※長文につき興味のない人はスルーして!
15年ぐらい前の話です。ジャカルタにてー。
インドネシア人女房より電話あり。
「パパ、潰れたゴルフショップがあるの。明日にでも事務所を引き払うのでゴルフ道具を処分したいんだって。まだ新品のクラブがたくさんあるらしい。行ってみる?」
女房の話では、このゴルフショップのオーナーと女房の遠い親戚が知り合いで、私がゴルフショップを経営していることを聞きつけ連絡してきたものである。
とある事務所ビルの二階で親戚は待っていた。その事務所は明日にでも引き上げるような様子で準備に忙しい。
「店はもう閉じたのかな。品物だけここに置いているのだろうか?」
その事務所の一室には無造作に古いアイアンセットとドライバーがニ、三本、ウェッジが二本、小汚いキャリーバッグが二つ置かれていた。
新品の山はどこにあるのだろうかと訝しく思っていると、その親戚が目の前のクラブを指差して
「これなんだけど」
「・・・・・・」
思わず、絶句したハル。使えそうなクラブはたった一本のみで、あとは全部少なくとも10年以上前のクラブ、しかもウィルソンやらマクレガーの安物やら、おまけに錆びがきており
「これがどうしてまだ新品?」
とりあえず一本だけを指して
「これだったら買ってもいいけど」
で、その親戚は奥にいる所有者のもとへ
「全部買ってほしいそうなんだ。全部で11juta(12万円ぐらい)だそうだ」
その11jutaという金額を聞いてまたもや絶句。瞬間「これは全部ゴミだね。ゴミを11jutaで買う奴はいないよ」と言い残しその事務所をあとにした。
ハルがお金持ちだとして、ゴルフの知識がまったくないとする。そのときこの話が来て「安いから」と言われれば、ひょっとして買ったかも知れぬ。でもそれで買ったとしても後々ゴミを買わされたと当然わかる訳で、そうなったら完全に詐欺ではないか。
家に帰って女房に事の顛末を報告、女房は大笑い。
あまりにも大笑いするのでちょっと言ってやった。
「あいつ(親戚)なんだけどさあ。自分が詐欺の片棒担ぎかけたとわかっているの?もし彼がまともな話を持ってきたとしても二度と信じないからね」
しかしどうして
「事務所を引き払うので(ゴミのような)ゴルフクラブを数本処分したい」が
↓
「ゴルフショップが潰れて新品のクラブをたくさん処分したい」に変わるのだ?
伝言ゲームだったら面白いのだろうけど。
時間、損した。ハルの時間を返せ!