葛城の迷宮 -10ページ目

『ダークナイト・ライジング』

監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベイル
    トム・ハーディ
    アン・ハサウェイ
    マイケル・ケイン
    モーガン・フリーマン
    ゲイリー・オールドマン
    ジョセフ・ゴードン=レヴィット
    マリオン・コティヤール
    マシュー・モディーン
    キリアン・マーフィ


“ハーヴィ・デント事件”から8年、ジム・ゴードン市警本部長(ゲイリー・オールドマン)率いるゴッサム市警と“デント条例”によって、暴力犯罪はほぼ一掃されていた。
あの事件で犠牲となった数人とハーヴィ・デントの死因は、ゴードンの証言によってバットマンの名が容疑者として挙げられていた。
街から犯罪は減少したものの、ゴードンは心に罪悪感を抱いたまま生きていた。

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ウェインの屋敷では主催者不在のパーティが開かれており、執事のアルフレッド(マイケル・ケイン)が忙しく切り盛りしていた。
パーティのために雇われたメイドの一人を呼びつけ、一人分の料理を屋敷の外れにある部屋まで届けるように命じる。

恐る恐るメイドが部屋に入ると、暗闇から現れたのはブルース・ウェイン(クリスチャン・ベイル)。
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彼はすでに杖を突かないと歩けないほど身体が弱り、世間から身を隠さなければならないほど精神も弱っていた。
その場から立ち去ろうとするメイドに声を掛けるウェイン。
彼女の首に見えた真珠のネックレスは、金庫に入っているはずの母の形見のもの。
窓から颯爽と飛び降りたメイドの正体は、ゴッサムで最も凄腕の窃盗犯セリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)だった。


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ゴッサムシティの証券取引所に数人の強盗団が現れる。
強靭な肉体を持つリーダー格の男の名はベイン。
株式売買に細工を行い、ウェイン産業の株を暴落させることが彼らの目的だった。
作戦を阻止するため、ゴッサムシティに8年振りに姿を現したバットマンだったが、デント殺害の手配犯であるため警官隊の追跡に遭い、ベインの逃走を許してしまう。


翌日の新聞の見出しには、ブルース・ウェインが無茶な株取引により破産したとの記事が載せられた。
もともとブルースが独断で進めていたクリーンエネルギー計画が頓挫し、経営が傾きつつあったウェイン産業の被害も甚大で、取締役会の決定により彼は代表を解任されてしまう。

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経営権を手放すことになったブルースは、技術部門を取り仕切るルシウス・フォックス(モーガン・フリーマン)と、社内で唯一信頼を寄せることのできる役員のミランダ・テイト(マリオン・コティヤール)にエネルギー計画の最高機密を託す。

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ゴードンは祝典の際に行方不明となっていた議員の消息を調べるうちに、ベインの部下に拉致されてしまう。
銃撃されつつも何とか脱出を図るが、デント事件の真実を綴ったスピーチをベインに奪われてしまう。

後日スピーチを持って大衆の前に現れたベインは、“デント条例”によって逮捕された犯罪者たちを解放し、ゴッサムシティ全体を人質にした・・・


希望は真の絶望を知るためにある・・・

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本国アメリカでは大ヒットのこのシリーズ。
いったい日本では誰が観るんだ?
前作『ダークナイト』は、ヒース・レジャーが
自身の運命を切り落として作り上げた
”ジョーカー”というキャラクターが、傑作に押し上げた奇跡の作品だった。


でも誰も憶えていないでしょ。
知ってる?
主人公の名前は、”バットマン”って言うんだって。


クリストファー・ノーラン監督は、『インセプション』や、『プレステージ』など荒唐無稽な物語を、
練りに練った脚本と説得力のあるセリフ回しで、作品の世界に引き込むのが大得意!

しかし彼にも苦手なモノが・・・
なんと彼は、格闘アクションが苦手なのだ!

『バットマン・ビギンズ』も、『ダークナイト』も、バットマンらしく暗闇で飛び回ってアクションしたんだけど、
何が何だかわかんない!
『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラス監督っぽく撮りたかったんだろうけど、残念な出来だった。


しかしアクションシーンまでのシークエンスや、見得の切り方のセンスを生かした今作でとった方法は、
”がっぷり四つ!”(に見えた)
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ベインと文字通り真正面からぶつかり合う!



