ノルサランヘ~君を愛してる~

第21夜【人魚伝説】


アレンと別れ、いろんな人に伝説のことを聞くが、誰も知らないと言う。

『ホントに、噂なんてあるのかなぁ?(汗)』
これだけやって、デマだったら最悪だよね

そんなことを考えながら、聞き込みを続ける。そして、時間だけが過ぎていった。夕方頃、駅の前を彼女が歩いていると…

ユウキ?何してるんだろ?…そういえば、この駅前で出会ったんだよね…

そう思いながらも、ユウキが居なくなるまで見ていた。個人的に、ユウキと関わることを避けた方がいいと思ったからだ。そんな時、再び、左目だけに人物が視える。実は、パブで見て以来、街のあちこちでチラチラと視ていた。今回は、ラトが砂時計を手に、駅前で立っている。そこに…
“こんにちは。それ、綺麗な砂時計ね(笑)”

“ん?…この前の…なっ、綺麗だろぉ~♪コイツはな、イノセンスって言う魔法の石で出来てるんさ。特別な力があるんさぁ(にっ)”
あれって…異の砂時計かな…?
“へぇ~、すごいのねぇ(微笑)”

“へへへ…まぁなぁ(//照)”
幼いユウキの笑顔に照れているラト。そこに…
“余計なことをしゃべるでないわ!バカ者めっ!”
ブックマンがやってきて、またしても拳骨をくらわした。痛そうに頭を抱えるラト。そして、駅の中に引っ張られていった。たぶん、次のログに行くのだろう。
『なんか、ユウキとラビ…ラト…とのやりとりを見せさせられてる?(汗)』
でも、なんの為に?

そう思うが、彼女は歩き出す。そして、アレンとの待ち合わせ場所に着いた。

港かぁ…人魚が居るなら、ここらだよねぇ…

港を眺めていると、左目に…
『え・・・・(キョトン)』
あれって…さ、サザーランド!?(びっくり)…ユウキは小さい頃、サザーランドと会ったことがあるのっ!?(汗)・・・・あ…でも…また、サザーランドの動いてる姿が見れて嬉しい…なに話してるのかな?(微笑)

そんなことを思いながら、ある一角を眺める。そこには、サザーランドと楽しそうに笑いながら立つユウキの姿があった。

ユウキは、一人ぼっちにならずに済んでたんだなぁ…サザーランドのお陰で…サザーランド、この世界にあなたが居てくれて、ありがとう(微笑)

実は彼女、両親が共働きで、いつも一人だったのだ。見た感じ、ユウキも同じである。

ユウキの…つまりは…この世界の私を視ているんだ。この左目は・・・・・私の居場所はなかったんだ、ここには…

彼女が、幻が消えた場所を見つめていると…
「ティム!ちょっ、待っててっ!(汗)」
アレンの声が遠くから聞こえる。声のした方を向くと、港沿いを走って来ていた。アレンの前を飛ぶティムが、パタパタと、彼女に向かってくる。そして、彼女の頭の上に、ちょこんと乗った。スリスリと、体を押しつけてくる。
『ん?』
ティムキャンピー…もしかして、慰めてくれてるのかな…?(苦笑)

そんな訳ないと考えながらも、心なしか、嬉しい彼女…自分は確かに、ここに居るんだと…。ティムに手を伸ばすと、飛びついてきた。お前は確かに存在していると、言っているようで、無意識に笑顔を浮かべる彼女。そこに…
「なんだか知らない間に、なついてますね、ティムの奴(苦笑)」
いつの間にかに、隣まで来ていたアレンが、呆れ気味に呟く。どこから走って来ていたのか、かなり、疲れきっていた。
『だ、大丈夫?アレン?(汗)』

「はい、なんとか…そんなことより…聞き込みの方は、何かありましたか?」

『ううん、なんにも』
左目のことは、ラビにしか話せないよ(汗)
「僕もですよ(苦笑)…本当に、噂なんてあったんですかね?…とりあえず、今日はファインダーの帰りを待ちましょう」
こうして、伝説については、なんの収穫もなしに、パブへと帰る。パブは、ファインダーとの待ち合わせ場所だ。まだ、ファインダーはいない。ユウキは帰って来ていた。そんな時、男の人が駆け込んで来て…
「ユウキちゃん!…お父さんの容態がっ!(汗)」

