ポイント♪ ヨンはドラマのヨンです
チェ・ヨン33歳とユ・ウンス29歳の、もう一つのシンイ 「社内LOVEストーリー」
ドラマ最終回のチェ・ヨンが、天門をくぐって現代にやってきた
辿り着いた先は、2008年のソウル
天門にのみこまれたイムジャを探し求め、現代で錯綜するチェ・ヨン
そしてついに二人は再会。しかし、その時のウンスの年齢は29歳
そこにいたのはチェ・ヨンを知らない、まだ若い頃のウンスだった
「社内LOVE序章1」
★社内LOVEシリーズはこちらから
**********
別パターンで
お話が同時進行しています
らぶらぶVer → 静香御前さん
じれじれVer → りお
こちらはリオのお話ではありません。コラボで静香御前さんが、別Verで続きを書いて下さいました
【お話】 夜のオフィス2 完結
こちらのお話の続きになります、お楽しみください 
あの日から随分たって、お互いの間を流れる空気も穏やかに感じられるようになった頃、ヨンはウンスを誘い帰宅の途についた。
ドキドキしながら2人で肩を並べて歩く帰り道。ただそれだけで嬉しくて幸せで取りとめのない話をしながらずっと家に着かなければいいのにと願った。
ふと指先が触れた。はっとするようにそれは離れ、またかすめるように触れる。何度かそんなことを繰り返すうち、ウンスの右小指がヨンの左薬指にからめられた。一瞬ピクンッと撥ねたその指は、そうされることを望んでいたように優しく力が抜けていき、ウンスの指がヨンの爪の形をなぞるように何度も小さく弧を描いていくのをただ静かに受け入れていた。
たった一本だけで繋がった2人の距離が何とも心を浮足立たせるものなんだろう。お互いに繋がれたその指先にだけ全神経が持っていかれるように言葉を交わすこともなく歩みをゆっくりすすめていた。
あ、着いちゃった・・・・。
静かに解かれるその指先が何とも心細くなる。
「ありがとうございました。また明日・・・」
言いかけた時、ふと肩を抱き寄せ、額にやさしく触れるようなキス。驚いて目を開けたら黒曜石の様な瞳がいたずらっ子のように笑っていた。
今はまだ「愛してる」と言うことはできないから、その思いを口づけに変えよう・・・。
「それでは、これで失礼する」
踵を返し足早にヨンはその場をあとにした。
なに?!!!・・・・
「・・あっ・・・おやすみなさい」
消え入るような小さな声で去っていくヨンの背中に向かって呟くウンスだった。
思わず抱き寄せていた。卵のようなおでこに口をつけていた。そうせずにはいられなかった。今でもこの唇に残るイムジャの吸いつくような肌。俺の腕に残されたイムジャの感触。一層立ち込める花の香りがまだこの傍で纏わりついている。もう忘れることなんてできやしない。もう離すことなんてできそうにもない。心は次をもっとその先をと求める気持ちが止まらない。このまま俺の側にずっといてくれと懇願したらあの方はどうするだろうか。俺の気持ちを受け取ってくれるだろうか、それとも困らせるだけだろうか・・・・。それでも求めずにいられない浅ましい気持ちを俺は持て余している。
ベッドに横になるヨンを宵の月が静かに照らしていた。まどろみの中で霧に包まれたようにかすむ記憶の向こう、にっこりほほ笑むイムジャが見える。その記憶の向こうを探ろうとすればするほど俺の手から遠ざかり、いつの間にか深い眠りに落ちて行った。
灯りを落とすと青白く輝く月明かりだけが冷たく部屋に射し込み、ベッド横たわるウンスの頬にひんやりと照らした。
ほんの一瞬だけ触れるように掠めて行っただけなのに、そこがまるで熱をもったように熱い。あの人の香りをこれほど近くに感じたのは初めてではないかしら。あの時は心臓の音が耳元で聞こえる位にいっぱいいっぱいだったのに、次の瞬間にはその先をと望まずにはいられなかった。指先が触れたら手を握りたい。手を握ったらその腕に縋りたくなる。額にキスをくれるなら、この唇にも欲しい。もっと触れたい、ぎゅっと抱きしめて欲しい・・・・。
