ぬくぬくへの道7 | 信義(シンイ)二次小説

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「ウンスの取り扱い説明書」

ぬくぬくへの道 目次
※連載ものです、順番にお読みください

0.ぬくぬくへの道(序章編)
1.ぬくぬくへの道1
2.ぬくぬくへの道2
3.ぬくぬくへの道3
4.ぬくぬくへの道4
5.ぬくぬくへの道5
6.ぬくぬくへの道6


  お話  


囲炉裏の弾けるような音が耳に残る

ただでさえ、私は火照りやすい

火の温かさと極度の緊張で、冷えた躰はあっという間に熱くなっていった

しっとりと汗ばむくらいだけど、ここから移動するその先に悩んで動けない

必要最低限の物しかない宿屋の部屋は、卓が一つ、椅子二脚と寝台が一つ

もう一つの椅子に移動するのは不自然だ

だからって…寝台に座るのも…

絶対、できないわよ

あ~ん、なんで何も言ってこないの?

部屋の中を包み込む無言があまりに重苦しく、押し潰されてしまいそうだった

黙ってないで何とか言ってよ…

誰かにすがるような思いだ

あの人は私をここに座らせ、足早に離れて行くと、卓にあった水を飲み始めた

まじまじ見るのが躊躇われた

私は首を向けずに横目で、何度もチラッ、チラッと行動を覗き見ていた

これじゃ、怪しい人だわ…と、顔を曇らせた。こんな自分が情けない

それでも直視できずにいると

杯に注ぎ一気に飲み干したと思えば、立て続けに瓶を握り今度は直に飲みだした

余程勢いよく一気に流し込んだのか、ごほっ、ごほっと、苦しそうにむせた

くすっ。笑いが漏れでた

やだっ、おかしい

もしかして、すっごく緊張している?

いつも冷静なこの人の、見て分かるほどの不審な挙動から何となくそう思った

口から零れた水を袖口で拭って、急に押し黙ったあなた。今、何を思っている?

ウンスは心の中で問いかけた

いっその事はっきり聞くべき?と思うが、そうそう踏ん切りがつかない

今夜…どうするつもりか…その頭の中で考えている事が、気になって仕方ない

あっ、座った!!

チェヨンの動きに敏感に反応する

瓶の水を全て飲み干して、チェヨンは寝台へと足を向け、無造作に腰を下ろした

指を絡め両手を合わせ膝の上に置く

前かがみの視線で頭を少し擡げた

とにかく一挙一動が気になる。緊張でざわめく胸。奏でる音がうるさい程だった

目が合ったらどうしようと思うと、そちらを向けず、ウンスは顔を小さく歪めた

無意識にキュッと唇を噛みしめると、先程された口づけを思い出した

触れ合った唇の感触が湧き上がってきて、どこか居た堪れなくなった

誤魔化すよう、上下の唇を強く押し潰した

あんなキス…今までされた事ない…

さっきの、あのキスって…

きっと、そう言う意味だよね?

そんな風に思ったら、私、馬鹿みたいに期待しちゃうじゃない…いいよね?

期待しちゃ…駄目なのかな?

今夜じゃないの?

私の覚悟はとっくの昔に出来ている

むしろずっと、待って、待って、待って、待ちくたびれているくらいだ

あ~ん、本当に、最悪だわ

せっかくいい感じだったのに…

あのエロオヤジ達のせいで、これじゃ、まるで振りだしじゃない!!

ウンスは部屋の中を包み込んでいた、無言の重圧に押しつぶされそうだった


パチッ、パチッと赤い火の粉が舞い、弾ける音が妙に耳障りだった

相変らず体が熱い。持て余した熱が、じりじりと我が身を焦がすようだ

ハァと息を吐き、昂る己を落ち着かせようとするが、何の足しにもならない

イムジャと狭い部屋に二人

今度こそ、邪魔する者はもういない

そうなれば、突き上げるよう、押し迫ってくる、劣情はもう止めようがない

しかし沈黙が部屋の中を覆っている

煩いくらいのあの方が、黙りこんでいた

それを打ち破る第一声を、どう声をかけたらいいかも分からなくなってしまう

あの時また横道にそれてしまった

自分の行動を今更ながらに悔やむ

「俺がイムジャの躰を温めます」とでも、冗談混じりに言って…

俺は大人しく己の気持ちに従い、馬鹿な男に成り下がれば良かったんだ

寒い廊下で冷えた体をまず温めてやろうと、火の傍に座らせてしまった

両肩に手を置いて椅子に座らせた。白い項から、視線が動かせなくなった

途端に、先程まで交わしあった情欲が嘘のように、喉が激しく乾き、潤いを欲す

俺はこんなものを飲みたいわけではない

そう思いながらも、渋々水を手に取って煽り、目先のそれを誤魔化した

しかし一向に満たされやしない

唾液を交わし合うほど深かった。つい今しがたの口づけ。柔らかな感覚が過る

そしてその大きな眸を閉じれば、揺らめく長い睫が頬に影を作る

口付けを交わした時に目にした、この方の表情が瞼の奥に浮かんできた

あの時イムジャは確かに…俺の想いに応えて求めてくれた

そう思ったのは思い上がりだったか

イムジャは今、何を思っておる?