「えっ!?(びっくり)」


急ぎ病院に向かうユウキに、彼女達もついていった。彼女は確かめたかったのだ…自分の知る父と同じ状態なのか…助からないのかと。

「どう、いう、ことですか?」
病院へ着くと、一応は、持ちこたえたという話を聞いた。しかし、担当医の話を改めて聞いてみると、現実は残酷である。ユウキの父親は、次に発作を起こせば、助からないと言われた。
「タスク父さんを助ける術は、ホントにないんですか!…なんとかしてくださいっ!…お願いします!!!」
顔も似てたけど、名前まで一緒なんだ…母さんもかな…?
「いくら、君の頼みでも、こればっかりはどうしようも…(汗)」

「私は"特別"なんでしょ!どうにかしてよ!!(泣)」
特別?…なんのことだろ?
「ユウキちゃん!…街以外の人の前で…!(汗)」

「…もういいっ!」

「ユウキさん!(汗)」
アレンの制止を無視し、病院を飛び出した。母親とは会わずに、追いかける彼女とアレン。ユウキが足を止めたのは、あの駅前だった。
「そういえば、初めてお会いしたのも、ここでしたね…」

「私は、ここで彼が来るのを待ってる…ずっと前から…」

「彼?」
ラトのこと?(汗)
「そう、名前も知らない彼。…初めはね、この髪を褒めてくれたから、また会いたいな程度だった…だけど今では、彼が奇跡を起こしてくれるんじゃないかって、そう思って待ってる」

「奇跡を起こす?(汗)」
もしかして…イノセンスのことを言ってるんじゃ…(汗)
「あはは…(苦笑)でも、いくら祈っても、彼は、あれ以来一度もここを訪れてくれないんだ」
ユウキは、今にも泣き出しそうな顔で笑っていた。ホントはただ、会いたかっただけなんじゃないかと、彼女に思わせるくらいに。
『・・・・ユウキ、髪を伸ばしたのって、その彼が褒めてくれたから?』

「うん…そう…汽車が出発する少し前、列車からわざわざ出てきてくれてね。その髪、綺麗だなって、微笑んでくれたの。すごく…嬉しかった…」
彼女とアレンは、何とも言えない複雑な顔をしながら、ユウキをただ、見ていた。街灯に照らされた駅を見ていたユウキは、先ほどとは打って変わった表情で振り返る。
「えへへ…なんか、心配かけちゃったみたいで、ごめんね。…父さんのことは、薄々わかってたの。でも、父さんが大好きだったから、どうしても受け入れたくなくて…(苦笑)」

「そんな、無理して笑わないでくださいっ。…こっちまで、悲しくなります…!」

「ごめんね、アレン。…ありがとう…」

『…あのさ…こんな時に言うのは、どうなんだろうって自分でもわかってるんだけど。ユウキに聞きたいことがあるんだ、いいかな?』

「…うん…いいよ」

『さっき言ってた、特別ってどういうこと?…噂と関係があるの?』
彼女の質問に、表情を変えるユウキ。何かを決断するような、そんな沈黙の後に、口を開いた。
「・・・・街の秘密…教えてあげる…あなた達がいくら聞いても、噂のことを話す人なんて絶対に居やしないのよ」

「どういうことですか?(汗)」

「それが、街全体で決めた、決定事項だから。人魚伝説なんて、格好よく言ってるみたいだけどね、実態は酷いものだよ。街の暗い歴史だもん…ただの科学実験…人体実験って言った方がいいかな…」

「人体実験!?…そんなことっ!」

「そう…許されることじゃない…だから今は、もうやってないよ。そして、その事実を外部に漏らさないように、誰もこのことは言ってはいけないことになったの。実験をしなくなってから産まれた子や街に来た人は、その事実すら知らないよ」

『じゃあ、ユウキはどうなの?私達に話してるけど、いいの?』

「そうですよ。街全体の決定事項だって言ってたじゃないですかっ。大丈夫なんですか?(汗)」

「言ったでしょ?…私は特別なの…多少の融通はきくのよ(苦笑)…それに…あなた達が、なんの為に噂を調べてるかなんて知らないけどさ、こんなこと、いっそのこと大っぴらになっちゃえばいいんだよっ」

「ユウキさん…」

「ねぇ、見えるでしょ?…あの崖の上にある建物…あそこが、その実験をしてた施設の跡。今は、誰もいないはずよ。確か、当時のまま放置されてるって噂。行ってみたら?」


ユウキが教えてくれた、噂の出所。街人の対応がまとまっていたのは、決まっていたからだった。ユウキの言う"特別"とは具体的になんなのか?現実は、本当に残酷なのでした。