ねえ、私、この気持ちに正直になってもいいかな?あなたの側に居させてって言ったら何て答えてくれる?迷惑に感じるのかしら。一時の気の迷いでしたなんて言われたらどうしよう。ううん。もう、迷わないと決めたでしょ。あんなに優しくて、強くて、暖かい人。諦めるなんてできないし、この思いはもう止められない。きっともっと私は好きになっていく・・・・。
**********
ウンスはヨンと一緒に帰ろうと執務室に向かった。オフィスに残る人影は無く、ただヨンの居る部長室から明りが洩れていた。
コンコンコン・・・
返事が無い。失礼しますと断りを入れ入室すると、ヨンはソファーで目をつぶっている。
寝てる?・・・このままじゃ風邪をひいてしまうわ
側にあるブランケットをそっと掛け、つい手首と首元に手を当て脈を観る・・・・。
・・・・イムジャ・・・そこに居るのですか?いつものように俺に手を当ててくださるイムジャ。俺の元に・・・・・
薄らと開かれる目から涙が零れた。そしてその目に映るウンスの顔に手を当て『イムジャ』と語りかける。ウンスはビクッと身体を一瞬で強張らせヨンから逃れるように身体を離し、“失礼します”とドアの向こうに身体を向けた。
すると後ろからヨンが抱きついてくる。
「イムジャ、いかないでくれ。俺を一人にしないでくれ」
と繰り返し耳元で囁き、抱きしめる腕の力が増していく。その痛いほどの拘束に、ウンスの心は悲鳴を上げた。ずっと目を背けてきたことが一つある。部長は優しい。私が大事だと言ってくれる。いつも側にいて抱きしめてくれる。だけどふとした瞬間、遠くを見つめてる。私の中になにかを探すような目をする。一体誰を私の中に見ているの?私は誰かの代わりなの?ねえ、教えて、教えてよ・・・・。
「私は、私はユ・ウンスよ。私を誰かと重ねるならば、その手を離して・・・。こんなの・・・・ひどい・・・」
最後は悲痛な叫びだった。その声にヨンは心を貫かれた。背を見せる身体を自分の方へ向かせその顔を見ると、苦悶の表情のままに溢れだす涙に濡れるウンスが居た。どうしようもない位にヨンの胸も痛くなる。自分の優柔不断さがこの方をこんなにも傷つけていたなどと気が付かなかった。いい加減態度をはっきりさせろヨン。これ以上この方を悲しませてはならぬ・・・・。
ヨンはウンスの肩に置いていた手を背中に回し、ウンスを抱きしめた。その腕から逃れようとするウンスにヨンは語りかける。
「ウンス、俺から逃げないでくれ。あなたは誰の代わりでもない、俺だけのイムジャです」
「・・・嘘よ、また私をからかって笑うのでしょ?お願いだからその手を離して・・・」
「イムジャ、すまなかった。俺の態度がイムジャを不安にさせた。もう迷ったりはせぬ。貴方だけが俺の只一人のイムジャだ」
・・・・これでよいのだろう?イムジャ。時空の狭間に裂かれた我らの思いはこうして引き逢わずにはいられない。もし、似て非なるものならば己の心はこうして揺れたりなどしない。この心が叫ぶのだ。イムジャだと、俺だけのイムジャだと・・・。目の前のウンスを幸せに出来なくて、この時に俺が辿り着いたことに意味があるのだろうか。違うだろう?俺と出逢う前のイムジャ。きっとこの出会いにも意味がある。俺はいついかなる時に流されても姿形か違っても、こうしてイムジャの魂を探し出し愛し続ける。そして、この心にイムジャへの思いを刻みつけながらあの時のイムジャに辿りついてみせる。ユ・ウンス。俺の愛するただ一人の女人。もう離しはしない・・・・。
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ちょっと若い雰囲気のヨン部長
もしくは、仮眠室から出てきた、部長の印象にいかがでしょうか
こちらはミノヨンですので、体はミノ君。つまりヨンそのものです
ヨン部長やっぱり、あんまり人気ない
?パラレル設定はウケないのかなぁヨン部長は「ドラマのヨンが現代にやって来た設定」だから、まさにヨンそのものなんですけどね
一度、低視聴率疑惑に番組終了を余儀なく。が、地味にファンに支えられ(?)て、継続しましたが(笑)…
このまま、続けていいのかしら …
やっぱり通常設定のが皆さん好きなのかな
ヨンのスーツ姿こんなに格好いいのに~!!
