信義(シンイ)二次小説 -22ページ目

信義(シンイ)二次小説

りおのシンイParty☆

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おはようございます、

脱線しまくりです
済みません

きっといつかは指南に…(笑)



  お話

「あの方は女のくせに、少し考えが足りぬ所があるだろう?」

手に持つ杯の中の酒を、一思いにぐっと飲み干してからチェヨンは言った
チュンソクは含みを持った言葉の言い回しに、若干の違和感を覚えた
それも他でもない医仙殿のことを…
普段女人である事を特別視したり、それも卑下するような言葉をあえて人前で言う方でもないからだ
それはどのような意味だ?
そのため不思議に思い眉間に皺寄せた
良い意味だと言うが、どう考えてもそれが医仙殿を褒める言葉とも取れない
その言わんとする意味を皆目見当もつかず、大人しくチェヨンの次の言葉を待った
しかしどうだ。その口からどんな重々しい話が飛び出てくるかと思えば…
俺は次の瞬間拍子抜けし、心の中で吹き出す事になる。もちろんこっそりとだ
「それは…どういう?」
しばらくまた黙り込んだチェヨンに、顔色を窺いつつおそるおそる声をかけると
真っ直ぐなチュンソクの視線が居心地が悪いのか、それを避けるように横向く
自分から話を切り出しておいて、ぷいとふて腐れたような顔で黙り込んだ
ならば俺から話を切り出そう
「あの方は確かに突拍子もない事はされますが、御考えがない方だとは思いません」
今までウンスを見てきて、それはチュンソクも他の皆も至った結論だった
困惑する行動にもきちんとした理由があり、蓋をあけてみれば十分理に適う
ウンスはそんな女性と思われていた
話の方向性が少し逸れてきてしまい、チェヨンは今更言いづらなくなってきた
「それは俺もよう分かっておる。俺が言いたいのは…そうではない」
「では?」
「だから…」
「だから?」
「その…」
「その?」
何度かおうむ返しを繰り返した後、やっと覚悟を決めたチェヨンが自白する
ぼそぼそと口ごもって言った
「だから…つまりは、イムジャは誰かれ構わず、直ぐに触れようとなさる…」
「へっ?」
素っ頓狂な声が思わずあがった
なんの事かと思えばそう出たか
眉間に小さくしわ寄せて呟いたそれは、ほんのちっぽけな…只の男の嫉妬心だった
それを聞いたチュンソクは、返す言葉が見つからず呆気に取られた
「女人であることをわきまえず」
そうこの方が言ったその本意
女人である医仙殿が、他の者に気軽に触れる事が許せないのだという事か…
先程の不機嫌の理由が分かり、ほほぅと納得して何度か頷いた
それにいつもなら決して勝ち目のないこの男が、俺の前だけで弱音を見せている
酒の力と、過去の柵から抜け出せた事が、この方の口を軽くさせてるのだろう
更にはこの俺がこの方にとり、弱音を漏らせる程、信頼に値するに他ならない
そう思うと、初めて垣間見る大護軍の姿に、チュンソクは妙に気分が良かった
まるで今宵の俺は、弟の恋慕の相談にでものる、兄になったような気分だった
チェヨンから向けられた信頼感に胸が熱くなるが、だが可笑しいものはおかしい
つまりは俺様流解釈によると…
あの方は【俺の女人のくせ】に、俺の気持ちをもっと考えてくれ…
と、そう言いたげで、その言葉は愛しさ有り余る自分の女への不満の表れか?
そんな物珍しい姿はどうにも笑いを誘う
しかしここで笑えば間違いなく殺される
チュンソクは腹の中に、漏れてしまいそうな笑いを、必死に抑え込んだ

我らが大護軍が奥方に迎える御方
ウンスはちょっとした厄介者だった
医員としての責務との名分で、患者の頬に触れ、額に触れ、体中を弄る
女人の医員が男の体に触れるなんて、今まで見聞きしたことも無かった
「病人診るのに男も女も関係ないわよ」
そういう方で誰も止めれやしない
これから妻として迎えようとする夫君でさえ止められぬのだから…
どうして俺たちが為し得ようか
つまりウダルチの皆は手を焼いていた
そして問題は診察にとどまらない
医仙殿が言う”すきんしっぷ”とやらの被害を被った男達はここ高麗に少なくない
すきんしっぷの種は、あくしゅ、はいたっち等、多岐に渡るからこれまた厄介だ
極め付けは、感動の”はぐ”とやらが最も恐ろしく、最注意事項と皆に囁かれた
討ち死にしたとされた年端も若い隊員が、皆の諦めの中無事に戻った事がある
あまりの喜びに帰還者に抱きつきそうになる医仙殿を、ウダルチの見知った仲間で慌てて押さえつけた
何故ならそれはせっかく帰還した若い隊員に、再び死の影が訪れかねないからだ
常日頃から天女様の奔放さに、周りにいるウダルチ達がはらはらさせられていた
男として大護軍の苦悩もよく分かる
本当にとにかく目が離せぬ御方なのだ
身分が高い方の奥方と言えば、主人の三歩以上後ろを伴い、主人の後をついて回る
ところがあの方ときたらどうだ、三歩先をすたこらと勝手に行ってしまうのだから
結局それを追いかけまわすのは男達だ
つまりは、大変な方をこれから嫁御としてお迎えしようとしているという事になり…
ゆえにその嘆きはよく分かる
此の男は一生尻に敷かれて過ごす運命だ
チュンソクは、これはきっと天界の天女を妻としたこの男が、生涯かけ償わねばならぬ代償と陰で笑ったのだった

