スウェーデン大会が終わって | かけがえのないゴルフ人生

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DGA(日本障害者ゴルフ協会)の事務局長をしています。お給料はなし、24時間のボランティアです。たくさんの素晴らしい障害者ゴルファーからもらう勇気と元気が活動の糧。障害者ゴルフの活動と日々見たこと感じたことを綴ります。



8月7日、8日とスウェーデンのマルメ市で開催された「2015 Swedish Invitational」が終わりました。

日本の小林茂、小山田雅人の2選手はそれぞれ10位、15位と思ったような結果が出せませんでした。今回は2人のどちらかの入賞を期待していたので、ちょっとがっかり。

2人は入賞出来る力を持つ選手だと思いますが、やはり慣れない土地での短期勝負では充分に実力を発揮出来なかったようです。特にヨーロッパの試合に始めて行った小山田選手はメートル表示に戸惑ったり、1日のうちにくるくると変わる天気にも影響されたと思います。

初日はちょっと叩いても、2日目に必ず帳尻を合わせて来る選手なのですが、2日目には攻めた結果、池に3発入れたと話していました。

本当はもっと長期間にわたって遠征を計画すれば良く、日本選手などは特に充分な練ランをするべきです。

しかし、選手の休暇や予算取りやサポートが充分に出来ない私達の力不足もあって、海外では日本人がなかなか勝てないのが現実です。私の目の黒いうちに何とかしたいです。いや、しましょう。



さて、この大会は世界から実力のある障害者プレーヤーが集まって来る大会ですが、これまで5回の開催のうち、同じ選手が優勝したことはありません。2008年に片足のプレーヤー、マニュエル・デ・ロス・サントス選手が彗星のように現れたのもこの大会。

その後、ヨハン・カメルスタッド選手(スウェーデン)、ステファン・モックフォルト選手(デンマーク)、ダニエル・スラバート選手(南アフリカ)と優勝者が変わり、今年はスウェーデンの新星グスタフ・ヘニングソン選手が優勝カップを手にしました。

女子はヨ2011年にヨーロッパ女子ツアーのプロとして活躍する直前にガンで右足を切断したキャロライン・ラーソン選手がデンマークのメッテ・ウェジ・リンガーガード選手をプレイオフで破って優勝。

カメルスタッド選手もモックホルト選手も日本に来て日本障害者オープンゴルフ選手権に優勝したこともあり、いずれもヨーロッパ障害者ゴルフ選手権の覇者でもあります。そんなベテラン達に囲まれながら若いヘニングソン選手が優勝するとは、障害者ゴルフの世界でも若手の台頭を実感させる結果でした。

日本では比較的高年齢のプレーヤーが多く、なかなか若手は増えないのですが、若い優秀なプレーヤーを育てることが急務ですね。いつも気にかけていることではありますが、改めて意識しなければと感じました。


(トーナメントマネージャーのトーマス・アルベルグ氏と2選手)

ところで、前回の記事で触れた日本人選手のクラス分けの件。2人とも問題なく通りました。

ただし、前腕切断の小山田選手はEDGA(ヨーロッパ障害者ゴルフ協会)の試合には永久的に出場出来るメディカルパスが、左膝機能障害の小林選手は障害の状況を観察する必要(良くなったり悪くなったりする)ありと判断され、2年間のメディカルパスが与えられました。

小林選手の場合は2年後に再度クラス分けチェックを受けることになります。

この障害見直しの時期を設定するというのはとても大切だと思います。パラリンピックでも同様の思想で、障害の状況が好転して出場を断られる選手もいるのです。

今後はどこの国でもクラス分けが厳しくなり、軽度な障害のプレーヤーが試合に出られないケースも増えて行くでしょう。