信義(シンイ)二次小説 -23ページ目

信義(シンイ)二次小説

りおのシンイParty☆


「テジャン話があります」

俺をまっすぐ見上げ、顔を真っ赤にしたテマナに、話があると呼び出された

テマナは何か意を決したような心痛な面持ちで、唇を強く噛みしめていた

若干どころか心当たりがあり過ぎ、誤魔化すよう苦笑いを浮かべた顔が引き攣る

きっと昨夜のことだろう…

素知らぬ顔を作りきれなかった
テマナに気付かれぬよう顔を横向けると、俺は溜息をついた

チェヨンはテマンの申し出を断る名分もなく、しぶしぶついて行くことにする

重苦しい気まずい空気が漂う中、二人はウダルチの隊から離れたのだった
無言で戸口をくぐる二人
テマンの後ろをチェヨンが続く

外に出て建屋から少し距離を取る

辺りを見回して、周りに誰もいない事を確認してから俺は問いかけた




※あまりにビンゴの可愛い画像見つけお借りしちゃいました 。これ見つけてついお話書いちゃった


「いつから居た?」

テマンが話を切り出す前に、チェヨンが我れ先にと口火を切った

負け戦はせめて先手を取るべきだ

「医仙様が、テジャンの所に向かってしばらくした後です…」

窮鼠猫を噛む。追い詰められたチェヨンは、テマンに噛みついた

「なに故お前が!」

あんな所に居るんだ!そう責めようとすると、テマンは悔しそうに下を俯いた
悔しそうな顔にチクンと胸が痛んだ
チェヨンはその表情から、テマンが良かれと思ってしてくれた事だと即座に悟る

これは明らかに逆切れだ

そんな事は重々承知している俺は、それ以上テマナを叱咤する言葉を噤んだ

何から話していいのか分からずしばらく無言でいると、今度はテマンが話し出した

「ふっ、二人が戻るのが、おっ、遅かったから…おいら心配になって…」

夜遅くまで典医寺にいたイムジャを心配し、影から見守ってくれていたのだろう

そして俺の元へと向かった、イムジャの事も知っていたに違いない

「すまなかった…」

テマンの気持ちを思い遣ると、心の中に気まずさがいっぱいに広がった

「話とはそれだけか?」

それにしても、やけに決死の覚悟を決めたような表情が脳裏に残る

「てっ、テジャン。おっ、おいら…なっ、何であんな酷い事をするんですか!!」

テマンの話は済んでおらず、どうやらこれからが本題のようだ

テマンの表情が一層険しくなった

「酷い事?」

何が言いたいのかよく分からない

だがテマナの目は俺を責めている

「二人の戻りが余りに遅いから、気になっておいら傍に行ったんだ…」

そこで自分達が何をしていたかは、チェヨン自身がよく分かっていた

そこまで言いかけて、ぷつりと言葉を閉ざしてしまったテマンに続きを促した

「それで?」

チェヨンが相づちを打ってやると、テマンはまた続きを話はじめた

「そしたら二人の苦しそうな声が聞こえてきて…何かあったのかと木に登って…」

「……」

「様子を窺ってみれば…あんな…」

あんな事や…こんな事だろう…テマナはその先を言う事を躊躇っている様子
やはりすべて見られていたか
ただ、先程から解せないのは、怒りを帯びたような表情とその口調
仔細を確認すべく問いただす