だがチュンソクはまた改まって思う
そもそも俺が問いかけたのは、どのようなきっかけで御心を動かされたかだ
しかし返って来た答えがあの言葉
そしてそれのどこが良い意味だ?
未だ疑問の解けぬチュンソクは、再びチェヨンに問いかける事にした
「あの…」
「何だ?」
「その、先程からおっしゃる事は、良い事ではないのではないですか?」
不思議そうにその目を見つめると、チェヨンが目を細めふっと笑いを漏らす
「確かに今となっては悩みの種だな」
そう漏らすと苦笑いを浮かべ、くっくと喉を鳴らしながら突然笑い出した
暫くして笑いがある程度おさまった後、チュンソクを向き直って言った
「チュンソク。俺はきっとあの方と出会わねば、今の俺は無かった」
先程とは違い、はっきりと強い口調だ
その言葉に迷いの欠片は微塵も見られない
チュンソクに真っ直ぐな視線を投げかけ、しかしまた何か思い出すように一度合わせた視線を反らすと…
天井を見上げ遠い昔の自分の姿を思い描くと、ふぅと懐かしそうに笑みをたたえて大きくため息を吐いた



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おはようございます

相変わらず皆さんから頂いているコメント1つ1つに返信返せないでごめんなさい

なに、今に始まった事じゃないじゃない(笑)?と思ってくれたら幸いです

初連載

応援してくださって嬉しいです


  お話

指南もそっちのけで酒がすすむ
平和だからこそ持てる些細なこの時を、武人ウダルチである二人は堪能した
すっかり酔いが回っていた
空腹だった逞しい男たちにより、卓の上の食事もほとんど残っていなかった
空いた酒瓶が山のように並んでいる
チュンソクはいつもであれば聞けぬ事も、今宵であれば許されるような気がしてた
何故なら他ならぬ鬼将チェヨンから、くつろぎと笑顔が余る程見て取れたからだ
目の前にいる男は、上官でも仲間でもなく、俺にとってもただの友であった
「聞いても良いですか?」
俺は此度の話に解せぬ事があった
「なんだ?構わぬが」
チェヨンが答える
チュンソクは以前から、疑問に思っている事をこの場で思い切って伺う事にする
一気に酔いがさめたように思い、ゴホンと咳払いをして姿勢を正した
覚悟を決め持っていた疑問を問いかけた
「その…医仙殿は魅力的な方であると言うのは重々承知しておりますが…」
いきなり始まった畏まった前置きに、チェヨンは少し不思議そうな顔をした
大層聞きづらそうに身構える、チュンソクの態度がやけに目についた
聞くのが憚れる事なのだろう
「それで?」
続きを促すチェヨンに、イェ!! と声を上げチュンソクは質問の続きを話し出した
「医仙殿のどのようなところを…」
こんな事を聞いては怒られやしまいかと、少しびくびくとしているようだった
「どのような…とは?」
「その…どのようなきっかけで御心を動かされたのかと…?あっ、いや、もし聞いてはまずい事であれば」
言っている矢先、だんだん真顔へと変わるチェヨンに、畏縮したチュンソクは慌て胸の前で両手をひらつかせた
「別にかまわぬ。気にするな」
ただ不意の質問に戸惑っただけだと、固い表情を崩しチュンソクを安心させてやった
チュンソクは肩を撫で下ろした
此処にいらした当時は、かような女子が居るものかと戸惑いもあったが…
あの方は知れば知るほど惹かれる御方
今では医仙殿は王や王妃をはじめとした、王宮内の人々からとても慕われていた
さらには王宮内にとどまらず、その屈託ない人柄で民からも熱い信望をうけている
そのよう方だ、大護軍が御心を動かされた事はなんら不思議でもなんでもない
だがその上で、この陥落不滅の氷の要塞がどこに弱点を持っていたものか…
そして呆気ない程いとも簡単に陥落し、その虜となったのかチュンソクは気になった
チュンソクが思った疑問は、ウンスと出会った当時、実はチェヨンも考えた事がある
あったどころかチェヨン自身が、何度も、何度も自分に問いかけ悩みぬいた事だった
眠れぬほど頭を悩ませた夜もあった
何故このように心が乱れる?
何故このように気分があがる?
それでいて、何故このように、終始不安な気持ちが尽きないのか?
あの方の声が聞こえれば胸が躍り、その姿を見れば胸が激しく鼓動する
息が掛かりそうなほど互いの顔が近づいた折には、このまま息の根が止まるかと思うほど苦しくなった
自分が過去にとらわれていたと強い自覚はなかったが、俺は無意識に女に興味を持とうとしなかった
メヒの死を目の当たりにして以降、ぱたりと女に目が行かなかった
それは俺の生きるこの道から、女という存在が消えたかとすら思えるほどだ
イムジャをお連れしたのは王命があったからで、俺が自ら動いたわけではない
その方が俺の心を動かした
何故あの方だったかと俺は幾度も考えた
しかし、これだという答えにたどり着けず、終いには考える事自体が無駄だと止めた
元来人を恋慕う気持ちには、深い理由など必要ではないのかもしれない
しかし何らかのきっかけはあったはず
その一番最初のきっかけは何だったのか
俺はあの方のどこに魅せられたのか…
チュンソクが不思議に思った疑問
この問いは謀らずしも、一度終わったはずの会話をこの後再燃させる事になった