第21夜 END

ノルサランヘ~君を愛してる~

第20夜【左目と……】


冥府の館の任務から、本部に帰ることもなく、次の任務に向かう彼女。そこは港町だった。駅で出迎えたのは…

「こんにちは、ソニョ。お久しぶりです(にこり)」

『アレン!?どうしてここにっ!?(びっくり)』
嘘!?【巻き戻しの街】に行ってなくちゃ可笑しくない!?
「イノセンスを本部に届けたら、すぐにでも行ってほしい場所があると言われまして…休む間もなく、ここに来たんです(苦笑)…着いたのは朝方ですが、街のことは、だいたい把握してますよ」

『それは大変だったねぇ(苦笑)…でもさ、アレンて方向音痴でしょ?…大丈夫だったの?』
こんな話、知らない。未来が少し変わったのかな?それなら嬉しいんだけど…
「あはは…(苦笑)実は一旦、迷子になっちゃいまして…ティムキャンピーのお陰で、ここに来れたと言いますか…」

『やっぱね(苦笑)』
方向音痴なんだから、動き回らなければいいのに…(汗)
「とにかく行きましょうか?…前の怪我が治ってないと、コムイさんに聞きました。…落ち着いて話ができそうな場所に案内します」

『うん。ありがとう』
駅から歩き出し…
「それにしても、ソニョは、いろんなことを知ってますね、特に僕のこととか。本当に師匠と知り合いなんですか?…未だに信じられません…(汗)」

『あ~……(苦笑)』
嘘です、ごめんなさい!

実は、前に話した時に、そういうことにしてしまったのだ。
「ん~…あんな師匠に知り合いが居たなんて・・・・変なことされませんでしたか!?…特に借金とか!(汗)」

『あはは…(苦笑)大丈夫だよ。なんもないから』
アレンも大変だなぁ
「よかったぁ(ほっ)」
そんな話をしていると、後ろを向きながら歩いていたアレンは、人とぶつかってしまう。
「あっ、とと…(汗)」
アレンは、倒れそうになる相手の腕を掴んで支える。その人は、髪が腰くらいある女性だった。
「すいません、大丈夫ですか?」

「あっ、はい!大丈夫ですっ。こちらこそ、支えていただき、ありがとうございます(ペコリ)」

「いえ、よそ見をしていたのは僕の方ですから(苦笑)」

「いえいえ、私こそ、ぼんやりしていたのが、いけないんですよ(苦笑)」
アレンの後ろから女性を見た彼女は驚く。女性は、彼女と同じ顔をしていた。いや…昔の彼女も長髪だった…瓜二つ、双子と言ってもいいくらいに似ている。しかし、先ほどから話しているアレンは、気づく様子もなかった。

この子…もしかして…この世界の私?(汗)

そんなことを思いながら、様子を伺う。
「あっ、私、ユウキ・ハグロって言います。よろしくお願いいたしますね(笑)」
や、やっぱり!(汗)…私のホントの名前と一緒だもん、この子は、私だ…
「僕はアレン・ウォーカー。こちらに居るのが、ソニョ・ハルリュ。こちらこそ、よろしくお願いします(にこり)」
彼女も一応、頭を下げる。しかし、この世界の自分と関わることは、良いものなのかと、彼女は迷っていた。けれど…
「あの、よろしければ、私の働くパブに寄って行きませんか?お礼にサービスしますよ(にこり)」
そう進められてしまう。しかも、アレンが案内するはずだった場所でもあった。ユウキがパブで働いている理由は、父親の入院費用の為で、母親も別の所で働いている。そんなところも一緒だった…彼女の父親は既に死んでいるが…。パブに向かう道中、ユウキも彼女と同じ顔だと気づくのかと思って居たが、そんな気配すらない。この世界に存在しない彼女を、無視しているかのようだ。さて、パブに到着…
「マスター。この二人に、私のツケで好きな飲み物を出してくれる?」

「あいよぉ。昔からの馴染みに頼まれりゃ、半額でいいぜぇ(笑)」
促されるままに、カウンターに座り、飲み物を注文した。そんな時…

…ラビ…?