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ポイント♪ ヨンはドラマのヨンです
チェ・ヨン33歳とユ・ウンス29歳の、もう一つのシンイ 「社内LOVEストーリー」
ドラマ最終回のチェ・ヨンが、天門をくぐって現代にやってきた
辿り着いた先は、2008年のソウル
天門にのみこまれたイムジャを探し求め、現代で錯綜するチェ・ヨン
そしてついに二人は再会。しかし、その時のウンスの年齢は29歳
そこにいたのはチェ・ヨンを知らない、まだ若い頃のウンスだった
「社内LOVE序章1」
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こんばんは
ヨン部長の物語ですが、元はと言えば「ヨンとウンスの社内情事」が書きたくて始めたのが発端ですが…
このまま、りおに任せていると、いつまでたっても進展がないので、静香御前さんが業を煮やして枝分かれVerを書いて下さいました(笑)
らぶらぶVer → 静香御前さん
じれじれVer → りお
と、お話が同時進行をしそうです
こちらはリオのお話ではありません。コラボで静香御前さんが、別Verで続きを書いて下さいました
【お話】 夜のオフィス2 完結
こちらのお話の続きになります、お楽しみください 
ウンスは背を向け遠ざかるヨンを只見つめていた。バタンとドアが閉められる音で我に返った。外されたままのボタンを身ごろごとギュッと握りしめた手はそのままに、意識だけは違う方へと逃避する。
・・・・・仕事・・・・終わらせなきゃ・・・・
カタカタカタ・・・
タンッ・・・・・・
パタン
ウンスはPCの蓋を閉じ、ヨンが籠る部屋のドアを見つめオフィスを後にした。
家に辿り着くと上着とカバンを投げ捨て電気も点けずにベッドに身体を投げ出した。開け放たれたカーテンの向こう側に大きな月が冷たいほどの青い光を煌々と輝かせながら浮かんでいるのが見え、ウンスはぼんやりその月を見つめていた。身体から力が抜けていく。このまま寝てしまえたらどんなに楽だろうと思っても、頭の中に自分の声が木霊して眠ることを許してくれない。
一体何だったの?私、からかわれたのかな?・・・・何やってるんだろう・・・私。
先ほどの出来事を思い出し、恥ずかしさと自己嫌悪、そして掴みきれない何かが交錯する。
一発殴ってやればよかった。あんな嫌な奴、・・・忘れてやる!
・・・って意識しないといけないほど頭の中は部長で一杯だ。
第一印象最悪。セクハラまがいの面接から始まった出逢いだったな。今日のことだってあの時と何ら変わることが無い不躾な行動なのに何故私はこんなにも悲しい気持ちになっているんだろう。
部長に見詰められた目をそらすことができなかった。とても真剣に見えたから。ボタンにかけられた指を拒めなかった。・・・・・その先を期待したから?
