「将隆のケチ。いいですよ~、一人で遊びに行くもんね~」
俺も我儘を言ってるのはわかってるんだけどさ。
仕事辞めたら暇すぎなんだよな~。だからって今すぐにしたいと思うモノが見つかるかというと・・ないんだよな。
もーーっ!!考えるのは止め!取り敢えず飲みに行くことに決定。
って、出てきたはいいけど何処で飲むかな?
飲み屋街のギラギラした看板を見上げては見たものの、今の気分に合う店は無いみたいだ。
時々そでから掛けられる呼び込みを笑顔で躱し、流れに逆らうように俺の足は進んでいく。
通りも外れに近い少し寂しい路地の辺りから声がしたような?入る店すら見つからずにいた俺はつい、本当にちょっとした好奇心から覗いていた。
たぶん将隆なら絶対にこう言うだろう。
『そんなだからバカをみるんだ』
はい仰る通りです。そうやって問題を起こすたびに将隆に迷惑を掛けてますよ、バカな俺は。
だけど性格なんだよな~。好奇心のが将隆のお説教より俺の中では大きいんだ。
まぁ、将隆に怒られるの嫌じゃないし。そんなことあいつに言ったらシバかれるんだろな。
そんなことを思い出し、酔っぱらいでも居るのかと思って覗いた先に見えたのは、殴られそうな女性の姿だった!
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