「あんなとはなんだ?」

ゴホンと大きく咳払いをした後、そう問いかけるがまた黙り込むテマン

「テマナ…お前でも、俺たちがあそこで何をしていたかは分かってるな?」

こうなったら言い逃れはしまい

「いけない事をしてたのは分かります」

ぼそぼそと重く言葉を発した

「……っ。いけない事か」

幼い物言いするテマンがどこか可愛らしくて、張り詰めていた糸が途切れてチェヨンから笑いがこぼれた

「分かっているならいい」

もう戻るぞと目配せをすると、テマンは固く拳を握りしめ、強い視線をぶつけてきた

「まだ何かあるのか?」

テマンに問いかけると深く頷いた

「なんだ?」

「言わせてもらいます。医仙様は跪いて…あんな、苦しそうな声を出しながら、何度も、何度も、頭を下げているのに…」

「っ…?」

一瞬なんの事だかよく分からず、チェヨンの動きがぴたりと止まる

しばらくすると話の行きつく所が見つかり、生唾を大きく飲みこんだ

「おっ、お前…なにを」

「それに…医仙様の髪を鷲掴んで、ずっとずっと頭を下げさせるなんて…おっ、おいら、てっテジャンでも許せないです!」

唖然としすぎて引き攣り笑う

「いや…それはだな…」

何度も頭をさげ…そして、髪を鷲掴んで…ときたか…あまりに想定外だ

誰に呆れたのか分からないが、とにかくこれは笑うしかない状況のようだった
まったくテマナこいつは…

一体なんと説明しろと言うんだ

「イテッ!!何で叩くんだっ」

爆発頭に手をやり、チェヨンに叩かれた所を擦りながら、恨めしそうに睨み付けた

「お前は若造か!!」

そういって今度は尻を蹴り上げた

「なっ、なにするんだ!!」

今にも噛みつきそうな勢いだ

「いつかお前にも分かる」

飛び掛かってきそうな体を支えると…

興奮するテマンを落ち着かせようと、獣をあやすように肩を撫で下ろした

「テジャン!!」

医仙様への反省の言葉をもらうどころか、頭を叩かれて蹴り上げられた

どう考えても納得がいかない

「分かりません!!」

再びチェヨンに掴みかかると、鬱陶しそうにあっさりとその手を払われた

しぶとく食い下がるテマン

適当にあしらうのも無理だと分かり、テマンにしっかりと向き直った

向き合いテマンの両肩を掴んで、諭すようにチェヨンはこう告げた

「テマナよく聞け。つまり…あれはだな…」

「あれはなんですか!!」
言っている傍から疚しさが込み上げる

「いいか?あれはだな…男の本能だ。お前にもいつか分かる日が来る」

テジャンがおいらを言いくるめるように、じっと目を見つめてきた

やっと真面目に取り合ってくれたけど、やっぱりテジャンの言っている意味はぜんぜん分からなかった

だけどそう言いながらも、最後は気まずそうに笑いを浮かべたテジャンは、やっぱり悪い人じゃない

きっと医仙様も許してくれたのだろう

なら、おいらもテジャンを許してやる

だけどおいらにも、その男の本能ってやつを、分かる日がいつか来るのだろうか

「もう戻るぞ」
身を翻しテジャンは戻ってしまった

テマンはチェヨンの大きな背を、じっと見つめ心の中で呟いたのだった

 

 
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こんばんは

木の下で…完結しました

最初に1話を書いたのはいつかって?聞いちゃいますか?

どうやら1月…です

済みません…内容すっかり忘れちゃいましたよねきっと…

木の下で
木の下で2

※1と2は短編みたいになっていますので、別のお話のような感じでもあります…


 
こちらから
(3話~完結まで)

1万文字オーバーのRですので、ゆっくり出来るときに読んで下さい


  Rの表現等が含まれます。一切クレームはお受けしません。嫌な方は閲覧しないで下さい



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  お話

茉莉花さんと勝手にタイアップ企画。うちの貴重なオリキャラ。久しぶりにあの子も登場しました


「テマン君」
「いっ、医仙さま。どうして此処が?」
「チュンソクさんに聞いてね。あらやだ…あの人ったらまだ、いじけてるの?」
「どっ、どうにかしてください」

「どっ…どうにかって…」
「そっ、その…事前にするとか」
「じっ、事前になんて…そんな…」
「減るもんじゃないし」
「テマン君のばっ馬鹿…(*ノдノ) 」

婚礼の日の夜半に、
明の使者が到着する運びとなり、
チェヨンが行かざる得なくなった

「もう、あの人ったら、たった一日…遅れるだけじゃない…」
「一日じゃありません。テジャン(※)にとっては、四年と三か月と一日です」
「やだ、テマン君てば……こんな時だけ、記憶力がいいんだから」
「てっ、テジャンが何度も繰り返すから、おぼえちまって…」
「えぇ何それ (〃゚д゚〃) 」

