賃借人、大修理は家主の負担です。
境界が不明確なため、契約時に具体的に確認しておくと円滑に対応できます。
 
家主の同意があれば小規模の改装、改善工事は可能です。
しかし、それにより付加された価値は家主に帰属します。
 
 
物件の又貸しは禁止されています。
居住する人数や範囲(家族など)が規定されている場合があるので、賃借目的に合った内容にしておく必要があります。
 
 
物件選びの要領は万国共通ですが、フィリピンでは更に安全の確保を最優先し、日照の少ない方角に面したものを選ぶのがお薦めです。