葛城の迷宮 -17ページ目

『ミッドナイト・イン・パリ』

監督:ウディ・アレン
出演:オーウェン・ウィルソン
    レイチェル・マクアダムス
    マイケル・シーン
    レア・セイドゥ
    マリオン・コティヤール

    コール・ポーター
    F・スコット・フィッツジェラルド
    ゼルダ・フィッツジェラルド
    アーネスト・ヘミングウェイ
    ジョセフィン・ベーカー
    ガートルード・スタイン
    パブロ・ピカソ
    サルバドール・ダリ
    マン・レイ
    ルイス・ブニュエル
    ジューナ・バーンズ
    T・S・エリオット
    アンリ・マティス
    アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック
    ポール・ゴーギャン
    エドガー・ドガ

”朝のパリは美しい”
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クロード・モネの『睡蓮』のモデルとなった庭園を散策するギル(オーウェン・ウィルソン)は、憧れのパリに興奮していた。
今は脚本家としてそこそこ売れてる彼だが、現在取り掛かっている処女小説が売れたらパリで暮らしたいと思っている。


”昼のパリは魅力的”
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婚約者であるイネズ(レイチェル・マクアダムス)は、現実主義のお嬢様育ち。
結婚後はマリブで暮らすと勝手に決め、小説が売れなかった場合は脚本家を仕事として生活していくとギルに約束させる。
退屈そうな彼女を尻目にロマンティックに浸るギル。


”夕暮れのパリにはウットリ”
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イネズの両親とレストランでの食事中、彼女の友人のポール(マイケル・シーン)とその妻に偶然出会う。
次の日、渋々四人で観光することになったがギルは、行く先々でウンチクをひけらかすポールにもうウンザリ。
インテリぶったポールを密かに憧れていたイネズは、彼の博学ぶりにウットリ。
ワインの試飲会の帰り、ポールと一緒に踊りに行こうと言う彼女に、酔ったので一人で歩いてホテルに帰ると伝えるギル。


”でも、真夜中のパリには・・・魔法がかかる!”
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案の定、ギルはホテルへの道が分からず迷ってしまった。
やがて0時を告げる時計台の鐘の音が街に響く。
すると目の前で旧式のプジョーが止まり、乗客が車へ乗るように促す。
辿り着いた先は社交クラブでのパーティ。
コール・ポーターの曲を弾き語る男の上手さに驚いていると、一組のカップルが話しかけてきた。


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彼の名はF・スコット・フィッツジェラルド。
妻の名はゼルダというらしい。
有名な作家夫婦と偶然にも同じ名前だと驚いていると、このパーティの主催はジャン・コクトーだという。


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驚愕するギルに、夫婦は場所を変えて飲もうと言う。
辿り着いたバーではスコットの作家仲間がひとりで飲んでいた。
ゼルダが毛嫌いするその男の名は、ヘミングウェイ。
あのアーネスト・ヘミングウェイだった・・・




前にブログネタで、「芸能人に興味ありません!」とか言ってたクセに、この作品のギルにはメッチャ共感しまくり!
作家や画家、映画監督といった人たちと一緒に飲んで、朝まで話明かしてみたい!
彼らの性格や行動は、きっと作り上げた作品に影響されているはずだから・・・
まぁ最近、夜0時を過ぎたら眠くてフラッフラになっちゃうんだけどね。

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『アニー・ホール』で初めてアレンを見た時は、バッタにしか見えねー!って思った人は僕だけじゃあるまい。

製作発表時にポスターを見たとき、久しぶりにウディ・アレンが出演か!?と思ったけど、よーく見てみたら似ても似つかないオーウェン・ウィルソン。
チノパンとチェックシャツ(やっぱりラルフローレン?)を着るだけでここまで似るのな。

アレンをモデルにしてるのは明らかでも、オーウェン・ウィルソンは全くニューヨーク出身には見えないので、ギルの出身設定はカリフォルニア。
めっちゃハリウッド顔やもんね。


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ベル・エポックが古き良き時代なら、1920年代のパリは狂乱時代。
華やかさ、煌びやかさの中から、狂気が芸術として認められ始めた頃。
それは、今も残っている作品を見れば明らか。
才能のある人間たちは、この時代のパリが自身の作品にインスパイアを与えると思って集まってきたんだな。
あるいは、才能のある人物が集まってきたからパリの街が再び魅力的になったのか。


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似てる人、似てない人、それぞれたくさん出てくるけど、みんな特徴を上手く捉えてる。
ここはシュルレアリスムの会合?
『皆殺しの天使』のアイデアはギルが出したもの?
なんてタイムトラベル物のお約束もちゃんとしてくれる。


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価値観がピッタリと思って、アドリアナへと徐々に気が移りつつあるギル。
生きる時代は違っていても、同じ方向を向いていると思っていた彼女さえ、ベル・エポックの時代に憧れていた。
田舎からパリへと出てきた彼女。
そして次は時代さえ越えて、自分の生きたい場所へ軽々と飛び込んでいく。
そしてギルは、自分が同じように行動に移せなかった理由をやっと理解する。


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すごく見応えがあったのに、たったの94分間。
至福の時間を過ごさせてくれる。

作品のテーマとしては、
『古き良き時代を懐かしむのもいいけど、今の時代もそれなりに良いところはあるよ!』
というポジティヴな結論を教えてくれる。

ただこの作品が、人生に与える影響は計り知れない。
と思ってるのは僕だけ?

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映画を観終わった後、
「あ~、面白かった!けっこうみんな似てたね~」
と余韻に浸ってたら、一緒に観たパートナー(彼女・彼氏・妻・夫)が、
「全然面白くない!知らない人ばっかり出てきて。
ナントカ・ブニュエルって誰!?
ホントにいつもワケ分からない映画ばっかり選んで・・・」

なんて言ったらどうする?


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アレンは裏テーマとして、
『価値観の違うカップルは一緒にいたって幸せにはなれないよ。
それなら思いきって、趣味の合う新しい相手を探したほうがイイんじゃない?』


という、とんでもないテーマをサラリとブッ込んできた!


価値観の近い相手と一緒に過ごせば、自然と楽しい時間は増える。
しかし、価値観の合わない相手と一緒に過ごせば、好きなことに注ぎ込む時間も減るし、相手の価値観に合わせないといけない。



それならギルのように、決断が遅いときなんて無いよ。
ほら、今すぐにでも言ってやりな!

と言ってるようだ。


ニューヨーカーならではの恋愛観なのか?
それともやっぱり・・・パリは恋の街だから?



うーむ、周りで観てた夫婦やカップル、大丈夫だったのかな?
心配になってきた・・・