※テマンは大護軍になってからも、テジャンとまだ呼んでいる設定で

***********


「おい…あれは何だ」
チェヨンが問いかけると
そいつがしゅんと萎れて答えた
「すまねぇヨンァ…暴発だ」
「……」
暴発。そいつの言葉に唖然とする
目を大きく見開いて顔が強張った
「だって考えても見ろよ?四年と三カ月と一日だぜ?おまけに、いむじゃにその気になってから数えたら、えーと一年足すから…四足す事の一で」
「黙れ!!そんな事どうでも良い。今更そのような言い訳をしても、起きてしまった事は取り返しがつかぬ…」
「まぁな…確かに、ありゃ、男として、どうかと思うよな。けどよ、みこすり半くらいはしたか?」
「……」
「おわっ、そんなに睨むなって。つまりは、鬼の目にも即、涙ってやつだ」
こいつの言葉は、慰めになるどころか、傷口をえぐるようだった
「なぁ、ヨンァ。大丈夫だって。いむじゃなら言ってくれるさ」
まぁまぁ、落ちつけよと、そいつは宥めるように左右に躰を揺らした
「何をだ?」
イムジャが何を言うと?
苛立ちから怒鳴るように問う
大丈夫。ここからが始まりよってさっ。なっ帰ってもう一度、ヤリなおそうぜ」
「…」
「そもそもオレは言ったぜ?事前に多少こなしておいた方がいいってよ。それをオマエが聞かねぇのが~わりぃんだぜ?」
「黙れ」
「つまりは一生の不覚ってやつだ」
「黙れと…」
「こうなったらさぁ、あれはりはって事にすればいんじゃね?ぷっ。あれじゃ、本番にも至ってないようなもんだし」
「黙れ!!!」
「だけどよ一日早まってあれだろ?万が一、婚礼の日だったら、みこすりすら…ぶぶっ駄目だもう我慢ならねぇ(;゚;ж;゚;)」
体を真っ赤にし吹き出す
無言ですくっと立ち上がるチェヨン
鬼剣に手をかけ素早く鞘を抜いた
「うわぁ~やめろ、斬りおとす気か?そんな事したら、男の誇りを取り戻す事すらできないままだ。宦官にでもなるのか?早まるな!!冷静になれって」
手に握りしめた鬼剣を振り下ろす事を、葛藤の末に寸前の所で止めた
腹立たしさに強く地面を打ち付けた


***********

「もう、あの人ったら、たった一日…遅れるだけじゃない…」
「一日じゃありません。テジャンにとっては、四年と三か月と一日です」
ってテマン君が言うから婚礼事前にあんな流れになったけど…。

「ヨンァ。ねぇ、ヨンァったら。
まだ気にしているの?」
「……」
「あんな事も、その…時にはあるって言うじゃない。」
「……」
「そりゃ、始まっていきなり終わっちゃったから、ちょっとびっくりしたけどさ」
「!」
「あ、あ、そうじゃない。そうじゃなくて。もう、ねぇ、ちょっとこっち向いてってば。ねぇったらぁ。」

「……情けない…」
「えっ?」
「イムジャに合わせる顔がありません…放って置いてください」
「ヤァ!!ヨンァ!!放っておけって、なによそれ!!放っておけるわけないでしょ。ほら、戻るわよ」
「屋敷には戻りません」
「もう、本当に頑固なんだから。呆れたわ…いいわっ、ほら、行くわよ?」
「どこに行くと…」
「…宿屋」
「宿屋?」
「トラウマを克服するには、環境を変えるのも…医学的にもいいのよ。ほらっ」
男の人は意外にデリケートだから…
これがそのままトラウマになったら、その…私だって困るし…
「虎だの馬だの何の事だ?」
「いいから。今日はお泊りよ!!朝まで…寝かさないから…覚悟して」
イムジャは俺の目を見てそう言って、顔を真っ赤に染めたのだった

***********

「ヨンァ…どうしちゃったの…全然平気どころか…もう…私限界…」
「どうやら虎と馬を克服したようです。まだまだ寝かしませぬ」
「だから虎と馬じゃなくて、あんっ、駄目よ…本当に、眠いし…何より腰が…」
「なりません。寝かさぬと言うあの言葉を忘れたか?イムジャ、ここからが俺たちの始まりなのですから」
どうやら、せっかく眠っていた虎を起こしてしまったようだ
ウンスの上に馬乗りになるチェヨン
大護軍の逆襲は、鬼より怖かったと後悔したウンスさんでした…