しばらく部屋に沈黙の時が続く
その間チェヨンは、過ぎし日に思いを巡らせ、ある一つの糸口に辿り着いていた
それは今までは考えなかった事で…
目を背けていた辛い過去と向き合った今宵だからこそ行き着いた先でもあった
ぴたりと言葉を閉ざした目の前の男に、やはりまずい事を聞いてしまったかとチュンソクは苦笑いをした
「答えづらければ…」
そう言いかけた時、チェヨンが口を開く

「あの方は女のくせに、少し考えが足りぬ所があるだろう?」

チェヨンの表情には、言っている言葉とは裏腹に何故か柔らかな笑みが含まれていた
そのためその言葉が、何を意図して言っている言葉なのか想像もつかない
告げられたその不満げとも取れる言葉と、その穏やかな表情が一致しない
チュンソクは困惑をした
この方の言うあの方とは医仙殿の事で、考えが足りぬ御方というのも医仙殿の事
さらにはその方は上官であるこの方が、婚儀を迎えようとしている女人で…
確かに医仙殿は無鉄砲な所があるお方だが、その事をおっしゃってるのだろうか?
確実な意図が分からない中、下手すると批判となる同意の言葉を返すのは憚れ…
迂闊な答えを返してはまずいと、何も答えずチェヨンの次の言葉を待つ事にした
返事の代わりに答えにくそうな顔を見せた
意味を計り兼ね、困惑している事に気づいたチェヨンは慌ててこう付け加えた
「悪い意味ではない。良い意味でだ」
それが良い意味とはどういう事だろう
「えっ?良い意味ですか?」
チュンソクは首を傾げたのだった



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おはようございます
実は思い返してみれば私

Rメインとパロディ以外に高麗版のヨン&ウンスの連載書いたの…

何と、何と…驚き。
これが初めてかも 

自分でもびっくりしています
大丈夫ですか?
楽しんでもらえてるかしら

女子トークは時々お見かけするけど、男子トークってあまり見ないなって思って書いてみました

ヨンとチュンなので控えめだけど


  お話

あれから一度部屋を出たチュンソク
ほどなくして、新入りから押収したばかりの上等の酒を片手に部屋に戻った
その際とある一冊の書物も持ち込んだ
どうやらそれが教本にあたるのだろう
探すのに少し手間取ってしまった
「遅くなりました」
少し息を切らして部屋の中に飛び込んだ
急ぎ足で部屋の中に進む
そして待っていたチェヨンの前に立った
目を瞑り俯いていたチェヨンが表を上げる
チュンソクが卓の端にそれを置くと、何を持って来たのかと横目でそれを見る
「何だそれは?」
目に飛び込んできたその書の「表題」からして、明らかな怪しい香りがした
「イッイェ!! 今宵必要な書物です」
チュンソクがその問いに答える
卓に置かれた書が一体何なのか、男のチェヨンは勿論すぐにぴんと来た
そんな物を使うのかと密かに笑うが、笑ってはチュンソクに悪いと直ぐに思い直した
しかしこれからその本を囲んで、真剣に講義の席が持たれるのかと思うと…
その光景がぽわりと頭に浮かんできてしまい、やっぱりどうにも可笑しい
だがこの場の師はチュンソクなのだから、俺がとやかく言うべきではない
チェヨンはそう自分を諭し、肩を小さく震わせながらそれを一人堪え忍んだ

ずっと押し殺していた辛い気持ちを…
今までずっと心の奥にしまいこんでいた全てを、チュンソクにぶちまけた事で気持ちがだいぶ楽になる
肩の荷が軽くなったように思えたチェヨンからは自然と笑みが漏れ出る
柔らかな笑顔は見ている側からしても、たいそう喜ばしい事であった
チェヨンの気持ちを表すかのように、自然と穏やかな空気が部屋の中に広がる
「腹が減ったな」
先程までも酒のつまみとして少しは口をつけていたが、あまりに重さを帯びた話に食べた気がしなかった
「イェ!! まずはお召し上がりを」
元はと言えばチェヨンがチュンソクに【夜の指南】を頼んだ事から始まったこの場
しかし何だかんだと腹が減っていた二人は、その件を後回しにする事とした
先に酒とつまみを堪能する事にしたのだ
「そうだな、まずは食うか」
「腹が減っては、講義に身が入りませんでしょうから。どうぞ」
料理に箸をつけて下さいと促すよう、今宵の主菜をチェヨンの前に押しやった
「お前も遠慮せず食え」
「イェ!! それでは…」
チェヨンとチュンソク二人の間には、うまい酒にうまい食事が並べられている
何より気分が晴々して心地良かった
本当の家族と呼べるのは、叔母上、イムジャ、そしてウダルチの仲間たち
チェヨンにとってはこんな他愛のない時間も、とても大切な温かなひと時だ
そんな男達を、曇りのないキラキラとした笑顔が、優しく包み込んだ