見たことがある赤毛が、視界に入ったような気がして、パブの中を見渡す。
「ソニョ?どうかしましたか?」

『…あ…いや、なんでもない(苦笑)』
気のせい…だよね…

そう思い、カウンターに座り直す。しかし、出された飲み物を飲み、一息ついていると、左側隣に赤いものがちらついた。驚いて、ゆっくりと盗み見る。けれど、それは瞬きで見えなかったり、視えたりした。そこで彼女は気づいた…左目だけに視えていることに…。右目を瞑り改めて視る。そこに座っていたのは、幼いラビとブックマンだった。
“ゆくぞ、ラト!”
おそらく、ラトとは、この時のラビの名前だろう。
“あっ、待つさ、パンダジジイっ!!”

“誰がパンダじゃ!この口の悪いガキめっ(怒)”
カウンターに座るラトの頭に拳骨をした。そして、パブの入口に向かって歩き出す。それに続くように、頭をさするラトも椅子から飛び降りた。
“きゃっ!?”
ラトは幼い少女に、ぶつかりそうになる。
“おとっ、大丈夫さ?”

“うん、大丈夫”

“なら、よかったさぁ。んじゃ、バイバイさ(笑)”
ラトは少女に手を振って、入口で待つブックマンのところへ行った。そこで幻は消える。ふと、彼女は少女の正体に気づいた。少女は、さっき出会ったユウキだと。なぜなら、彼女は彼女だからだ。
「さてと、一休みも出来ましたし、本題に入りましょうか?ソニョは、なにかコムイさんに聞いてますか?」

『あ…実は何も…(汗)』
ユウキもラビと会ったことあるんだなぁ
「あぁ~…そういうとこはいい加減なんですね…(ため息)わかりました。僕が説明します」
こうして、アレンは任務内容を説明してくれた。出所不明で、妙な噂が流れてきた為、急きょ調査することになったらしい。アレンの他にも何人かファインダーが調査に来ているそうだ。噂は【人魚伝説】。しかし、現地に来てみると、その噂を知っている者がいなかった。現状を理解する為に、徹底調査をすることが決まり、現在にいたる。
「実は、いろんな人に聞いてみたんですが…知らないと言われて・・・「やめてください!」

「いいじゃねぇか、今日こそは、俺様に付き合えよ(ニヤニヤ)」
急な悲鳴に振り返ると、いけすかない男に腕を掴まれたユウキがいた。それを見たアレンは、表情を変え、そこに向かう。紳士スイッチが入ったのだ。アレンは、ユウキを掴む男の腕を強く握る…相手の握力を失わせるくらいに…。男が痛みで手を離すのに合わせ、アレンも離した。
「てめぇ何しやがるっ!!(怒)」

「嫌がる彼女を助けただけです。強い男を気取るなら、他の方法でも出来ますよ?」

「フンッ、いいだろう。ここは勝負でカタをつけようぜっ」

「それもいいですね」

「勝負のカケ金は、そこの姉ちゃんとハグロちゃんでいいだろう?(にやり)」

「えっ!?(びっくり)」
おいおい、私もかよ(汗)
「別にいいですけど、なんの勝負にするんですか?」
いいんかい!!!

彼女達の承諾もなしに話が進む。
「ドロー・ポーカーでどうだ?兄ちゃん(ニヤ)」
ん?・・・あぁ。アレンの奴、勝負がポーカーになるってわかってたなぁ(ため息)

男の居るテーブルの上には、トランプが散乱していたのだ…カケをしたらしい金と一緒に…。
「いいですよ(黒笑)」
出たよ、黒アレン…御愁傷様…(苦笑)
「あ、あのっ、アレンくんてポーカー出来るの?(汗)この人、ここで負けなしなんだけど…」

『大丈夫だよ。アレンは強いから』
イカサマだけど…でも見たとこコイツもイカサマしてそうだから、手加減はしないな…

彼女が冷静に分析していると、ポーカー勝負が始まった。しかし、彼女は違うことを考え始める。

それにしても、あの光景は、左目が藍色だから視えるんだよねぇ。今までなかったけど・・・・この街だから?それともユウキと関係が?

そんなことを考えていると、あっという間に勝負がついた。
「ロイヤル・ストレート・フラッシュ(ニコ)」

「なっ、なに!?(青ざめ)」
それにしても、黒アレンは容赦ない(ため息)

負けた男は、二、三、自分の所持品で勝負を挑んだが、ぼろ敗けをきした。そもそも、イカサマでアレンに勝てる訳がない。ユウキには再び礼を言われた。よく絡まれていたらしい。


