四月。
校庭の周りにはピンク色の花がいっぱいに広がっている。
ここは旭高校。
今日は私たちの入学式。
…といってもそんなにたいしたことはしてないんだけど。
ただ、校長先生の話って…予想通り長いのね。
私は正直…頭がいいなんて言えたものじゃない。
それでも偏差値53のこの高校に入れたのは絶対奇跡。
神様だって間違いは起こすみたい。
長い入学式が無事に終わり、私のクラス『1-B』の教室に移動した。
教室に入ってすぐ、小さな女の子が私に話しかけてきた。
「ねぇ!名前、なんていうの?」
すごく小さくて、声が高い女の子。
165cmの私の肩よりも低い。
「…唐沢詩織っていうの。よろしくね。」
「詩織ちゃん、背高いねー!あたしは林あみ。メアド交換しよっ!」
あみと話し終わった私は自分の席に向かった。
私の席は…っと…。
あった。窓際の一番後ろだ。
いわゆる漫画とかの主人公の席。
そして気になるのはやっぱり隣の席の人。
私はチラッと見た。つもりだったんだけど…。
心臓の音がだんだん、速く大きくなる。
少し長めの髪、長いまつげ、白い肌…
きれいなその横顔に…
私は一目惚れしてしまいました。
「…あんまり見られると照れるんだけど…?」
うわ。わたし、なに見とれてるの!?
「えっと…ごめん…?」
「なんで疑問なの。」
「ッ……!」
クスッと笑う彼を見て、またドキドキする私。
…単純。
「…じゃなくてさー、名前。教えてよ。俺は西野剣悟。お前は?」
「名前?私の?…唐沢詩織。あ、お隣よろしくね?」
「ふーん。じゃぁ…『しお』ってよんでいい?』
「…ん。わかった。じゃあ私は…剣悟…って呼ぶね。」
私は剣悟とメアド交換をした。
こうして私は『天使』と出会いました。
「おい、詩織!さっきの俺の新入生代表の話、聞いてた?」
この人は私の幼馴染の大沢蒼汰。
新入生でトップの成績だったらしく、新入生代表の話をしていた男。
何でか〈頭のいいバカ〉に育ってしまった人。
「え?あー、あれ聞いてたよ?超棒読みだったんだけど。」
あれ、なんか蒼汰がショック受けてる。
そこへあみがやってきた。
「詩織ー!その人だれ?もう彼氏作っちゃったの~?」
「そんなのじゃないよー。幼馴染の蒼汰。只今絶賛彼女募集中。」
「あぁ!?そんなわけ…」「へぇー、私も彼氏募集中!よかったら付き合ってねー!」
うわぁ…。
あみ、話割って入ってきた…。
こういう子は少し苦手かも…。
「じゃぁ蒼汰、高校でもよろしくね!」
「おう!」
自分の席に戻っている時、何か冷たい視線を感じて振り返った。
え?なんでよ。
あみが、私を睨み付けていた…。
私と目があったのに気づくと、さっきの優しいそれに戻した。
あみって…何を考えているのか分からない。
ちょっと怖いな。
「しお!どうした?春なんだしそんな難しい顔すんなよ。」
そういって、ニコッっと微笑む天使…じゃなくて、剣悟のおかげなのか
あみのことは忘れることができた。
今日は学校が早く終わったしまっすぐ家に帰って休もうと思って
私は一人でバス停に向かった。