二人が飲み始めてだいぶ経つ頃、チェヨンがチュンソクに問いかけた
「チュンソク。この年まで女を知らぬ男が、それを知ったらどうなると思う?」
この夜すっかり酒も回ったチェヨンは、珍しくいつにない程饒舌になっていた
それは部下や家族としてではない
今では数少ない友でもあるチュンソクと、腹を割った男と男の会話だった
「それはもう…」
言葉を濁したチュンソクに
「もう?」
そいつが何と答えるのか期待し、悪戯な表情を浮かべて問いかえすと…
「溺れておしまいになるでしょう」と、その男は酒で赤くなった顔をニヤけさせた
思っていた通りの答えが戻ってきて、チェヨンもニヤりと笑いを返した
「そうだろうな」と視線を合わせる
これから想い人との夢を遂げようとする…
幸せそうに笑う男チェヨンを目の前にして、チュンソクも感慨深いものがあった
その男が想いを遂げられる事が、自分の事のように心の底から嬉しかったからだ
チュンソクが放つ視線から、チェヨンもそれを感じてふぅっと息をつく
話しが弾み酒を飲む手も早まって、注げば直ぐに互いの杯が空になる
卓に広がった食事に箸をつけながら、二人は空いた杯に酒を注ぎあった
「良いものか?」
溢すようにチェヨンが問いかけた
直ぐにその問いの意味を察して、チュンソクは箸を止め見つめ返した
「さぞかし…良いものかと」
「それも心から愛しく思う方だ…そう思わないわけがない」
少し考えるだけでも胸が弾む
先程まで寒かった体もすっかりと温まり、凍えていた胸がじーんと熱くなる
「イムジャは大丈夫だろうか」
三十も半ばになり初めて知る女の躰
それも俺が心から欲するイムジャの
それはきっと自制出来ぬほど…
チェヨンは激しい胸の震えと、全身の血がざわめくのを感じていた
こうして思い描くだけでこの様だ
なんと情けない事だろうか…呟いて自分に呆れ笑いを浮かべた
しかし、この胸の高鳴りを、そのままあの方にぶつけすぎてしまわぬだろうか…
壊れてしまいそうなほど柔く、宝物のように大切に、大切に扱い方なのに…
チェヨンは熱く煮えたぎる血を感じ、その時の自分の行動に自信が持てなかった
「あの方なら…」
チュンソクが少しの沈黙を破る
「あの方なら?」
「上手くおやりになるでしょう。大護軍のような厄介な男を、虜にされた御方です。只者じゃない」
あの方が天界から来た天女だとすれば、下界の男を上手く乗りこなすのでは?
そう言って体を震わせながら笑った
「誰が厄介な男だと?」
何を馬鹿な事を言うと、チュンソクを見遣って睨み付けた
「違いますか?」
チュンソクがそれに対抗しおどける
「さぁな。どうだか」
そういって鼻先で笑いを漏らした後、チェヨンはポツリ、ポツリと、言葉を落とした
「自分が怖い。心配をしておるのは俺自身だ。あの方に呆れられてしまわないか…」
此れから迎えようとする初夜の事だけでなはなく、自分の箍が外れるのが怖かった
しかしそれは本当の恐れではない
それをその中に圧倒的に押さえ込むほどの、自分の中に生まれ続ける異様な高鳴り
自分の中で戸惑いと期待とが錯綜する
しかし、その想いは不快な欠片もない
生まれて初めて知る心地良くさえ思えるその不安に、チェヨンは酔いしれた



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おはようございます

えらい暗い話で済みません…

どこがチュンソクの指南だって、みんなからの激が飛んできそう(笑)

続きますので許してください


ヒマワリ お話  ヒマワリ

それからの事はチュンソクが問いかけずとも、チェヨンが自らを語りだしていた
何故今宵、此奴に話そうと思ったのかは、自分でもよく分からない
それは今まで誰にも語る事が出来なかった、俺がずっと目を背けていた事だった
だが、イムジャと迎える夜を前に、今なら口にする事が出来ると感じたからか
記憶の糸口を辿って…
「死人を抱いた事があるか?」
最も思い出したくない過去を遡る
俺は酒の助けを借りて、この場で吐きだしてしまう事を強く望んだのかもしれぬ
ずっと心の奥底に…蓋をし追いやり、思い出すまいとしていた記憶を引き出した
「隊の仲間を…は、ありますが」
チェヨンの重い問いに戸惑って…
酒を飲む手を止めたチュンソクから、少し的外れな答えが戻って来た
自分の問い方がまずかったかと、チェヨンは言い方を変えて問い直す
「あぁ。確かにそうだな。では、死人を胸に深く抱きしめた事は?あるか?」
この方は、自害をされたと聞く、許婚のメヒ殿の事をおっしゃっておるのだろう
自分の答えが求めと違うと気づき
「イッ、イェ?ありません!」
慌てて、それを正した
次の瞬間チュンソクの表情が硬くなる
それは、自分の目の前に座る男の顔に、意識が持っていかれたからだった
チェヨンの表情が強張り、凍りついたような光を宿さぬ目になっていた
昔、幾度となく見た事があるこの方の眸
久しぶりにチェヨンが見せた表情に、チュンソクは背筋が薄ら寒く感じた
重い口を開きだしたチェヨンを、チュンソクは複雑な思いで見つめ返した
チェヨンは「大概そうだろう…」という視線をチュンソクに向けると
卓に置いた自分の両手の手の平を上向けて、指を開きそこをじっと見下ろした
そしてぼそりと言葉を落とした
「冷たいんだ…硬くて…」
手に残る感覚が肌を伝い蘇ってくる
そうだ、確かこの感覚だ
じわりと上がってきた胃酸に、口の中に酸っぱさを感じ唾液を飲み込んだ
吐き気がする