このあと少し、パブで過ごしてから調査に出た。

「駅を通り過ぎたところに港があります。そこで落ち合いましょう」


パブの前で、別々に聞き込みをすることにし、別れたのだった。さて、左目が見せる光景の真意は、なんなのか?彼女にも、わからないのでした。


第20夜 END

ノルサランヘ~君を愛してる~

第19夜【新たな力】


宿に街の医者を呼んで、怪我を見てもらった彼女。とりあえず、入院の心配はないようだ。

「お前、意外と頑丈なんだな。2日くらい前に倒れたって聞いたぜ?」

『聞いたって誰から?』
ここに居るファインダー達は知らないはずだけど?
「コムイからだ…任務に行かせたけど心配だから、直接行ってくれって…ッタク、あめぇこと言いやがってあの野郎。まっ、あんなもやしと一緒に居るよりは、ましか」

『え?…アレンの初任務から直接来たってこと?』
じゃあ、あの時、直接向かった任務って、ここだったの?(汗)
「あぁ?よくアイツだってわかったな」

『あ…だって…食堂で言ってたでしょ?(苦笑)』
おぉ…ヤバいヤバい…(汗)
「フンッ、見てやがったのか」

『あんな目立つようなとこで喧嘩してたら、誰だって見てるよ(汗)』
見たくて早起きしたんだけどね(苦笑)
「チッ」

『あはは…(苦笑)』

「あのぉ…よろしいですか?…館の話をしても(汗)」

『あっ、うん。いいよ』

「えぇ…例の館にはどうやら、人間はおらず、アクマだけのようです…あの出迎えた女性もアクマでした。彼女は神田さんが破壊してくださったので、もういません」
どうやら、彼女と別々になったあと、紅茶が出されたらしい。それを先に飲み、眠ったファインダーが一人いた為、睡眠薬が入っていたことがわかったそうだ。部屋に戻って来た女性が、寝ていないことに驚き、いきなり襲ってきたらしい。しかも、他にもたくさんアクマが出てきて、もう駄目だと覚悟を決めた時、神田が乗り込んできて助けたそうだ。そして、彼女と合流。
「出迎えた女性は、あと少しでレベル2になるところだったようです。だから、あのように、はっきりとした物言いだったようですよ」

「館から出てこなくなった人は皆、アクマにされていました。我々が見た人も…その他は、ソニョさんの言う通り、贄にされたのでしょう…」

「カリスってのが、あの館をしきってるレベル2…おい…能力はわかるか?」

『たぶん、催眠術…でも…どんな原理なのか、わからない。催眠術に使うような、蝋燭の火やラベンダーの香りとか何もなしに、私は術をかけられたみたい(汗)』

「チッ、役に立たねぇな」

『ごめん…(しょぼん)』
彼女の落ち込みようを見たファインダーがまた…
「…神田さんがまたソニョさんを…(ボソッ)」

「…厳しいにも程がありますよね…(ボソッ)」

「…能力の手がかりがあるだけいいですよね…(ボソッ)」
こそこそと話し合うのであった。その夜のこと。彼女は眠ることが出来ず、窓から外を眺めていた。
『はぁ…』
なんか…自信なくなって来ちゃったなぁ~。あの時だって、神田が来なかったら私、死んでたよ…(ため息)

落ち込んでいた彼女。そんな時…
『・・・・あれ?』
神田…だよね?…こんな夜中に、どこに行くのかな?・・・・まさかっ!(汗)

ある結論にいたった彼女は、部屋を飛び出し、神田を追いかけた。そして、行き着いた場所は…

やっぱり…冥府の館…一人でけりをつけるきなんだ。巻き添えで犠牲者が出ない為に(汗)

館に近づいた神田を出迎えたのは、アクマの一団だった。しかし、神田は動じることなく、抜刀していく。彼女は、神田の戦いぶりに見入った。

神田はやっぱ…強い…私よりも遥かに

神田の強さを、改めて認識する。彼女の出る幕はなく、終わるかに見えた、その時、レベル2のカリスが現れた。有利に見えていたが、次第に押されていく。そして、隙をついたカリスの攻撃が、神田に迫っていた。
『…危ない…!!!!!(汗)』
神田の元にメガで駆けつけ…

玉満(ギョクマン)…ギガ…!

