金曜の夜だった
布団に入り正に眠りに入ろうとする瞬間、「もうだめだ!!」という強烈な思いに襲われた。
それは、広大な宇宙空間に一人浮かんでいて、周り中を膨大な数のゴミに覆われているような状態だった。
そのゴミは、不安だったり、心配だったり、恐れだったり、無念だったり、恨みだったり、ありとあらゆる未消化の感情であり、
ありとあらゆる未消化の思いだったりした。
それは、これまでの幾つもの人生で溜め込んでしまったもののようでもあり、同時に人類の集合意識に溜め込まれてしまったもののようにも感じた。
それが、一気に襲いかかってきた。
それは、ヘソの下辺りにあり、どうしようもなく圧倒されるようでもあった。
それは、感じようとか受け入れようとかいう次元を越えていた。
ただ圧倒され、寝返りを打ち横向きになり、丸くうずくまるしかなかった。
闇に呑み込まれ、なす統べなくうずくまっていた。
ただ、在ることしかできなかった。
そのまま長い時間が流れ、寝ているのか起きているのかも分からなかった。
眠るときは、雨戸を閉め、遮光のロールスクリーンを下ろしているので、夜が明けても室内は暗い。
ロールスクリーンの縁から入ってくる光で、夜が明けたことが分かっても、起き上がることができず、雨戸やロールスクリーンを開けることもできずうずくまっていた。
ただただ、闇に呑み込まれるままでいるしかできなかった。
やっと抜けることが出来たのは、日曜の朝のことだった。
それは、憑き物が落ちたかのように清々しいものだった。
同時に夢のようでもあった。
過ぎ去ったあと、何が変わった訳でもないが、何かが確実に変わったようだ。
目を開けていても閉じていても、内側に広大な闇がある。
それは、空、或いは無とも言えるかもしれない。
その広大な空間がいつも変わることなく内側に在る。
生きていると、不安だったり、焦りだったり、恐怖だったり、怒りだったり、いろんな感情がやって来る。
しかし、感じ方が全く変わってしまった。
なぜなら、内側には、変わることのない広大な空間が、広大な闇が在るからだ。
感情を感じなくなった訳ではなく、以前にも増してありありと感じる、
同時に無限の広がりも感じる。
だから、余計に充分に感じることができる。
それは、セッションでクライアントさんの感情やエネルギーを感じ、ヒーリングしている時も変わらない。
そう、何が起ころうとも大丈夫なのだ。
私たちは、この無限なる空からやって来て、この無限なる空へと帰っていくのだから。
そして、起こるすべてのことは、過去から自由になり、本来の自己へと戻るために起こるのだから。
そして、起こるすべてのことは、自分で作っているのだから。
そして、すべてはこの無限なる空から現れる自分なのだから。