 茉莉花さんミアネヨ。ヨンに挽回のチャンスを与えちゃった(笑)


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「テマン君」
「いっ、医仙さま。どうして此処が?」
「チュンソクさんに聞いてね。あらやだ…あの人ったらまだ、いじけてるの?」
「どっ、どうにかしてください」

理由や小話を大募集です

結構、可愛く作れました   ウンスを入れただけなんですけどね(笑)


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こんにちは

りおです

今日はみなさんに、申し訳ないお詫びのご連絡があります

まず始めに…

いつも皆さんからたくさんの応援貰っているのに、コメ返もちゃんとできない駄目ブロガーで本当に申し訳ありません

仕事で色々大変だった事は、アメンバーの皆様には愚痴ってましたが…

自分でも思っている以上に、気持ち的にどっと疲れちゃって

それなのに近日仕事関係の、超大型のイベントがありまして…

求人もしないといけないし、少し内部の立て直しもしないといけないし

とか、色々考えていたら、キャパオーバーになってしまいました

チビ助たちも、あまりに放置しすぎているなと反省もしたりして…

とりあえず2週間くらい(?)まとまったお休みをしようと思います

あと、完結してないお話のお詫びに、「初夜の次の日の朝」のヨン&ウンス二人の画像を頑張って作りました

【ミノヨン】ですので躰はミノ君です

ヨンの髪の毛短かったので、ヨン化かなり頑張ってみました(笑)
 
(髪飾りも描いてみたの~♪)

ヨンに見えるといいのですが

本当に我儘言ってすみません

またお会い出来たら嬉しいです

再開した時は、またどうぞよろしくお願いいたします!!

P.S ヨンの表情は、本当に初めての朝の愛しい人を見る表情です~


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  お話

紅色の陽の光が辺りを包む頃
俺はイムジャと二人、開京から離れた所にある海辺で、ゆるりと馬を走らせていた
肌にあたる風が心地よかった
波が奏でる音が気持ちを穏やかにする
胸の中には柔らかなイムジャが
ここ最近は少し肌寒く感じる日もあったが、幸い今日は穏やかな気候だった
闊歩する揺れに二人身を任せ、幻想的に色染める天と、水面が織りなす色を楽しんだ
「ヨンァ…」
何かを深く考えたかのように呟く
「なんですか?」
「綺麗ね。すっごく綺麗」
夕陽がイムジャの上に降り注ぎ、赤い髪が濃く染まっているようだ
赤い髪の天の女人が俺の前にいる
間違いなくこの腕の中に温もりが…
これは夢などではない
心が満たされるとはこういう事だ
「はい」
チェヨンは誰よりも美しいその女(ひと)を抱き寄せると幸せそうに微笑んだ

この馬は元より彼の地を奪還した褒美として、王より賜ったものだった
戦いの折ひときわ異彩を放っていた
屈強な元の将軍二人を背に乗せ、行く手を阻もうとする我が高麗軍を悉く蹴散らした
此奴は我が軍に多くの傷跡を残した
愛馬チュホンは機動力はあるが、ナムジャ二人を乗せる事はさすがに憚れる
此奴は類い稀なる名馬だ
その馬を俺に下さると王は言った
国のためと言い切れぬ疾しさもあり、王のせっかくの申し出を断ろうとした
そんな俺の胸の内を見逃さず叔母上は、呆れた視線を向け目で制そうとする
それを無視し俺はこう答えた
「戦が終わった今、私には無用の長物です。チョナがお乗りになられるべきです」
すると王は俺がそう答える事を、まるで分かっていたかのように
「医仙が戻れば、二人で散歩でもするが良い。それまで面倒を見てやってくれ」
王は口の端に含みを浮かべ微笑んだ
強く真っ直ぐな視線だった
あの弱弱しく若かった王が…
随分と大きくなられた…そう感じ腹の底からこみ上げてくるものがあった
この方はやはり生まれながらにして、真の王なのだと初めて思った瞬間でもあった
それと同時に、王も信じて下さっているのだと感じ胸が熱くなった
イムジャが戻ってくる事を…
王も俺と同じように、心からその日を願い、そして信じて下さっているのだと…
それを断るなど臣下のすべき事ではない
イムジャが戻らぬ事を微塵も疑ってもいないような、王の視線に励まされた
なによりこの馬が架け橋となり、イムジャと共に…そんな夢が叶う日が来るよう思え
「有り難く頂きます」
この馬に願いを込めたいと、この俺自身がその時思ったのだった
勝利の喜びが今更ながらに湧き上がって来て、そう答えた唇が小さく震えを帯びた

