東側の塀際に4本のTabebuiaと1本のGolden Showerを植えたのは2020年7月です。
同花木の落葉・開花は主として水分ストレス(乾燥と降雨)によって誘導されます。
花木には熱帯地域特有の乾季と雨季に密接に結びついた落葉・開花の植物学的メカニズムが構築されているのです。
塀際に植えた5本の花木(2020年7月)
乾季に入り土壌の水分が減少すると、樹木は生き残るために葉からの水分の蒸発を極限まで抑える防御反応として落葉します。
落葉により樹木全体の水分バランスが一時的に回復すると、これが花芽の休眠打破を促すことにもなります。
落葉によって日光が樹冠の奥まで届くようになり、温度上昇と光刺激により花芽の発達が促進されます。
そして長期間の乾燥の後に降る纏まった雨が引き金となって花芽は一斉に膨らんで開花が始まります。
フィリピンの気候は熱帯海洋性気候と呼ばれ、月間降雨量の分布とパターンにより4つのタイプに分類されています。
各タイプの違いは各地域が受ける南西季節風、北東季節風と台風の影響によるものです。
Type I:11ー4月が乾季、5−10月が雨季、6−9月に年間最大降雨量
Type II:乾季がなく、12−2月または3−5月に年間最大降雨量
Type III: 12−2月または3−5月が乾季、残りは雨季で顕著な最大降雨量月はない
Type IV: 降雨量が年間ほぼ均等に配分されている
フィリピンの気候分布図(1951−2010)(PAGASA)
明確な乾季と雨季が存在するType Iの地域であれば、花木がその植物学的メカニズムに従って開花行動を起こすことは容易です。
しかし、地元のGeneral Santosのように降雨量が年間ほぼ均等に配分されているType IVの地域では、花木は僅かな水分ストレスを感知し、反応していることになります。
Manila気候図(Type I)(Meteoblue)
General Santosの気候図(Type IV)(Meteoblue)
我が家の花木が地球温暖化の影響を受けやすい気候特性下に置かれていることに着目し、その影響度を確認しました。
異常乾燥(2024年4月)
確認作業を容易にするため、各花木の最盛開花時期に焦点を当て評価します。
1、Golden Shower
Golden Showerは5本の花木の中で最初に開花し、満開となった。
最初の5分咲きは4月であったが、それ以降の開花は12−1月に移っただけでなく、2年近く咲き続けており、花房が小さく貧弱になっている。
まさしく地球温暖化に翻弄されている状況である。
Golden Showerの開花行動と時期
満開(2025年1月)
満開(2025年12月)
2年近く咲き続けている(2026年9月)
2、Tabusuia(ピンク)
Tabebuia(ピンク)は2番目に開花し、満開となった。
2度の満開とも3−6月の範囲で、地球温暖化の影響は僅かなようである。
Tabebuia(ピンク)の開花行動と時期
満開(2025年3月)
満開(2026年5月)
3、Tabebuia(白)
2度の最盛開花時期は4−6月に収まっているが、2023年の初めての開花から未だ満開にならないのは、地球温暖化の影響が疑われる。
2026年5月には全樹落葉したが、5分咲きであった。
Tabebuia(白)の開花行動と時期
3分咲き(部分落葉)(2025年4月)
5分咲き(全樹落葉)(2026年5月)
4、Tabebuia(黄)
2本のTabebuia(黄)は樹勢が最も旺盛であるが、未だに一輪も開花していない。
今年は全樹落葉したにも拘らず、開花に至らなかったのは地球温暖化の影響としか考えられない。
Tabebuia(黄)の開花行動と時期
左から2、4番目がTabebuia(黄)
全樹落葉後の若葉(2026年3月)
特にGolden Showerは痛々しく、何かできないかと考えたりするのですが、これが気候変動下の順応、淘汰の過程であれば見守る他はないのでしょう。



