・・・そうか、私は一瞬期待したんだ。このままそうなるのかなって・・・。ヨン部長も私のこと思ってくれてたのかなって・・・なのに・・・・バカだ、私・・・一人でその気になって・・・恥ずかしい・・・・今日まで気がつかないふりをしてた自分の気持ち。こんなことで自覚する羽目になるなんて、間抜けだ。
いつから嫌な奴が気になる人に変わったのかな。
仕事に対する怖い位までの真剣さに引き込まれた。さりげないフォローに助けられた。部長の孤独な心を垣間見る度に、その純粋さに触れる度に、その広い背に庇われる度に・・・口やかましく言いわれても、眉間にしわを寄せた顔しか見せてくれなくても、私の心は揺さぶられずにはいられなかった。
気付けばいつも目が彼を追っている。見ているだけで幸せになった。姿が見えなくてもその声を探していた。耳に届くあの人の声に心が震えた。側に居る時に漂う香りにドキッとした。それがどこからくる感情なのか見て見ぬふりをしてた。
話しかけて欲しい。側にいて欲しい。私だけを見つめて欲しい・・・。溢れだす切ない想いを止める術が分からない自分の感情に戸惑った。
部長は私の事なんかなんとも思ってないから平気であんなことするんだよね。
どうしよう。自分の気持ちに蓋をしてきたのに・・・・、気がつかれないように気をつけてきたのに・・・・。さっきのヨン部長の態度が、私のしまい込んでいた感情の扉を開けてしまった。
いい歳の女がこんなことで悩むなんて・・・。仕方がないわよね。だって今までろくに恋愛経験無いんだもの。いつもこの人は?と思っても心が付いていけなかった。いいところまでいきかけてもその先には進めなかった。私はきっと恋愛には向かないんだ、って真剣に悩んだわ。
でも何故かしら。部長は何かが違うの。今まで動かされることのなかった心が揺らめくの。それって何?やっとその理由が分かったと思ったのに、始まる前に拒絶されてしまった。
だから嫌だったんだ、本気になるのは。素直に心を箱から出した瞬間茨の棘に捉えられ血を流してる。
ふと気を抜けば思いがこみ上げてくる。煌々と輝きを放つ天を見上げ、瞬きをすることも忘れた瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。
きっと月明かりが眩しいせいだ・・・・悲しいから・・泣いてるんじゃ・・・ない・・・
頬を流れ落ちる雫に手を当てぬぐうが、次から次へとゆっくり盛り上がってきては流れ落ちてくる。目に映る月は、朧月夜のように歪んで輪郭がぼやけた。声を殺して胸にギュッと握りしめたこぶしを抱え込むように当て身体を丸く抱え込む。
何でこんなに胸が痛いの?・・・・苦しい。まさかこんな気持ちになるなんて思ってもみなかった・・・・。
肩を震わせ、息をするのを思い出せとばかりに胸をこぶしで何度も叩く。
「・トン・・・トン・トン・・・・トン」
頭からヨン部長を消してしまいたいのに次から次へと浮かびあがってきてはウンスを苦しめた。
今夜だけ、今だけ心を解放してあげよう。思い切り泣いたら、明日からはいつもの私に戻ろう。これからどうするかはその時、また考えればいい。
押し殺した嗚咽と胸を叩く音だけが闇夜に聞こえた。
執務室のソファーに寝転び目を閉じる。
目をつぶりながら思いをめぐらせればいつでも愛おしいイムジャに会えた。花が開く瞬間の様な笑顔をなさるイムジャ。その姿を見れるだけで幸せだった。その思いだけで待ち続けることができると思っていた・・・・。
貴方に会いたい。会いたくて、会いたくて気付けば面影を探して辺りを見回す。見つけらずおいてゆかれた心は悲しくて、貴女を求めずにはいられない。今どこに居る。俺がここに居るのが分かるか?イムジャを思う度、俺の心は抉られるような痛みを宿します。胸が締め付けられるように苦しくて死んでしまいそうだ。これが全て夢ならよかったと思う度に心が血の涙を流します。今はその夢でしかお会いすることができぬのですね。
何故俺はここにいるのだろう。高麗に戻ること叶うのか。そして再び俺のイムジャに巡り合えるのだろうか。天は何を思い俺と出逢う前のウンスを引き逢わされた?
