『プレステージ』
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ヒュー・ジャックマン
クリスチャン・ベイル
マイケル・ケイン
スカーレット・ヨハンソン
アンディ・サーキス
デヴィッド・ボウイ
”プレッジ(確認)”
19世紀末のロンドン。
ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)は、同じマジシャンの元に弟子入りしていた。
偉大なマジシャンとして成功するために、お互いを尊敬し合い切磋琢磨する良きライバルの二人。
だが今の彼らの仕事は、師匠が最も得意とする脱出マジックの際に観客のフリをして手を挙げ、水槽に放り込まれる助手ジュリアの手足をロープで結ぶこと。
助手のジュリアは、実はアンジャーの愛妻だった。
今日の公演でも彼女にロープを結ぶ時、さりげなく脚にキスをするアンジャー。
しかし手首を結んでいるボーデンは、今までとは違うロープの結び方を試そうとしていた。
劇場の舞台袖では、ハリー・カッター(マイケル・ケイン)が用心のために斧を片手に時計を見つめていた。
いつもと同じようにロープに吊るされて、徐々に水槽へと入れられるジュリア。
いつもと同じように放り込まれた瞬間、水槽の蓋に南京錠が掛かりカーテンを被せられる。
いつもと同じように彼女の脱出の成功を笑顔で信じるアンジャー。
いつもと同じようにカッターの時計が60秒を数え、カーテンが取り去られた。
いつもなら脱出に成功して水槽の横に立っているはずのジュリアが、
まだ水槽の中でもがき苦しんでいた。
騒然とする観客席に見向きもせず、水槽を割るために斧を振り上げるカッター。
ガラスが割られ、大量の水と一緒に放り出された彼女のもとへアンジャーは駆け寄る。
しかし救出が間に合わずジュリアは絶命していた。
アンジャーは悲しみの底にいた。
カッターに付き添われてジュリアの葬儀を行っている時、ボーデンがフラリと現れる。
どんな結び方をしたのかと詰め寄る彼に、覚えていないと答えるボーデン。
ジュリアが名づけてくれた“偉大なダントン”という芸名を名乗り、一流マジシャンとして成功することをアンジャーは誓う。
それと同時に彼女を死に導いたボーデンに対して、どんな卑劣なことをしても復讐することを彼は決意する・・・
”ターン(展開)”
アイディアはいまひとつだけど、華やかな演出を得意とする“偉大なダントン”。
妻のことが忘れられず、彼女を死に追いやったボーデンへの憎しみは増すばかり。
貴族出身で優雅な振る舞いの彼は、観客を惹きつける魅力も抜群。
どんなに卑怯な手を使っても嫌われない正統派イケメンのヒュー・ジャックマンは、正にこの役にうってつけ。
アメコミヒーローからラブコメまで幅広い演技を見せてくれるけど、正直いまいちピンとこない役が多い気が・・・
(アカデミー賞の司会は素晴らしかった!!)
それでも明るくセクシーな笑顔はスターに相応しい。
誰も思いつかないアイディアと、誰にも真似できない技術を持つボーデン。
しかし見せ方が地味で華やかさの欠片もない彼の芸名は、、“プロフェッサー(教授)”。
不幸なダントンに較べて愛する妻と子を持つ彼は、細やかながらも幸福な家庭を大事にしている。
しかしマジックのパートナーであるファロンの正体は家族さえも知らない。
クリスチャン・ベイルのルックスは、常にその後ろに“影”が纏わりついて離れない。
荒唐無稽なこの物語に説得力をもたらしているのは、彼の神経質そうな雰囲気のおかげ。
真っ黒なマスクと真っ黒なマントを羽織ってバットマンを演じても、
「リアリティを感じる!」
なんて言われるのがその証。
どんな作品に出演しても、主役を持って行かれる運命の彼は、№2がよく似合う。
アンジャーのスター性を見込んで、マジックのトリックや小道具を提供するハリー・カッター。
ノーラン作品の常連だけど、小さい役が多いマイケル・ケイン。
今回はいつもより重要な役回り。
監督曰く、作品が成功するための”お守り”らしい。
売れない女優だったオリヴィアは、カッターの紹介でアンジャーの助手となる。
しかし軌道に乗ってきた彼に命じられた仕事は、ボーデンのトリックを盗み出すためのスパイ。
はちきれんばかりの魅力とカラダを持つスカーレット・ヨハンソンも、
今回ばかりは男二人の間で存在感薄め。
しかしこの衣装、よく似合うなぁ・・・
狂気の天才発明家、ニコラ・テスラ。
マジシャンとして窮地に陥ったアンジャーが、起死回生のためにとてつもない仕掛けを依頼する。
テスラコイルや交流電源などで有名な彼も、エジソンとの開発競争に敗れ、アメリカの片田舎で夜な夜なひっそりと実験を繰り返す。
この男の登場で、物語の展開が思いもよらない方向へと進んでいく。
実在したこの怪しげな発明家役を、かつてのグラムロックの帝王、デヴィッド・ボウイが演じる。
”プレステージ(偉業)”
マジックがまだ魔術だった19世紀末では、科学もまた魔法に近かった。
画作りや美術からも当時のイギリス特有のオカルト臭がプンプンしてくる。
注:ミステリーではありません!
