やさしい 悪魔DEVI の INTO TEMPTATION Ver.A -10ページ目
宵闇せまる
水辺には
小さな命の息吹
美しい
青い羽も
長い嘴も
シルエットとなって
水面に移るのみ
さあ帰ろう
もう獲物を捕らえる
ための明りも
消え失せる
そこは
遠い過去との接点
小高い岩山に刻まれた
古の石窟に
鎮座する神仏の姿
今は静かに立たずみ
桜花を眺めているが
かつては
多くの人の信仰を集めたのか
それとも人知れず
隠れ神となって
土着の密教の
聖地であったのか
僕の心は
時を溯りはるかDNAの
記憶の奥へ
木立の中
舞い散る
山桜
甘酸っぱい芳香と
ちりばめられた
ハートのかけら
お日様も
西に傾く宵のころ
満開の桜のしたでは
宴が始まる
誰の魂を慰めるのか
この時ばかりと咲き誇る
桜の花は
人を魅了し
狂わせる
早めに灯った
行燈は
並木の向こうまで
続いている
まるで
黄泉に誘う様に
華のトンネルを
潜った先は
朱色の社
極楽浄土の香
八重の枝垂に咲く所
春
つい先日までは
去り際の嵐
冷たい空気は世界を再び
白く塗り替えていた
しかし
季節は過ぎゆく・・・
上空の寒気が緩むと
今度は激しい突風となって
乾いた大地を
吹き抜ける。
木々を叩く温風は
何時しか蕾を綻ばせ
森には恋の歌があふれ始める
黄色い粉を飛散させる木立に
隠れるように
美しい声を聴かせてくれる。
冬の終わり
吹き荒れる風は
空と地面から
白い結晶を巻き上げ
目前の視界を奪う
晴れていれば
純白の美しさに
見惚れる景色も
一度 荒ぶる姿を見せると
人など
地球に生かされた
ちっぽけな存在だと
気づく
地球は
その美しさで人を魅了し
油断すればすべてを奪う
恐れを知らないものは
本当の自然をどう思うだろう
気を抜けば
淘汰されるのは己であることを
・・・・

