「テジャン話があります」
俺をまっすぐ見上げ、顔を真っ赤にしたテマナに、話があると呼び出された
テマナは何か意を決したような心痛な面持ちで、唇を強く噛みしめていた
若干どころか心当たりがあり過ぎ、誤魔化すよう苦笑いを浮かべた顔が引き攣る
きっと昨夜のことだろう…
素知らぬ顔を作りきれなかった
テマナに気付かれぬよう顔を横向けると、俺は溜息をついた
チェヨンはテマンの申し出を断る名分もなく、しぶしぶついて行くことにする
重苦しい気まずい空気が漂う中、二人はウダルチの隊から離れたのだった
無言で戸口をくぐる二人
テマンの後ろをチェヨンが続く
外に出て建屋から少し距離を取る
辺りを見回して、周りに誰もいない事を確認してから俺は問いかけた
※あまりにビンゴの可愛い画像見つけお借りしちゃいました 。これ見つけてついお話書いちゃった
「いつから居た?」
テマンが話を切り出す前に、チェヨンが我れ先にと口火を切った
負け戦はせめて先手を取るべきだ
「医仙様が、テジャンの所に向かってしばらくした後です…」
窮鼠猫を噛む。追い詰められたチェヨンは、テマンに噛みついた
「なに故お前が!」
あんな所に居るんだ!そう責めようとすると、テマンは悔しそうに下を俯いた
悔しそうな顔にチクンと胸が痛んだ
チェヨンはその表情から、テマンが良かれと思ってしてくれた事だと即座に悟る
これは明らかに逆切れだ
そんな事は重々承知している俺は、それ以上テマナを叱咤する言葉を噤んだ
何から話していいのか分からずしばらく無言でいると、今度はテマンが話し出した
「ふっ、二人が戻るのが、おっ、遅かったから…おいら心配になって…」
夜遅くまで典医寺にいたイムジャを心配し、影から見守ってくれていたのだろう
そして俺の元へと向かった、イムジャの事も知っていたに違いない
「すまなかった…」
テマンの気持ちを思い遣ると、心の中に気まずさがいっぱいに広がった
「話とはそれだけか?」
それにしても、やけに決死の覚悟を決めたような表情が脳裏に残る
「てっ、テジャン。おっ、おいら…なっ、何であんな酷い事をするんですか!!」
テマンの話は済んでおらず、どうやらこれからが本題のようだ
テマンの表情が一層険しくなった
「酷い事?」
何が言いたいのかよく分からない
だがテマナの目は俺を責めている
「二人の戻りが余りに遅いから、気になっておいら傍に行ったんだ…」
そこで自分達が何をしていたかは、チェヨン自身がよく分かっていた
そこまで言いかけて、ぷつりと言葉を閉ざしてしまったテマンに続きを促した
「それで?」
チェヨンが相づちを打ってやると、テマンはまた続きを話はじめた
「そしたら二人の苦しそうな声が聞こえてきて…何かあったのかと木に登って…」
「……」
「様子を窺ってみれば…あんな…」
あんな事や…こんな事だろう…テマナはその先を言う事を躊躇っている様子
やはりすべて見られていたか
ただ、先程から解せないのは、怒りを帯びたような表情とその口調
仔細を確認すべく問いただす
「あんなとはなんだ?」
ゴホンと大きく咳払いをした後、そう問いかけるがまた黙り込むテマン
「テマナ…お前でも、俺たちがあそこで何をしていたかは分かってるな?」
こうなったら言い逃れはしまい
「いけない事をしてたのは分かります」
ぼそぼそと重く言葉を発した
「……っ。いけない事か」
幼い物言いするテマンがどこか可愛らしくて、張り詰めていた糸が途切れてチェヨンから笑いがこぼれた
「分かっているならいい」
もう戻るぞと目配せをすると、テマンは固く拳を握りしめ、強い視線をぶつけてきた
「まだ何かあるのか?」
テマンに問いかけると深く頷いた
「なんだ?」
「言わせてもらいます。医仙様は跪いて…あんな、苦しそうな声を出しながら、何度も、何度も、頭を下げているのに…」
「っ…?」
一瞬なんの事だかよく分からず、チェヨンの動きがぴたりと止まる
しばらくすると話の行きつく所が見つかり、生唾を大きく飲みこんだ
「おっ、お前…なにを」
「それに…医仙様の髪を鷲掴んで、ずっとずっと頭を下げさせるなんて…おっ、おいら、てっテジャンでも許せないです!」
唖然としすぎて引き攣り笑う
「いや…それはだな…」
何度も頭をさげ…そして、髪を鷲掴んで…ときたか…あまりに想定外だ
誰に呆れたのか分からないが、とにかくこれは笑うしかない状況のようだった
まったくテマナこいつは…
一体なんと説明しろと言うんだ
「イテッ!!何で叩くんだっ」
爆発頭に手をやり、チェヨンに叩かれた所を擦りながら、恨めしそうに睨み付けた
「お前は若造か!!」
そういって今度は尻を蹴り上げた
「なっ、なにするんだ!!」
今にも噛みつきそうな勢いだ
「いつかお前にも分かる」
飛び掛かってきそうな体を支えると…
興奮するテマンを落ち着かせようと、獣をあやすように肩を撫で下ろした
「テジャン!!」
医仙様への反省の言葉をもらうどころか、頭を叩かれて蹴り上げられた
どう考えても納得がいかない
「分かりません!!」
再びチェヨンに掴みかかると、鬱陶しそうにあっさりとその手を払われた
しぶとく食い下がるテマン
適当にあしらうのも無理だと分かり、テマンにしっかりと向き直った
向き合いテマンの両肩を掴んで、諭すようにチェヨンはこう告げた
「テマナよく聞け。つまり…あれはだな…」
「あれはなんですか!!」
言っている傍から疚しさが込み上げる
「いいか?あれはだな…男の本能だ。お前にもいつか分かる日が来る」
テジャンがおいらを言いくるめるように、じっと目を見つめてきた
やっと真面目に取り合ってくれたけど、やっぱりテジャンの言っている意味はぜんぜん分からなかった
だけどそう言いながらも、最後は気まずそうに笑いを浮かべたテジャンは、やっぱり悪い人じゃない
きっと医仙様も許してくれたのだろう
なら、おいらもテジャンを許してやる
だけどおいらにも、その男の本能ってやつを、分かる日がいつか来るのだろうか
「もう戻るぞ」
身を翻しテジャンは戻ってしまった
テマンはチェヨンの大きな背を、じっと見つめ心の中で呟いたのだった
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お話
茉莉花さんミアネヨ。ヨンに挽回のチャンスを与えちゃった(笑)
ウンスを入れただけなんですけどね(笑)