どんなに願ってもあの日に戻ることは叶わないというなら、どの時代でも、どの場所でも必ずイムジャを探し出してみせると誓った。イムジャにお伝えたいこと、聞いて欲しいこと、知って欲しいことが沢山あるのです・・・。
ヨンは身体を起こし、ドアノブに手をかけるが回すのを躊躇した。ウンスとどう向き合うのか未だに決めかねている心のまま顔を合わせてなんと言えばいいのか。先ほどの所業を思うと後悔に苛まれる。
・・・・・・ウンスを傷つけてしまった・・・・・
いつものように冗談で済まされる感じではなかった。ボタンを外す手を抗うこともせずにヨンを真っ直ぐに見詰めていた。ウンスの気持ちを知らなかった訳じゃない。俺はずっとイムジャを見つめて来たのだ。そのおしゃべりな口より正直で嘘のつけない瞳を誰よりも知っている。定まらぬ心を見透かされぬように、わざと気がつかぬふりをしてきただけだった。決して知られてはならない俺の心。蓋をしろ、素知らぬふりをしろ。そうしなければあの微笑みを汚してしまう・・・・。俺が探して見つけ出したウンス。俺に気が付いてくれ、俺を見てくれ、俺の側に居てくれと願った。それなのに俺はウンスを置き去りにして背を向けたのだ。
もう限界だ。これ以上、ウンスを目の前にして素知らぬ振りができそうもない。一歩を踏み出しそうになる足を止める自身が揺らぐ。今になって俺のイムジャの存在が大きく膨れ上がった。逢えると信じているならその時、イムジャが泣くようなことはしたくない。
はぁ、と大きく息を吐き、意を決してドアを開けるとその先にウンスの姿は既に無く、暗闇だけが広がっていた。
初めてお会いした日のことをイムジャは覚えておられますか?
俺は貴方が見つめた全てを思い出したくてこのコエックスの前に立っています。ここはイムジャと出逢い、時間が動き出した大切な場所。ここに来ればまた何か始まる様な気がしました。
ヨンは空を見上げ問いかける。
教えてくれイムジャ。このままウンスと真っ直ぐ向き合うのはあなたへの裏切りになってしまうのでしょうか。それともその先に見える物が何かあるのでしょうか。イムジャ・・・・答えてくれ・・・・・・・答えてはくれぬのか?
声の聞けぬ空に落胆し、階段に腰を下ろし目をつぶる。
俺は待っていた。あの約束の木の下で。ずっとイムジャを待っていた。しかし、今俺はここに居る。そして、もう一人のイムジャ・・・ウンスを見つけた・・・・。同じ顔で、声で、笑顔で・・・そして香りで俺の前に立ち話かけてくる出逢う前のウンス。どんどん俺の心に入り込んでくる度に、その手を取りそうになるたびに躊躇し、葛藤する。
イムジャ、あなたに逢いたい。無性に逢いたくて堪らない。手を伸ばせば触れることのできる距離に貴方が居らっしゃる。一歩踏み出し抱きしめてしまいそうになる俺が居るのです。
初めてイムジャとお会いした時、”この方だ”と何の迷いもなく高麗にお連れした。おびえた目で懇願するも聞く耳を持たず、ただ王命に従うのみと言い聞かせ乱暴に担いでお連れした。なぜイムジャだったんだろう。その思いはずっと心の中にあった。そう、イムジャと離されてしまったあの日まで・・・・。医師なら沢山いただろうに、俺の目にはイムジャしか映らなかった。恨んでもいい、罵ってもいい、ただ俺の側を離れず守らせて欲しかった。
あの時から俺の中に入り込んで離れぬものたち。眼をつぶっても鮮やかに浮かび、その感覚を思い出す。あの輝く瞳、赤い髪、華奢な身体、そして何故か懐かしく感じた花の香り。
そのどれもが俺の心をくすぐる。いつの間にか義務ではなく心からイムジャを守りたいと思うようになっていた。約束なんか糞食らえ、と口に出せたらどんなにいいだろうと何度思ったことか。この俺が、信義と忠義が俺の全てだったのに、イムジャをこの腕に留めておけるのならばそれすらも捨てても構わないと思う自分自身信が信じられなかった。
俺の心を鷲掴み茨の棘を突き立てる。どくどくと流れ出る血潮がその身を焦がしてもその手を離すことができなかった。