クリストファー・プリーストの原作『奇術師』
クリストファー・ノーランはこの原作を映像化するのにとても適した監督だった。
格闘アクションは苦手でも、ハッタリでアクションを見せるのは大得意。
似た者どうしのマジシャン二人による、お互いにひたすら仕返しをし合う真剣にバカな物語。
そして観た人誰もが、
「そんなのアリか!?」
と今にも口に出しそうな展開。
面白いと思う人もいれば、最悪、裏切られた、と思う人もいるらしい。
でも本当に裏切られたのか?
地面に挿しただけの電球。
放電中の装置を歩く姿。
ニコラ・テスラは今から100年以上前に”世界システム”で、無線通信、無線送電を考えていた。
無線LAN、置き型充電、ぼくらは21世紀になって、やっと彼の考えていたことに追いついた。
映画の中では無線で何を移動させるのか・・・これ以上はナイショ。
複雑な展開をサラリと見せるのはやっぱり上手い。
ちょっとおかしくない?
と思いつつも次から次へと強引に場面展開するので、それに騙されてどんどん話は進む。
この胡散臭さは大好きなんだけどね。
オチが途中でバレるのはわかっていること。
物語の至る所にバラ撒かれているヒントを見つけてはニヤニヤし、想像していた展開を想像を超える演出で魅せてくれるその手腕に惚れ惚れ。
クライマックスの編集は圧巻。
それでも全てはまだわかっていない。
ノーラン監督の偉業は伝わらない・・・
「だまされている方がいいのだ、タネは知らないほうがいい」
興味を持つのはいいけど、深入りしすぎは身を滅ぼす。
ウルヴァリン vs バットマン
身を滅ぼすのはどちらか・・・興味ありません?
プレステージ [Blu-ray]/クリスチャン・ベール,ヒュー・ジャックマン

¥2,100
Amazon.co.jp
出演:ヒュー・ジャックマン
クリスチャン・ベイル
マイケル・ケイン
スカーレット・ヨハンソン
アンディ・サーキス
デヴィッド・ボウイ
”プレッジ(確認)”
19世紀末のロンドン。
ロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベイル)は、同じマジシャンの元に弟子入りしていた。
偉大なマジシャンとして成功するために、お互いを尊敬し合い切磋琢磨する良きライバルの二人。
だが今の彼らの仕事は、師匠が最も得意とする脱出マジックの際に観客のフリをして手を挙げ、水槽に放り込まれる助手ジュリアの手足をロープで結ぶこと。
助手のジュリアは、実はアンジャーの愛妻だった。
今日の公演でも彼女にロープを結ぶ時、さりげなく脚にキスをするアンジャー。
しかし手首を結んでいるボーデンは、今までとは違うロープの結び方を試そうとしていた。
劇場の舞台袖では、ハリー・カッター(マイケル・ケイン)が用心のために斧を片手に時計を見つめていた。
いつもと同じようにロープに吊るされて、徐々に水槽へと入れられるジュリア。
いつもと同じように放り込まれた瞬間、水槽の蓋に南京錠が掛かりカーテンを被せられる。
いつもと同じように彼女の脱出の成功を笑顔で信じるアンジャー。
いつもと同じようにカッターの時計が60秒を数え、カーテンが取り去られた。
いつもなら脱出に成功して水槽の横に立っているはずのジュリアが、
まだ水槽の中でもがき苦しんでいた。
騒然とする観客席に見向きもせず、水槽を割るために斧を振り上げるカッター。
ガラスが割られ、大量の水と一緒に放り出された彼女のもとへアンジャーは駆け寄る。
しかし救出が間に合わずジュリアは絶命していた。
アンジャーは悲しみの底にいた。
カッターに付き添われてジュリアの葬儀を行っている時、ボーデンがフラリと現れる。
どんな結び方をしたのかと詰め寄る彼に、覚えていないと答えるボーデン。
ジュリアが名づけてくれた“偉大なダントン”という芸名を名乗り、一流マジシャンとして成功することをアンジャーは誓う。
それと同時に彼女を死に導いたボーデンに対して、どんな卑劣なことをしても復讐することを彼は決意する・・・
”ターン(展開)”
アイディアはいまひとつだけど、華やかな演出を得意とする“偉大なダントン”。
妻のことが忘れられず、彼女を死に追いやったボーデンへの憎しみは増すばかり。
貴族出身で優雅な振る舞いの彼は、観客を惹きつける魅力も抜群。
どんなに卑怯な手を使っても嫌われない正統派イケメンのヒュー・ジャックマンは、正にこの役にうってつけ。
アメコミヒーローからラブコメまで幅広い演技を見せてくれるけど、正直いまいちピンとこない役が多い気が・・・
(アカデミー賞の司会は素晴らしかった!!)
