取り立てて自分が不幸だとは思わない
むしろこの上なく幸運な人生だと思っている
平和な国に生まれ、大きな怪我もなく何不自由なく生きてこれた
苦しみは全て自分が生み出したものでしかない
在明にはそれがわかっていた
しかし在明は酒に溺れた
苦しみは全て自分が生み出したものでしかない
在明にはそれがわかっていた
しかし在明は酒に溺れた
元々酒は嫌いだったはずなのに、まさか自分がこうなるなんて思いもしなかった
毎日意識が飛ぶまで酒を飲み続けた
元々気にしていた薄毛もさらに進行し、個人輸入で購入した治療薬による後遺症でEDにも悩まされ、鬱のような症状にも拍車がかかり、おまけに会社の健康診断では「多血症」の診断を受けた在明には最早何をどうして良いかわからなかった
夜中にひとり咽び泣こうとしても涙も出ない自分はいよいよおしまいだと思った
それでも職場では極めてマトモに振舞っているつもりだった
だが一部の人には元気が無いとか顔が浮腫んでいるとすぐに指摘される始末
いつ途切れるともわからない精神状態で過ごしていたある朝、いつものように仕事に行く準備をしていると、スマホに着信が来ていた事に気付いた
「何かの間違いか?」
明け方の4時頃、以前の職場で在明を振った女である霊子(れいこ)からだった
〜続く〜