視線を向けるとそっぽを向き、火の粉を飛ぶのをじっと見つめているようだ

それは見ようによっては、頑なな態度にも思え、胸がチクンと痛んだ

婚姻もしておらぬのに…と、厄介者たちに、言い放った言葉が思い返される

イムジャが待てと言うのなら待つ

しかし、待たずともよいのならば、俺はもう一秒たりとも待ちたくないのだ

イムジャ俺はどうすればよい?

天界では…そしてイムジャの気持ちは…

困惑したように眉を寄せた顔。ウンスの表情が強張っている事が気がかりだ

無理を強いてしまっているのだろうか?

あぁ、俺としたことが、うじうじと情けない。これでは一進一退だ

優柔不断な己自身に腹が立つ

そう思った時不意に、男達から浴びた野次が、追い打ちのように思い返された

肌に指一本触れる事すら敵わぬというのに…何がだ。くそっ。冗談じゃない

考えてみたら、あいつらのせいだ

いつか街で出会ったら覚えておけ…イムジャを伴わねば、ただではおくものか

遣り切れない思いを怒りに変え、チェヨンは腹いせ交じりに、拳を強く握りしめた


「イムジャ、温まりましたか?」

いい加減こうしている訳にいかぬと、張りつめた沈黙を破ったのはチェヨンだった

イムジャを放っておいたら、いつまでたっても、仏像のように動かなそうだ

そう思い、腹をくくる事にした

「あっ…う…ん」

「そろそろ…」

そろそろ、夜も更けた

寝ようと、そう言いたかった

しかしどうにも、白々しく思え、言いかけたが口籠る。次の言葉を言えない

言葉に詰まって戸惑っていると、口の中いっぱいに生唾が充満する

それを、思わず飲みこんでしまった

「ごくり…」

明らかに不自然に強張った面持ちに加え、喉が露骨に音を立てる

馬鹿な。

これでは疾しい考えを、みすみす明かしているようなものではないか…

自分の分かり易すぎた行動に呆れ、チェヨンは心の中で頭を抱えこんだ

だが幸いウンスも、チェヨンの事を気にする余裕すら持ち合わせてなかった

目線を合わせずウンスは問いかけた

「その…寝台は一つよね…?」

自分のことで精一杯で、深くまでチェヨンの腹の底を探ろうとはしなかった

「えっ?それは…どういう」

驚いたように目を丸くしたチェヨンに

自分がおかしな質問をしたのだと気づき、一瞬にし頭がぼっと点火した

あ~、やだっ、恥ずかしい…!

私の馬鹿、馬鹿!!

私ったら、あり得ない…何を、意味深な事をいっているの?

「ほっ、ほら…どうやって…その…寝ようかなぁ…なんて」

なにか言い繕わないと…と思ったが

「えっ、あぁ…その事なら…」

言った矢先から、チェヨンがどういう男か、自分が誰よりも知っていた事を思い出し、ウンスは激しく後悔した

うわぁ、ドツボだ…

こんな聞き方をしちゃったら、真面目なこの人の事だから、きっと…

「俺は椅子で寝ます」

そう、言いかねないじゃない

なんて聞き方をしたのだと悔やむが、言ってしまったものは取り返しがつかない

そんなつもりじゃなかった!

せめて次の言葉を言わせる前に訂正しないと…とウンスは焦った

もう後先の事を考えず言葉にする

「一緒に寝よ」

「共に…」

二人は、ほぼ同時に声を揃え言葉にした

互いの声のあまりの大きさに驚いて、二人はこれでもかと目を丸くする

一息おいて、たった今言われた、その人の言葉を心のなかで繰り返した

「共に…」って…

嬉しい、とにかく、嬉しかった

嬉しすぎてじわりと涙がこみ上げてきた

勿論チェヨンも同じ気持ちだ

チェヨンがウンスを見つめ、ウンスがチェヨンを見つめ返す

暫く二人は微笑みを浮かべ見つめ合う

そして、少ししてから、喜びで胸が苦しくて、チェヨンは大きく咳払いをした

「うん…一緒に寝ましょ」

先に言葉にしたのはウンスだった

表情がぱっと華やいでいる

聞こえちゃわないかと思うくらい大きな音で、心臓が激しく鳴り響く

ウンスの明るくなった表情を見逃さず、内心ほっと肩を撫で下ろした

チェヨンは座ってた姿勢から、寝台に乗り上げると、隅に身を寄せて横たわった

寝台はくっつきでもすればいざ知らず、二人寝るのがやっとな大きさだ

一緒に寝るのに慣れてないわけじゃない

「イムジャ、ここに…」

ポンポンと空いた場所を叩くと

「うん…」

ウンスも、こくこくと、二度ほど頷く

そして、そろり、そろりと、不自然な動きで、そこに近づいて行った

もうウンスが高麗に戻り、何度も共寝はしたが、今宵はそれとは違う

とても冷静ではいられそうになかった



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