それでも明るくセクシーな笑顔はスターに相応しい。
誰も思いつかないアイディアと、誰にも真似できない技術を持つボーデン。
しかし見せ方が地味で華やかさの欠片もない彼の芸名は、、“プロフェッサー(教授)”。
不幸なダントンに較べて愛する妻と子を持つ彼は、細やかながらも幸福な家庭を大事にしている。
しかしマジックのパートナーであるファロンの正体は家族さえも知らない。
クリスチャン・ベイルのルックスは、常にその後ろに“影”が纏わりついて離れない。
荒唐無稽なこの物語に説得力をもたらしているのは、彼の神経質そうな雰囲気のおかげ。
真っ黒なマスクと真っ黒なマントを羽織ってバットマンを演じても、
「リアリティを感じる!」
なんて言われるのがその証。
どんな作品に出演しても、主役を持って行かれる運命の彼は、№2がよく似合う。
アンジャーのスター性を見込んで、マジックのトリックや小道具を提供するハリー・カッター。
ノーラン作品の常連だけど、小さい役が多いマイケル・ケイン。
今回はいつもより重要な役回り。
監督曰く、作品が成功するための”お守り”らしい。
売れない女優だったオリヴィアは、カッターの紹介でアンジャーの助手となる。
しかし軌道に乗ってきた彼に命じられた仕事は、ボーデンのトリックを盗み出すためのスパイ。
はちきれんばかりの魅力とカラダを持つスカーレット・ヨハンソンも、
今回ばかりは男二人の間で存在感薄め。
しかしこの衣装、よく似合うなぁ・・・
狂気の天才発明家、ニコラ・テスラ。
マジシャンとして窮地に陥ったアンジャーが、起死回生のためにとてつもない仕掛けを依頼する。
テスラコイルや交流電源などで有名な彼も、エジソンとの開発競争に敗れ、アメリカの片田舎で夜な夜なひっそりと実験を繰り返す。
この男の登場で、物語の展開が思いもよらない方向へと進んでいく。
実在したこの怪しげな発明家役を、かつてのグラムロックの帝王、デヴィッド・ボウイが演じる。
”プレステージ(偉業)”
マジックがまだ魔術だった19世紀末では、科学もまた魔法に近かった。
画作りや美術からも当時のイギリス特有のオカルト臭がプンプンしてくる。
注:ミステリーではありません!
クリストファー・プリーストの原作『奇術師』
クリストファー・ノーランはこの原作を映像化するのにとても適した監督だった。
格闘アクションは苦手でも、ハッタリでアクションを見せるのは大得意。
似た者どうしのマジシャン二人による、お互いにひたすら仕返しをし合う真剣にバカな物語。
そして観た人誰もが、
「そんなのアリか!?」
と今にも口に出しそうな展開。
面白いと思う人もいれば、最悪、裏切られた、と思う人もいるらしい。
でも本当に裏切られたのか?
地面に挿しただけの電球。
放電中の装置を歩く姿。
ニコラ・テスラは今から100年以上前に”世界システム”で、無線通信、無線送電を考えていた。
無線LAN、置き型充電、ぼくらは21世紀になって、やっと彼の考えていたことに追いついた。
映画の中では無線で何を移動させるのか・・・これ以上はナイショ。
複雑な展開をサラリと見せるのはやっぱり上手い。
ちょっとおかしくない?
と思いつつも次から次へと強引に場面展開するので、それに騙されてどんどん話は進む。
この胡散臭さは大好きなんだけどね。
オチが途中でバレるのはわかっていること。
物語の至る所にバラ撒かれているヒントを見つけてはニヤニヤし、想像していた展開を想像を超える演出で魅せてくれるその手腕に惚れ惚れ。
クライマックスの編集は圧巻。
それでも全てはまだわかっていない。
ノーラン監督の偉業は伝わらない・・・
「だまされている方がいいのだ、タネは知らないほうがいい」
興味を持つのはいいけど、深入りしすぎは身を滅ぼす。
ウルヴァリン vs バットマン
身を滅ぼすのはどちらか・・・興味ありません?
プレステージ [Blu-ray]/クリスチャン・ベール,ヒュー・ジャックマン

¥2,100
Amazon.co.jp