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主演のクリスチャン・ベイルは、やっぱり今回も印象が薄い。
他のキャラクターと出演時間はほぼ同じなんじゃないか!?
その分周りを引き立たせる脇役俳優の鏡だな。
しかも登場人物の中で一番病んでいる。



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ブルースが生まれた時にはすでに執事として仕えていたアルフレッド。
再びバットマンとして彼が戦って死んでいくのを見たくない、と言って職を辞する。
マイケル・ケインはノーラン監督のお守り。
当然監督の次回作にも出演予定。



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ウェイン産業の技術部門を取り仕切るルシウス・フォックス。
75歳のモーガン・フリーマンにも、今回はアクションシーンあり。

そしてブルースが姿を消してからウェイン産業の役員となった、ミランダ・テイト役のマリオン・コティヤール。
『ミッドナイト・イン・パリ』では、自由奔放なアドリアナ役を演じてた彼女も、
『インセプション』でノーラン監督作品でのヒロイン役経験済み。

今回の彼女のお役目はというと、
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夜のお相手♥(ウソです)
もちろん彼女もえろえろ活躍します。



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今回の悪役キャラクター、ベイン。
米国プロレス団体”WWF”の大スター!

に見えるけど、彼も『インセプション』に出演していたトム・ハーディ。
爽やかなイケメンだった彼の、影も形もないほどの役作り。
この姿で意外とマイクパフォーマンスもイケる。
絶対『北斗の拳』『マッドマックス2』を参考にしただろ。
原作ファンにはたまらない、”あのシーン”も見事に再現!



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絶対ミスキャストだと思ったアン・ハサウェイ。
『バットマン・リターンズ』でミシェル・ファイファーが演じたキャット・ウーマンを超えるのは無理だと思ってた。
しかも苦手なタイプの女優だし・・・

でも登場した瞬間から、不安は一掃!
ドミノマスクにノクトビジョンを装着して、キレキレのアクションを魅せてくれる。
(でもやっぱり演出ヘタクソ)

しかも、ノクトビジョンをカチューシャのように持ち上げると・・・
”ネコ耳”
のように見えるのだ!
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超セクスィ~♥
アキバ系のヤツらが言ってる、
「萌え萌えキュン♪」
ってのは、この感情のコトか!!
うん、彼女になら高速ヒールキック食らってもイイや。



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悪役専門でマンネリに陥りそうだったゲイリー・オールドマンを救ったのも、このシリーズ。
枯れたオヤジマニアが泣いて喜びそうな、ゴードンのこの優しげな表情。
彼にもとうとうバットマンの正体を知る瞬間がやってくる。



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色白ナデ肩俳優の代表だった、ジョセフ・ゴードン=レヴィット。
『(500日の)サマー』で見せていた頼りなさキャラから、最近マッチョ系の俳優へと転身してきた。
彼が演じるジョン・ブレイク刑事は、最初からブルース・ウェインをバットマンの正体だと見抜く勘の良さ。
でも、なんとなく小っちゃいイメージはそのまま。
このトンデモない物語の中で、観客がいちばん共感しやすいキャラクターです。

そして彼が物語の終結を納得させるキーとなる。


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満身創痍のバットマンに対して、周りのキャラクターが少しずつでもと協力していく。
そしてバットマンを追っていたはずの警察官たちも、ゴッサムシティの真の平和のため、ベインに立ち向かう。

1㎜のズレもなく、ブルドーザーのように突き進んでいくノーラン監督の計算された演出。
誰もが、「もしや・・・」と想像していた方向へと、パワフルに物語は進んでいく。
そして誰もが想像していた最期の遥か遠くへと着地する。
この超大作で、ここまで期待に応える作品に仕上げるのは至難の業だったと思う。

残念ながら前作のような、”奇跡”の傑作とまでは行かなかったけれど。

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見事なアンサンブル・キャストの揃い踏み。
アメコミという枠を超えた傑作には違いない。

コンセプトが定まっていなかった第一作が本当に惜しい。
伝説の三部作となり得たのに。