堕悪魔の堕文屋《devil-69》 -13ページ目

堕悪魔の堕文屋《devil-69》

小説っぽいものを書いてみたりの堕ブログ


「和志、こいつに何された?」

「お前のソレ、こいつにされたんだろが!?」

俺は和志の包帯を見ながら、さっきボコリそこなっ少年を指さした。

「指差すんじゃねえよ!なんなんだよ!?ムカツク野郎だぜっ」

早くも変色し始めた左頬を拳で擦りながらも睨み返してきた。

「あのね将隆、その・・えーと・・」

「西脇さん、簡潔に説明お願いします」

誤魔化そうと口を開いた和志を遮った。どうせ相手が少年と言うところもあって、バカみたいに優しいこいつは嘘を言うのが分かっている。

「もう殴りつけたりは無しでお願いしますよ?これ以上は暴行罪になりますから」

これ以上はって、もう十分に暴行罪のレベルでは?と、思いはしたが顔には出さない。

さっきから感じていたが、西脇さんって謎な警察官だな・・・。

そんな俺の心を読んだように優しく微笑まれた。

「変わり者らしいんですよ、私は」

そう告げた後、本題を話しだした。






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遠くで自分の荒い息が聞こえる。右手が酷く痛いのはなんでだ?俺はなんで動けないんだ?

あやふやだった視界のピントが定まり記憶が戻る。

自分が何をしていたのか、否、しでかしてしまったのかに気付いた。

「まーちゃん!分かる?大丈夫!?」

「だ・・大丈夫だ」

「びっくりしたよ。こんなまーちゃん見たの久しぶりだなー」

俺の両手を握っている和志の腕には巻かれたばかりの真新しい包帯が。それと対比する紅く染まったシャツのコントラスト、怒りの元を思い出す。

自分を押さえつける力が増す。その時初めて西脇さん達に押さえつけられていることに気付いた。

「すいませんでした。今はしっかりしていますから」

驚きと警戒の色を浮かべた西脇さんと視線を合せしっかりした口調で返す。

「・・てめぇー、いきなり何しやがんだっ!!」

吹っ飛び倒れていた少年が鼻血を拭きながらも吼えた。

「なんだ案外丈夫なんだな?それとも俺の方が弱くなったのか?」

拳の痛み具合からはもっとボコボコになっていてもいいはずなんだが?床に転がっている椅子が答えをくれた。

「そうだよ、後半は椅子を相手にさせたんだぜ。でなきゃその子が死んじまうからな」

「本当にすごい勢いでしたよ、私達の止めるタイミングがはかれないほどでした」

本気か疑わしいほどのほほんとした口調で言われてもな・・・。






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