攻撃を防いだ。
『神田っ、大丈夫!?(汗)』

「チッ、助けてる暇があんなら、その速さを生かして、アイツに攻撃しやがれっ」

『そんなこと言わないでよ…人が傷つく姿なんて、見たくないんだから…(苦笑)』
傷が治るから出る言葉なんだよね…きっと…でも、これが私の本音
「フンッ」

「まぁ、貴女は、あの時の。…やはり、お父様とお話したいのかしら…?(笑)」

『なっ!?…父さんのことは言うな!…あんたなんかに言われたくないっ(怒)』

「お前…父親が死んでるのか…?」

『そうだけどっ』

「それが決定打かもな」

『えっ、なんの?まさか…催眠術?…でも、それだけで?(汗)』

「アイツはカウンセラーと表し、対話を行う。それが、催眠術にかける準備期間なんだろうぜ。そして、決定的な言葉を聞き出し、それを合図とするんだ。…お前…あんま、アイツと話すな。催眠術にかけられるぞ」

「あぁら、そこまでバレちゃうなんて、想定外だわ。どうしましょう?…でも、もう手遅れだったりして…(にやり)」

「なにっ!?」

「…貴女の大切なお父様…(笑)」
カリスが、そう囁くと、彼女の体はぐったりと、前のめりになった。そして、ゆっくりと、前に進み出る…彼女の意思とは別に…。無防備な彼女に向けて、カリスは攻撃してきた。
「チッ!(汗)」
彼女を庇い、攻撃を受けてしまう神田。そして、彼女の方に倒れ込んだ。その反動で、催眠術が解ける。
『か、んだ?…カンダ!?・・・・・神田ぁ!!!!』
神田を揺するが、ピクリともしない。そして、おびただしい血が、彼女の手についた。
『あ…あぁ…血、がっ(青ざめ)』
…私のせいで…神田がっ
「うふふ…ざまぁないわね…(にんまり)」
そう言われたとたん…
『ぅわぁー!(怒)』
神田の傷が治ることすら忘れ、彼女は怒りを持って、レベル2に立ち向かった。すると、次の瞬間、槍が光出す。そして、力の使い方が、頭の中に流れ込んできた。

イノセンスが…私に新しい力を教えてくれてる…

彼女は目を瞑り、呼吸を整える。そして…
『海王ノ矛(ポセイドン・ザ・ジャベリン)!!』
槍を振るう。すると、どこからともなく、無数の水の槍が現れた。そして、それはカリスに向かっていく。水の槍は、避けたカリスを追尾し、命中させた。しかも、カリスの身動きを封じている。
「きゃぁぁぁ!!!!…よくもぉ…!(怒)」

『はぁ…はぁ…(汗)』
初めて使うせいか、体力の消費が激しいな…でも、これなら…

彼女が、新しい力に可能性を見出だしていると…
「はん…やれば、でき、んじゃねぇ…か(微笑;)」
息も絶え絶えだが、神田が目を覚ましていた。
『神田っ、ごめんね!私のせいでっ!!』

「ふん、気づくのが、遅かった、だけ、だ(汗)」

『でも…』

「グダグダ言ってんじゃねぇよ!…俺は大丈夫なんだよっ。…さっさとアイツ倒して、帰るぞ!!(怒)」

『あっ、うん!』
大丈夫って…治るとは言え…そこは、前の任務で殺られた場所と同じだよね?…心配だよ…(汗)

彼女の心配をよそに、神田は立ち上がった。
「…次で決めるぞ…」
彼女はコクリと頷く。二人は武器を構えた。そして、同時に…
「災厄招来!(界蟲一幻!!)」
『海王ノ矛(ポセイドン・ザ・ジャベリン)!!!』
二人が放ったモノは、カリスをボロボロにしていく。
「ぎゃぁぁぁぁあ!!!…聖職者(クラーヂマン)の分際でぇ…!!(怒)」
カリスは、怨みのこもったセリフを残し、消し飛んだ。たたずむ二人に、朝日が指す。神田は、彼女に支えられながら宿に戻ったが、二人の不在で心配していたファインダーにより、病院送りになった。そして、現在は入院中。彼女の方は、最初の時の傷以外は問題なかったので、宿で待機していた。そこに…
「ハルリュさん、室長からです」

『コムイ室長?』
どうしたのかな?(汗)

そう思いながら、差し出された受話器を受け取る。
“あっ、ソニョくんかい?”

『はい、そうです。…もしかして…次の任務ですか?』

“そうなんだ。至急、行ってもらいたい場所があるだけど、大丈夫かな?”

『はい!任せてくださいっ』

“ありがとう、ソニョくん。…でも、続けざまに、ごめんね。君も怪我してるのに…”

『いえ、仕方ないですから、気にしないでください』


こうして、神田がまだ入院中にも関わらず、彼女は次の任務に向かった。次の任務では、どんなことが起きるのか?彼女にも、予想だにしないことなのでした。


第19夜 END