久々の妄想です。最近忙しく、なかなかニヤニヤできず、今になりました。しかしまぁ、ゆっくりやっていきたいと思います。お付き合いよろしくお願いします。

「…でね、そんときさ。ん?…聞いてる?」
「ん~」
「あのね、そんときにね!」
「ん~」
「って、聞いてないし。」
「ん~」
「…疲れてる?」
「ん~」
「ふぅ じゃあ、御飯作るから、休んでて。」
午後から、仕事がお休みになったそうで、今日は彼のおうちに来て、とりあえずお茶などしてた。目立つし、何より疲れてるだろうなと思って。 でも、本当に…というか、やっぱり疲れてたみたい。今も、もう横になってる。 さて、体に優しい和食にしようかな。

買い物から帰ってくると、彼はソファーで寝息をたてていた。音を立てないように、爪先で歩く。買い物袋を置いて、ふと彼の方に目を向ける。寝返りをうったのか。こっちを向いてる。ちょっと寄ってみる。まだ起きないんだ。もうちょっと…もうちょっと。とうとう目の前に来てしまった。とりあえず、…とりあえず正座してみた。やめれば良かった。顔目の前じゃん! 息かからないように、何故か小刻みに息をしてみる。鼓動も大きくて、すごく緊張する。 あんなに毎日顔を塗ってるのに、肌キレイだよね~ きめ細かい。マツゲも長いね~ しかも量もある!女の敵だな、うん。考え過ぎて、よりすぎて、彼の寝息が顔にかかるほど近くに! チ、チュウしちゃおうかな。 ………
よし!やめよ! なんか恥ずかしい! そうだ。御飯作らなきゃじゃん! お湯沸かさなきゃ、うん! 自分に言い聞かせるように、何度も頭の中で繰り返し、何度もうなづく私。立ち上がりキッチンに向かった、そのとき。

「なに。しないの?待ってたんだけど。」
彼のからかってる声が聞こえてきた。起きてたの!? 振り向いたら、自分の真っ赤な顔がバレちゃう。私は背中を向けたまま、
「するつもりなかったもん。ほ、ほら、無呼吸とあるとか言うからさ。心配になってさ。」
しどろもどろながら、早口で何とか答えた。よし、言った。うん、言った。自分の中で納得して、料理を始める。御飯炊いて、お湯を沸かして、えっと具沢山味噌汁だから、野菜切らなきゃ…まな板を出そう。と、目線をずらすと、彼が真後ろに立っている!彼が後ろから、肩を抱いてきた。頭の中はひゃあひゃあ叫んでいるけれど、バレないように平静を装う。
「ねえ」
「なぁに~?御飯作ってるんだけど~?」
「チュウしてくんないの?」
「え~?しないよ~ だって寝てるじゃない。」
彼がぎゅっと抱きしめ直してきた。何かちゃかして話そうとしたのを遮って、
「俺はしてほしかったんだけど。」
恥ずかしすぎて、思わず黙ってしまう。彼は息をふうっと吐いて、
「じゃ、向こういるから。待ってるね。」
そう言いながら、耳にかすかに触れる程度のキスをしてきた。
「ひゃ! 何するのぉ!」
振り向くと、背の高い彼がニヤリと笑っていた。もう、とかなんとか言いながら私は料理を作り出す。

「ごちそうさまでした!久々まともな飯だったな~」
「良かったね~ おいしかった?」
「うまかったよー! 鮭の焼き具合とか、抜群!」
「本当?良かった。安心した~ お味噌汁多めに作ったから、また温めて食べてね。 あ、お茶入れるね。」
立ち上がりながらの言葉の最後、言うか言わないかのところで彼に腕をつかまれ、強引にソファーに座らさせられる。
「片付けしなきゃ。」
「…いいよ。俺がもう限界だよ。そばにいなよ。」
彼がギュッと抱きしめてくる。私も背中に背を回す。大きくて、あたたかい背中。
「ねえ、なんでさっきチュウして来なかったの?」
「恥ずかしいからだよ…」
「なんでだよぅ」
「かっこよくて…とにかく恥ずかしかったの。」
気持ちまであたたかいし、顔も見えないから、つい本当のことを話してしまう。彼が私と顔を突き合わせて「俺も恥ずかしかったよ。でもさ、嬉しいほうが大きかったんだ、ぞ?」
鼻と鼻をぶつけながら、彼は言う。

「ってか、何?肌荒れしてるじゃん。マッサージしちゃる。きなさい。俺の彼女なのに、何してんの!」
え?わけがわからないまま、ソファーに寝かされて、彼のあぐらの中に頭をやる。
「いらっしゃいませ~」
店員さんみたいな声色。オイルマッサージが始まる。体温の高い彼。ほっぺたや、おでこ、顔をマッサージしてもらう。気持ちいい~! すると、上から声が聞こえてきた。
「お~い?目つぶりすぎ。気持ち良さそうな顔しすぎ!」
ぼんやり目を開けると、彼が見下ろしてた。
「あ~気持ちいいよ~」
ふにゃふにゃした声で応えると、彼に鼻を軽く噛まれた。と、そのまま続くマッサージ。 へ?今の何?と、座ってぼうっとしてる私。