「すまない少し…」
このままで待ってくれ…と告げる
呼吸が浅くなり、大きく深呼吸を繰り返し、荒れた息を整えようとするが…
胸が締め付けられるよう苦しくなり、チェヨンは話が続けられなくなってしまう
足首からじわじわと這い上がって来たかと思えば、夜に辺りを包み込む闇のように、一瞬にして体中に悍ましい感覚が広がる
チェヨンの手と体が小さく震えはじめた
まだ俺は駄目なのか?
下向きそれを逃すように息を吐いた
いいや違う
今の俺はあの時とは違う
かける言葉すら見つからず、チュンソクはただ眺めているしかできない
男を信じて事の行く末を見守った
生涯を誓いあった女が自ら命を絶った
その冷たくなった亡骸を胸に受け止めた
変わり果てたメヒの顔を目にした
死を選んだその訳を知ることすらできぬ
まだ二十二という若さのチェヨンにとって、それは余りに残酷な思い出だ
寒気で全身が飲み込まれそうになり、目をじっと瞑り気を巡らせるよう努めて…
ウンスの温かな肌の感触を思いだしながら、体が覚えている記憶を打ち消した
こうして余程強く思い出そうとしなければ、普段はおぼろげになっている程だった
イムジャと出会い忘れていた感覚だ
あれは過ぎし日の出来事
すべてが幻想にすぎぬ
何故ならあの方が…イムジャが…
俺の中からすっかりと、この悍ましい感覚を取り払ってくれていたからだ
「イムジャ…」
チェヨンはチュンソクに聞こえるか、聞こえないかというほど小さな声で呟いて…
もう一度、ウンスへの想いを馳せる
そして、心配そうに見守るチュンソクに「大丈夫だ」と視線で告げた
「無理をせずとも…」
話を止めようとするチュンソクに、チェヨンは「いいや」と首を振って
「本当に大丈夫だ」
チュンソクの目を見つめ返しながら、心配するなと何度か首を頷かせた
表情も先ほどよりは和らいだようだ…
チュンソクは少し安堵する

俺はむしろ話をしたかった
チェヨンはそのまま回想話を続けた
俺はメヒが自害した後、自責の念に駆られ、しばらくは憂い過ごしたが
悲鳴を上げたいほどのやり切れぬ思いに、次第に自暴自棄になっていった
荒めば荒むほど、自分がどれ程無力な人間だったかを気づかされた
愚かにも自分を過信し、どれ程奢っていたかを、痛いほど知らしめられた
そこから逃げたかった
目を背けて逃げてしまいたかった
メヒも師父も守る事が出来なかった
俺が殺したようなものだとさえ思った
自棄(やけ)になった二十そこそこの男が思いつくような憂さ晴らしと言えば、喧嘩・酒・女くらいしかあるまい
喧嘩と聞けば分別なく飛び込み、真昼間から好きでもない酒を浴びるほど煽り、酔って何もかも忘れてしまおうとした
だが飲んでも飲んでも酔えないんだ
酒に溺れてすべてを忘れちまいたいのに…飲めば飲むほどあいつの事ばかり考え…
逃れる事などできなかった
ならばいっその事、女でも抱こうと…
さすれば、あいつの事を忘れられるかと、藁をもすがる思いで妓楼へと足を運んだ
「ぶっ」
チュンソクが酒を吹きこぼした
「初めてだったはずでは?」
女を抱きに妓楼へと赴いた?チュンソクは不思議に思い小首を傾げた
「できなかった」
「できなかった??えぇっ?それでは、使い物にならなかったのですか?」
驚きに素っ頓狂な声をあげる
今日の今日まで何事も卒ない容姿端麗なこの方を、俺は誤解をしていたようだ
そうか…男が役立たなかったのか
明らかにそう誤解をしたチュンソク
チェヨンは無言でその様子を目に留めた
「男が立たなかったわけじゃないぞ」
そして呆れながら、軽く睨み付けた
チュンソクは、あちゃぁ。しまったと、大きく口を開くと、席をたち深く頭をさげた
「はっ、失礼しました!!」
チェヨンは鼻先で笑して言った
「気にするな座ってくれ」
チェヨンの言葉に再び席に着いた
だが、それもあながち間違いではない
「ある意味お前のいう事は間違えてないかもしれぬ。抱けなかったと言うより、俺はその女にまともに触れる事が出来なかった…もっと酷い」
それでは抱く以前の問題で、男が立たず使い物にならぬより余程たちが悪い
「触れられなかった…ですか?…」
チュンソクは言葉を失った
「あぁ、そうだ」
妓楼で女を前に触れられないとは…それは一体全体どういう事だろうか?
増々頭の中が疑問符号で覆い尽くされ、チュンソクは次の言葉をじっと待った
「意味が分からぬか?まぁ、そうだろうな…自分でもどうかしていると思う」
事が始まりその女の肌に触れるたび、何だか嫌な予感はしていたが…
一糸まとわぬ姿になった女の全身を、肌に受け止めた時はっきりとした確信となる
「全身に鳥肌が立ったのだ。女の生温かさが、気味が悪くて…」
想像もしてない言葉が降りかかってきた
「ええ?気味が悪い?」
素直に驚きの声をあげてしまう
「メヒの亡骸を胸に抱いたと言ったろ?それが強く呼び起され…分からないよな?」
チェヨンは当時の自分をあざ笑うように、遠くにその時の姿を見ていた
胸に抱いた妓楼の女の肌の生温かさが、メヒの冷たさを思い返させた
血が通い温かかったメヒの躰が、たった一夜で固く石のように冷たくなった
あの時俺は怖くなり、裸の女を置いたままで、その場から逃げだした
女を抱くどころか尻尾を巻いて逃げた