イムジャを抱きしめて、思いのたけをその身体に刻みたい。一時も側から離れぬようにその身を縫いつけてしまいたい。そんなあさましい心で見ていることを知られたら、イムジャはどうしたであろうか・・・。そんな思いを抱えたままイムジャと離されてしまった。
あの時、もしこのような結末が待っていると知っていたならば、繋いでいた手を決して離しはしなかった。天門にお連れせずそのまま開京にお連れしていたら、イムジャは俺の隣で今でも微笑んでいてくれたのでしょうか。
ここから始まった俺達。何故イムジャだったのか。その答えをずっと探し続けやっと見つけたときに時空の狭間に裂かれてしまった我らの思い。でもあの時思ったのだ。イムジャならこれが始まりなのだと言うだろうと。
輪廻転生があるならばその御霊は一つ。時を超え、引き離されても俺たちはお互いを探し出すだろう。初めてイムジャを見つけた時、まるで最初から俺がここに居ることを知っていたかのように真っ直ぐ見詰めるような視線から目をそらすことができなかった。担ぎあげた時、いつか嗅いだ事のある花の香りがした。昔嗅いだ花の香りだと急に懐かしくなった。イムジャが時空を超えて高麗に来たように、俺もイムジャを愛し続けるために探し求め、時を旅していたのかもしれぬ。どこの時代に行こうとも、どんな容姿に変わろうとも、俺が願い望むのはイムジャただ一人。
我らの思いは引き逢わずにはいられない。この心にイムジャへの思いを刻みつけながらあの時のイムジャに辿りついてみせる。ユ・ウンス。俺の愛するただ一人の女人。この世には偶然は無い。そう、全ては必然なのだから。
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こんばんは
何故かコメ欄で生まれたお話
「小話UP 【ミノヨン】 部長のある日1」の続きを書いてみました。
で、本当に健康診断をしたいんですが…ヨン部長の切ない設定が邪魔をして、どうしたものかと困っています
みなさん絶対忘れていると思いますが、元はといえば【画像】 リリース!?(アメ限定)こちらが発端のお話
きゃぁ、どうしよう…
ポイント♪ ヨンはドラマのヨンです
チェ・ヨン33歳とユ・ウンス29歳の、もう一つのシンイ 「社内LOVEストーリー」
ドラマ最終回のチェ・ヨンが、天門をくぐって現代にやってきた
辿り着いた先は、2008年のソウル
天門にのみこまれたイムジャを探し求め、現代で錯綜するチェ・ヨン
そしてついに二人は再会。しかし、その時のウンスの年齢は29歳
そこにいたのはチェ・ヨンを知らない、まだ若い頃のウンスだった
「社内LOVE序章1」
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医員の純白の装束
ウンスは前身ごろの袷を肌蹴させ、肩から羽織るようにそれを纏っていた
腰をぐるりと囲う程度の、黒色の”たいとすかぁと”を、下に身に着けている
どうやら天界の衣というものは、不埒な思いを誘い出すようだ
それを身につけておるのが、恋慕う女人であればなおさらの事
間近に愛しく思うあなたがおるのだ
止め処なく沸き立つ欲情を、どうして抑える事など出来ようものか
始めて天界に参ったあの時は、周りを気にする余裕などなかった
しかし、此度は違う
もう、この地に身を置いて、三年という長い月日が過ぎていた
時が色々な事を解決させ、慣れ始めると周りの様子が見えてくるものだ
この天界の女たちが身に纏うさまざまな衣に、我が目を疑った
俺は懐かしい昔の…
あの方との思い出を、脳裏に思い描いた
考えてみたら何時だって、俺はイムジャあなたに翻弄されているようだ
そんな自分に呆れちまう
そう、イムジャあの方とお会いしたあの時…
あの方に俺は「足もとを隠せ」と言った
あの時のイムジャの姿が思い返される
男の前で脚を露わにして歩き回るイムジャに、なんと馬鹿げた事をされる方だと呆れたものだった
だがどうだ?