「ねぇ、馬に二人乗りは、駄目なんじゃなかったの?前に、ね?」
馬になんて乗った事がなかった私に、この人はそう言ったことがあった
「チュホンは向いておりませんが、この馬は体力がありますので問題ありません」
チェヨンはそれに答えた
「ふーん。そうなのね。あなた強いんだ」
ふふっと笑いを零したイムジャは、馬の鬣をそっと撫で下ろした
馬に怯えていたあの時が懐かしい
今ではチュホンは俺より、むしろイムジャに懐いている程だった
この方は人だけではなく、獣からも愛される才のある方のようだ
「ただ…役立たずなのです」
チェヨンはそう付け加えた
戦の無き今この馬が必要とされる事はない
そう、こんな時を除いては…
随分と遠くまで来てしまったようだ
辺りもだいぶ暗くなってきた
今から戻るのは危険だ
今宵はこの辺りで宿をとるほうがよい
「えっ、この子が役立たず??それって、どういうことなの??」
チェヨンが言う意味がよくわからない
小首を傾げて不思議そうな顔をする
「この馬はろくに働きもせず、食っては寝。食っては寝ておるのです。それに…」
「それに?」
「大層食い意地がはっております」
言いながら吹き出しそうになるのを堪えた
「あら。穀潰しなのね」
ウンスはそんな事を言うチェヨンがおかしくておどけた顔をして笑った
他人事の様な言い方だ
そんなウンスの姿を見て、後ろのチェヨンは肩を小さく振るわせると、ついに耐え切れず笑いだした
「イムジャ。耳が痛くありませんか?」
「えっ」
何の事?
そう言いたげに眉寄せる
自分の事などと露程も思わぬようだ
「食い意地が張っておるのは…」
ウンスの目を覗きこんで…そう言いかけると、また声をたて笑い出した
「あぁ!酷い!」
やっと自分の事を言われている事に気づく
文句を言おうと振り向くと、それを発する前に言葉を閉ざされた
「んっ…」
不意打ちに口づけをされた


 


恥ずかしかった
この人にそうされる事にまだ慣れない

チェヨンは暫くそうした後…
落ちぬよう背に這わせた手で躰を引き寄せると、押し当てた唇を離して言った
「イムジャ。イムジャも、穀潰しと言われぬように働いて頂かねば…」
「働く??」
何を言っているのか意味が分からず、ウンスは大きな目をもっと大きくさせると…
パチパチと瞬きを繰り返した
さらにウンスの腰を強く引き寄せて言う
「妻の務めを存じておりますね?」
蕩けた視線をぶつけられた
「えっ?あっやだ。ば…馬鹿…」
直ぐに心当たりに気づいてウンスは、耳まで夕陽と共に染めた
しかしチェヨンは別の事を考えた
抱き寄せたウンスの躰から伝わるその感覚に、胸が押し潰される思いだった
百年昔の地で苦労をされたのだろう…
「イムジャ、もっと食って下さい。以前よりだいぶ痩せられた。俺はもう少しふくよかな方が…」
きっと俺に気づかれたくないだろう
チェヨンが態とからかう様に言うと、ウンスは今度は顔まで真っ赤赤にして
「もう。知らない…」
ぷいとふて腐れて横向く
そして、夕陽の色なのか…それとも…どちらか分からないほど赤くなった

天の女人を乗せ走るこの馬は…
まさに天馬といったところだろう

もう決してこの方を離しはしまい
イムジャと俺が突き進む行く手を、何人たりとも阻むことは出来ぬ
胸の中に強い決意を抱いた

チェヨンはハッと声をあげると腹を蹴り上げ、頬にぶつかる風をも切るように馬を大きく走らせ始めた

 

【注】 短編です
妻の務め編はありませぬ(笑)


(コショッとお借りした画像が含まれます…     再配布厳禁ですよ )

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