「その後のことはお前も知っておろう」
チェヨンがそう言うと、チュンソクは頷く
しかし、表情をぱっと明るくさせると、急に終わったはずの話を戻した
「虎と馬ですね?」
チュンソクが閃いたように言う
鼻を少し高くしているようだった
チェヨンはくっと笑いを漏らし「そんなだったか?」とおどけた顔で言い返した
過去の重圧に囚われて心を病むことを、天界ではそんな風に言うのだと…
イムジャが隊の若いやつの診察の際に、俺たちにそう説明した事があった
それ以来自分が、それに囚われたと強い自覚が特段あったわけではなかった
女も意識して避けたわけではない
でも、興味がぱたりと向かなかった
自分は亡きメヒの事を想っていたためだと、全く不思議にも思わなかったが…
「まぁ、それのようなものかもしれぬ」
チュンソクの言い様と、天界語がスムーズに出てきたと鬼の首を取ったような顔
俺は妙におかしくなった
あれほど苦しかった心が、徐々に穏やかになっていくのをチェヨンは感じていた
乱れた気も落ち着き始め、やはり此奴に話してよかったと心から思った
チュンソクをもう一度見返すと、心の中で感謝の思いを伝えた
次第にチェヨンは笑いが止まらなくなり、喉から笑いを漏らしたのだった


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おはようございます

先日から話題に勝手にさせていただきました、チェヨンの女性遍歴…

メヒとチェヨンの間の事、納得のいくお話になっていればいいのですが


  お話

夜のウダルチの執務室
男が二人卓を挟み向き合っていた
「おかしく思うだろうか?」
目の前に座る大護軍は苦笑いを浮かべると、溢すようにぽつりと呟いた
どこか憂いを帯びたその顔に、男の俺ですら惹きつけられそうになる
それと同時に医仙殿にどう思われるかを、気にかけての言葉だと気付いた
迂闊にも男に目を奪われていた自分にはっとし、慌てその場を取り繕った
「さぁ、どうでしょうか…天界のナムジャはどうなのか…?」
チュンソクは分からぬと首を振った
あの方は此処の方ではない
この事を医仙殿がどう考えるか、俺などには全く予想がつかなかった
それはきっとこの方も同じなのだろう
医仙殿がどう考えるか分からぬのだ
だから不安に思い、恥を忍んで俺にこうして夜の指南を頼んでいるわけだ
今おそらくこの方は、ナムジャとして情けない思いを抱えておられる
チュンソクの視線を感じてか…
チェヨンは鼻先でふっと息を吐くと、さらに自嘲気味な笑みを見せた
「確かにそうだな」
少し遠くを見るようなぼんやりとした目で、医仙殿を思い描いているようだ
どこか弱気な表情を見せていた
めったに見る事のない姿だ
チェヨンのそんな姿をじっと見つめながら、チュンソクは話を続けた
「ただ…」
だが俺は長く傍にいて思うのだ
「あの方はそのような事を気にされる方では、無いように思います」
大護軍にその経験があろうが無かろうが、それをどうこう言うような方ではないと…
あの方の大護軍への想いを、僭越ながら俺は良く分かっているつもりだ
そしてこの目の前の男の想いの丈も
御二人がどんな想いでその良き日を迎えようとしておるのか俺はずっと傍で見てきた
だからあの方にとってこんな事は、本当はどうでも良い事ではないかと思う
しかし男としてつつがなく事を運びたい、その気持ちは痛い程分かる
俺でさえこんなに驚いたのだから、医仙殿も少なからず驚かれるだろう
なれば此処は一つ、他ならぬこの俺がこの方の男を立ててやりたいと思う
それが俺の今為すべき事で、それは俺にしかできぬ事だと思うからだ
だが何から教えを説いたらいいのか
まさか三十半ばのナムジャに、それも上官であるこの方に夜の指南をするとは
容易な事ではない
チュンソクは考えあぐねた
分からぬとはどれほどだ?まずは、その経験を知らねばならぬか
さすがに大護軍に面と向かって、教鞭を取るのは憚れるものがある
男同士が腹を割って語るには酒だ
なにより、酒の勢いでもなければ重圧に押しつぶされ、弱音を吐きそうで…
「大護軍。酒を用意しませんか?…その…さすがに素面では…」
チュンソクは上目使いで窺うと、頬の端に引き攣り笑いを浮かべた
それにチェヨンは笑顔で答えて、酒とつまみを用意させる事にした