あの時のイムジャの姿など、比にもならぬような、女たちの淫らな身なり
それと比べれば、あの姿はまだましな方であったとさえ思えた
今、目の前にいるウンス
男に誘いかけるように開いた袷に、ふりるが施された純白のしゃつ
そして腰を申し訳程度に覆い包んでいる、体の線を強調するようなたいとすかぁと
そして、最も気に障り厄介なのが、この黒色のすとっきんぐというやつだ
腿まで大きく露出した脚を、すとっきんぐと言う物が覆い隠している
覆い隠すと言うと語弊があるやもしれぬ
”見えておるが見えておらぬ”
そこへと誘いかけるように視界をよぎり、俺を甘く唆すのだった
(イメージ写真:アメ限定)
目の前のウンスの姿に、生唾を飲みこむ
それと共に、俺の知らぬイムジャもこのような恰好をしていたと思うと…
胸が痛み、もやもやとする
しかし、目が逸らす事ができない
それがこの天界の女たちが身に纏う、不埒な衣の恐ろしい魔力だ
魔に魅せられた男が、何をしようとも、それは自分自身が引き起こした事
ヨンは自嘲の笑みを浮かべると、あなたが悪いのだと心の中で呟く
そして、ウンスの目を真っ直ぐにとらえ、食い入るように見つめ続けた
余りに強い視線に、動く事が出来なかった
ウンスは体を硬直させた
表情も緊張からだろう、硬く強張っていた
緊張するウンスの姿が愛おしく思え、ふっと笑いが漏れ出てヨンの表情が和らいだ
そして、安心させるように目じりを下げると、ウンスに言ったのだった
「イムジャ。診察を…」
ウンスはその言葉にハッとさせられる
緊張で余裕がない、心の内を悟られまいと、慌てて聴診器に手をかけた
だが、次の瞬間、手に持った”聴診器のあてる先”が、頭に浮かんでくる
胸の音を聞くには…もちろん部長の胸元へと、それをあてなくてはならない
ウンスの頭の中にヨンの露出した肌。逞しいであろう胸元が想像された
やだ…どうしよう
体中の血がざわりと逆流をしはじめて、心臓がドクンドクンと激しく鼓動する
戸惑う様子のウンスに
「どうした?」
動揺するウンスの顔を、下から覗き込むようにして、ヨンは顔を近づけた
やだっ!顔が近い!
目の前に突然寄せられた、ヨン部長の顔
とっさに椅子を後ろに引くウンス
あっ、と思った瞬間、自分の体がぐらりと宙を舞いあがる
あまりに勢いよく強く引きすぎて、バランスを崩した椅子が後ろに倒れそうになった
ヨンは咄嗟に立ち上がり、床へ落ちかけた椅子の背を右腕で支えた
「なにをしておるのです!」
驚きから強い口調で言い放つ
きゃっぁっ。倒れる!そう思って、覚悟しぎゅっと堅く瞑った目
あれ?
ふわりと体が宙に浮いているようだった
倒れてない?