「こっちおいで」
彼に促されるまま、ソファーに並んで座る。TVをつけて、まったりタイムに。彼の左手、私の右手、指を絡ませ、手をつなぐ。直接あたたかさが伝わってきて、嬉しくて彼を見る。
「カッコイイね。」
彼にこづかれる。痛がる私。彼にもたれかかると、私の髪をゆっくり撫でてくれる。あたたかくて気持ちいい。彼もニコニコしてる。幸せなとき。
第二回の人に会いに行きました。失礼しました。
またまた違う人のこと。昨日衛生中継で第四回の人に会って(拝んで)来たので、その人のこと書きたい欲求がありますが、あえての四人目様。それでは、よろしくお願いします。

都内の大きな公園。落ち葉の舞う中、ゆっくりめに歩く私。いつも早歩きだから、ゆっくりの歩き方を忘れてた。せかせか、なるべく早く歩かないと人混みに体を持って行かれちゃうんだもんな。ブーツで踏む乾いた落ち葉からは小気味好い音。カサだったり、ガサだったり、楽しく歩いていると、風でかな?頭の上から大きな葉っぱが落ちてきた。見上げると落ち葉のシャワー。すごい~と思う間もなく、強い風が吹いて、私は目をつぶった。静けさを感じ、瞼を開いた先の先に彼がいた。

大丈夫?葉っぱと踊ってるのかと思ったよ。にこりと笑う彼。 今日はこの公園で待ち合わせをしていた。
ねえ、待ち合わせ時間より早く、偶然会えるなんて嬉しいね。せっかくだから、ちょっと歩かない? 二人で並んで歩ける幸せ。彼の顔を見上げると目が合った。二人ビックリして、同じタイミングでまばたき。優しい笑顔を私に見せ、また歩く彼。背中越しに、 落ち葉って、僕好きなんだよね。街中キレイだしさ。落ち葉が落ちてくる様子が、こっちに手を振ってるみたいで。 彼はロマンチストで、時折こういう話をしてくる。最初は驚いたけど、言葉の端々に優しさが伝わってきて、今は何とも心地いい。 話を聞いて、また落ち葉に目をやると、途端にくしゃみが出た私。 彼は慌てて、 ごめんね。寒かったかな?あ~今公園の真ん中で店もないなぁ。とりあえずこれで! と彼は私の手を取り、自分のポケットへ。 僕あったかいからさ。じゃあ、行こうか。 また優しい笑顔だった。

今日は美術館デート。目的地に着くと、 到着~ 残念だけど、ここで手は離さなきゃだね。 え?離すの?と聞くと、 だってさ、君に集中して絵が入ってこないから。今だけね。僕も我慢だよ。 ちぇ~本当に残念だよう。でも言いながら、彼、耳まで赤くしてる。もう、嬉しいじゃん。ん~はい。我慢します! 目的の美術館は個人の美術館で、ワンフロアだけの小さなものだった。大きな油絵から、小さなデッサン画まで。彼は腕を組みながら、時には顎に手をやってフロアを歩く彼。私は小さな絵の前で足を止めた。手の平で隠れる位の小さいもの。草原?海?緑とも青ともつかない色の中に黄色、オレンジ、赤、沢山の色を使ってるのにとてもキレイ。 口開いてるぞ、微笑む彼がいつの間にか真横に。さっきより近いよ!心臓の音聞こえちゃう。呼吸できない。ドキドキするよう! 平静を装いながら、え?だって素敵だからさ。沢山の色で溺れてたの。 真横から、こちらを向く彼。私はドキドキしすぎて、瞬きを沢山してしまう。ダメだ。開けてられない~ギュッと目をつぶると、 いいね~~!素敵な表現!それ好きだな。いいね!今日一番嬉しそうな彼の顔。 美的センスあるからね、私。ニカッと笑う私。 いや、知らんし!とか言うかな…ふふふ~ だけど彼はなんと、 うん、あるよ。今度また美術館行こうね。 呆気に取られる私。彼はにこにこ。少し温度差を恥ずかしく思う。でも優しい笑顔に、つられて同じ顔になる。

美術館の中の喫茶店に入るのが好き、という彼と共に窓辺の席へ。 ここ、紅茶の種類多いね~嬉しいな。僕はダージリン。 私のハーブティーが運ばれてきて、お湯がポットに注がれるとハーブが花開く。私の好きなお茶。 あ、この子今目が覚めたんだね。 ほんわかすることしか言えないのか?と思うくらい。ほんわか優しい言葉を言う彼。 え?好き… 気付いたら、ぼうっと彼を見ながら、口に出してしまってた。あ、違う違う!このお茶がね、好きなの! 焦る私の手をぎゅっと握り、真面目な顔の彼。 僕もだよ。好きだよ。 それから、やっぱり優しい笑顔。見つめ合う私達に、すみません。閉館時間なんです。 申し訳なさそうなおばあさんの背中を見送り、二人で笑い合う。

外に出ると、さっきより冷たい風。今度は何も言わなくても彼がポケットに手を入れてくれた。さっきと唯一違うのは手の繋ぎ方が恋人繋ぎになってること。 寒いね。鼻赤くなってるよ。 いや、君もだよ。なんだよ。ずっと同じことやってるなぁ。照れてるみたいな声。それから大きく息を吸って、彼は言った。 じゃ…うち来る? ドキドキしながら頷くと、繋いだ手を少し強く握られた。 また微笑みあって、歩く私達。 足元で風に揺れる落ち葉が手を振っていた。