「大護軍…その接吻は…?」
唐突な問いにチェヨンは口に運んでいた酒を、ぶっと吹き出した
「あっ~ちゃ、お前は」
酒が吹きこぼれて滴で濡れた口の周りを、袖口で吹きあげると…
何て事を聞くのだと軽く睨み付けるが、それが他ならぬ今日の本題である
すぐ我に返り、ハッと短い息を吐いた後、渋い顔でチェヨンは何度か首を頷かせた
気を取り直して、それは「経験はある」とチュンソクへ暗に答えを返したわけだ
「失礼しました」
いけない事を聞いたかと焦るが、こんな調子では話が進みそうにない
「いや…俺の方こそ悪かった。御前とそんな事を話すのに慣れず…」
そう言うと辺りを漂う気まずさで、今度はチェヨンが引きつり笑いを浮かべた
「接吻は…問題なく、経験済みと…では…その…御胸に触れた事は?」
「……」
チュンソクは自分の中で、別の好奇心が芽生えてくる事を感じていた
女人に縁のえの字すらなく、男色とさえ思われた男の裏の顔を覗き見るような興味だ
「ほぼ…ない…」
「ほぼ?」
「無いに等しい」
イムジャを抱きしめた時などその他、幾度もその存在を感じた事はあるが
それに徐に触れた事はなかった
考えただけで血がざわめき、チェヨンは身震いしそうになる気持ちを押さえ込んだ
その柔らかな感触が不意に肌に思い浮かんで、喉の奥まで生唾をおいやった
「そもそも、今まで本当に一度も?そのような機会が無かったのですか?」
チェヨンの胸の内を知らず話を進める
医仙殿と出会う以前など、今まで全くその時が無かったと言うのだろうか
幾ら考えてもにわかには信じがたく…
チュンソクは理由が気になった
「大護軍は男所帯の赤月隊におられた」
その時に、兄弟子たちに指南を受け、筆下ろしをする機会もあったろう
何故いままで為されなかったか
動揺を収めきれないチュンソクと異なり、チェヨンは腹をくくったようだ
躊躇する事なく淡々と話をし出した
「メヒの事は知っておるか?」
「以前、チェ尚宮殿より少々…」
チュンソクはチェヨンの問いに答えた
「俺は七歳で木刀を握り、十の時に師父についた。あいつに出会ったのはその頃だ」
遠く懐かしむように昔の事を語りだす
チュンソクは酒を時々、口に含みながらその話を真剣に聞き入っていった
「まだ幼かった俺は、初めて家族以外で知った女人メヒに自然と興味を持った」
若気の至りというやつだろう
「十六で父上が他界し赤月隊へと…」
「存じております。だがそれまでには…?十も半ばになれば機会もございましょう」
身分がある方であれば、十三・四の歳頃にはそんな機会も訪れたはず
その問いにチェヨンは首を振った
「気を自らの意志で捉え、流れを司る。それを成すには意識を一点の曇りをもない状態にせねばならぬ。師父は俺に女を教える事を、俺の周りに禁じていたようだ」
入隊してからも赤月隊の兄達は内功を得んとする俺を、意図的に女から遠ざけた程
内功を体得できる者は、万に一人もおらぬと師父の語った言葉を思い出した
生まれて初めて知る女に溺れながらして、身につけられるような甘いものではない
「さようでしたか…」
幸い俺自身も、内功を修得し自分を高めていく事が何より面白かった
日々修練に励む事に熱を注いだが為、特段どうでも良い女を抱きたいという欲が、己の中に生まれてくる事は無かった
深く頷いたチュンソクをちろりと横目で見遣ってそのまま話を続けた
「メヒ殿とはどのようにして?」
「赤月隊はいくつかの小隊に分かれており、あいつも一つの隊の部隊長だ。顔を合わす機会が多かったわけではない」
チュソクは、ほぉと相槌を打つ
「隠密部隊だった俺たちは国の助けを受ける事は出来ぬ。一人また一人と命を落としていき小さくなっていく隊に、時に合同で果たす任務を増えていった」
それにつれ、メヒと共に過ごす時間も必然的に増え行く事となった
「メヒ殿と機会はなかったのですか?」
チュンソクが問いかける
「御二人は想いあっておられたのでは?」
チェヨンはまた自嘲の笑みを浮かべる
「今思えば何故だろうな」
赤月隊にいたあいつも内功使いだ
一瞬の気の乱れが命を失う事になりかねぬと、誰より分かっているはずだ
そんな俺の身を案じてか、師父達に知れる事を恐れたのか…それとも他に理由が…
師父が禁じていたとはいえ、そんな事を素直に聞くような従順な俺ではない
血気盛んな十代のナムジャだ
俺たちの間になかったのは、決して俺がメヒを求めなかったからではない
あいつが俺に許そうとしなかった
俺たちは国の情勢が落ち着いたら、婚姻を結ぼうと生涯を共に生きる約束をしていた
あの時あいつは何を思っていたのか、今となっては何も分からぬが…
今思えば若さゆえ無鉄砲で青い俺を、きっとあいつは見透かしていたのかもしれない
皆にばれなければ良いだろうと迫る俺を、あいつはいつも笑ってかわし続けた
気の乱れを心配するあいつへ恋に溺れた俺は、さも自信ありげに俺の実力なら大丈夫だと偉そうな軽口を叩いたものだ
寸分の隙が明日のわが身を失わせる
それは俺だけの問題ではない
メヒ、兄達、師父、そして民たちの命を秤に掛けている事に他ならぬ
そんな重責を担っている事を、当時の俺は分かっちゃいなかった
メヒはそんな甘っちょろい俺へ、あいつの全てを捧げる決意に至らなかったのだ
若さゆえ本当の周りが見えていない、俺の危うさを誰よりも分かってたのではないか
今ならやっと分かるような気がする
あいつが俺を信じなかったんじゃない
俺があいつを信じさせてやれなかったと
イムジャと想いを交わし合った今だから、本当に信じ合うと言う事がどういう事か…
分かるように思うのだった