頭の上の方から振ってきたヨンの叫び声に驚いて、おそるおそる片目を開けると、先程よりさらに近く…
自分の目と鼻の先に、ヨン部長その人の顔があり、それは唇が触れ合いそうなほど近い距離だった
両目がパチリと開かれた
ャッ…とはっきりと言葉にならないような声をだし、思わず顔を背けた
ウンスの胸が、バクバクと飛び出そうなくらい激しく鼓動する
それはヨンも同じだった
すぐ間近にあるウンスの肌
ヨンは瞬時に身を起こし、ウンスが地面に叩きつけられるのを食い止めた
難を逃れた事にほっとひと安心し、止まった息をす~と吸い込んだ
鼻先から懐かしい香りを感じる
イムジャの匂いだ
鼻の奥をくすぐり、眩暈を呼び寄せるような、そんなイムジャの香り
早鐘のようにバクバクと胸が打ち叩かれる
横向けたウンスの顔をとらえ、そのまま口づけたくなる衝動が胸にわき起こる
俺はここではそれをする資格がない
少しばかり残っていた自制心が辛うじて、それを押さえ何とかやり過ごした
ヨンはふぅともう一息大きく息を吐きだすと、そのままゆっくりウンスを姿勢を戻していき、椅子を元あったところに置いた
口を小さく開くウンスを見下ろして言う
「イムジャ、あぶない所だった。全くあなたという方は…」
部長の呆れたような声に、自分でも情けなくて、身の置き所がない
「…すみません」
恥ずかしくて穴があったら入りたい気分に、唇を小さく噛みしめた
イムジャは、昔も今もそそっかしすぎる…
俺は、いつまでたっても、気が気でない。目が離せぬではないか
ヨンはそう思いながら再び席に着く
あの方は若かりし頃からこうだったのかと思うと、途轍もなく可笑しく思えてくる
イムジャはやはりイムジャだ。ヨンは肩を震わせて、声を押し殺しながら笑いだした
「そんなに笑わないでも…」
ウンスが小さく呟いた
目の前の呆気にとられるウンスの存在を思い出し、顔をあげるとにこりと微笑んだ
「イムジャ。別にとって食おうとしているわけではない。俺はただ健康診断せよと、申しておるだけだ」
ウンスは真っ赤に顏を染めた
今度はヨン部長は、声を出して笑い出した
ウンスは笑われた事に困惑し、顔をくしゃりとさせる
気まずそうに表をあげ、横目で見ようと顔を向けると、部長ははたと笑いを止め、甘い目で見返してくる
ドクンと、また大きく胸が揺れる
やめてよ、その顔が曲者なのよ
ただでさえ、部長の思わせぶりな態度に、私は困惑しているって言うのに…
そんな、そんな顔で見られたら、ドキドキしちゃうじゃないの
この人は本当にタチが悪い男だわ
壁を隔てた向こうには、たくさんの人がいる…とはいえ、ここは個室
そこに、私はヨン部長と二人きりだ
あぁ。私ったら…こんなに初心な女だったわけじゃないないでしょ?
モテない方じゃなかったし、こんな事でこんな風にテンパってしまう程、私ってば純情じゃなかったはず
私ったら本当にどうしたの?
ヨン部長の前に来ると、いつも自分ではいられなくなってしまう
部長は黒い黒曜石のような眸で、射るように私を見つめてくる
最初の頃は目があったかと思うと、逸らされているように感じてた
でも、最近は少しずつ部長の態度が変わっている気がする
そんな風に思っているのは、私の思い上がりなのだろうか
吐く息が震えてしまう
そもそも、健康診断や、イケメンの患者なんて、慣れっこだったはずでしょ?
相手が部長と思うだけで、まるで研修医になった時の気分になる
何もかも自信がなくなる
部長はやたら私に干渉してくるけど、好きだって言われた事も無ければ、デートに誘われた事もなかった
私の事をどう思っているのか…
ただ、私の反応が面白くて、かわれているだけのだろうか
じっと見られて恥ずかしい
ウンスはヨン部長に、緊張している事を気付かれたくなかった
もう、この場から逃げ出してしまいたい
聴診器を握る手が、小さく震えたのだった
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