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小説の2巻を私まだ読んでない有るまじきシンイブロガーなんですが

チェヨンは7歳から蹴りや木刀の振り方を習い、10歳にはムンチフに弟子入り

その頃にはメヒはもうムンチフの所にいて、いつしかメヒを心に思って運気調整をするようになったと…

小説に書いてあり、メヒだけかチェリー君か 疑惑が出てきまして

アメ限定記事であれこれ書いているので、アメンバーの方はそちらをご覧ください

さぼっているお話「初夜」と「チェヨンのちぇりー君」を一緒に書いちゃおうかと ←一石二鳥コース

そのちょっとした序章です

けど、↓ 指南アメでたぶん無理だよね…別館に飛ばないと書けないかな


  お話

「イッ、イェ??」
余りに驚いて裏返るような声が出た
うっ、嘘だろ??
これは何かのきき間違いか?
耳にした言葉が信じられない
俺が男の顔をまじまじと見つめると、恥ずかしいのかこの方は俺から視線を反らした
暫く沈黙の時が続く
部屋の中に広がる張りつめた空気
チェヨンがそれを解いた
「チュンソク。頼む…お前しか、このような事は聞けぬ」
チェヨンは押し殺すように声を出す
チュンソクはそれを茫然と見つめた
「そっ、それはどういう…?」
素直には受け入れ難い問いだった
我が耳すら疑ったが、しかしやはり聞き間違いではなかったのだ
やはり大護軍は俺に問いかけている
チュンソクはある事をふと浮かべた
そうか…大護軍は確かまだ若いころに、想い人を失ったと聞いた事がある
チェ尚宮の甥の無気力さを嘆く声を、過去に俺は聞いたことがあった
それからウダルチに入隊し…
そこからは皆がよく知った通りだ
その後は女っ気のない生活どころか、むしろをそれを避けているようにさえ見えた
この方の側におなごが居る時と言えば、宮殿の武女子くらい
それも必要最低限接するのみ
女人への潔癖ぶりは、そっちの毛があるのかと囁かれた事があるほどだ
見た目の華やかな風貌と相反し内面は、其処らの若者と比較しても大層純朴な方
医仙殿が此の地に来られるまで、微塵の欲すら持たなかった男
医仙殿と手を触れ合わせてたと言うだけで、若いウダルチ隊が大騒ぎした事もあった
今では懐かし過ぎし日の思い出
それほど女とは無縁の方
さすれば今までおなごを抱きたいと思う、そんな欲すらきっと持ち合わせておらなかったのか…
そんな方だからこそ、医仙殿に向ける想いがどれほどのものかと分かる
チェヨンが高潔無欲であるとは誰よりも分かっていたはずのチュンソク
しかし、面と向かって言われると、驚きを隠すことが出来なかった
何よりその事を俺に告げるとは
「つっ、つまりは」
この方が言いたいのは…
「俺に指南をしてくれ…」
そういう事で、だから戸惑っておる
強く噛みしめられた唇からは、チェヨンの深い決意が伝わってきた
冗談でそんな事を言う方ではない
この俺にそのような事を聞くなどと、余程の覚悟があっての事だろう
さぞかし恥辱の念に駆られたはずだ
だが俺への体面を捨てても、医仙殿との初夜を万事問題なく過ごされたいのか
そう思うとチェヨンの想いに自分の想いが相まって、チュンソクも胸が熱くなった

「大護軍。任せてください」
俺とて思いは同じだった
この四年間、誰よりもこの方を見守ってきたのは他ならぬこの俺だ
チュンソクはこの役目を、俺がやらねば誰がやるのだと奮い立った
「すまない…この事は…」
「誰にも他言いたしません!」
真っ直ぐに見つめて微笑んだ
チュンソクのその目を見返して、チェヨンも安心したように何度か頷いた
やはり俺の副将チュンソクだ
チェヨンは思う
この役目は俺がやるべきだ
チュンソクは思う
苦楽を共にしてきた、二人の男の熱い想いが部屋中を包み込んだ




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