SSS 小説を書く練習をするための部屋です
SSS = Short Short Story
ショートショートとは短編よりも短い小説
俺の高校時代の先生いわく
「長い文章を書くのはそこまで難しいことではない。短いものこそ、そこにいろいろと詰め込むのだから上手く書くのは難しい」
と俺に言った
それは事実であると俺は思う
長い文章というものが書くのが苦手だといえど
短い文章に簡潔にわかりやすく
効果を持たせ
効率的に
物語を書くというのは難しいことである
短いものだからこそ
流して読まれる
さっと目を通せる短さであるからしてそこから相手に伝えたいことを伝えるという
ショートショートという物語
それに少しずつ挑戦して行こうと俺は思う
一つ目のSSS 「胡蝶の夢」
SSS 「胡蝶の夢」
とても素敵な夢を見た。
それはそれはたくさんの色を使った、色彩豊かな水彩画。軽くぼやけて見えるくらいに朝もやに包まれ、澄み切った空気と晴天の朝。色彩豊かに朝露を転がす花畑の輝く花たち。その中を僕は蝶となってひらひらと舞う。長調のワルツを踊るように、ひらり、ひらりと無差別な曲線をゆっくりと描きながらゆっくりとゆったりとたまに少しだけ急いでみたり、風の音と葉から落ちる雫の音、他の虫たちが奏でる音楽を頼りに僕は舞う、一人で舞うのは寂しいが傍らにいるとてもきれいな黒いドレスを纏ったかのような蝶が一緒に舞ってくれている。
僕はただのアゲハチョウ、彼女はきれいなカラスアゲハ。
白の僕と黒の彼女。
白と黒の二つの点は、重なり合っては遠のいて、曲線を描きながら上昇する。それはまるで遺伝子図のような二重螺旋を作り出す。
何も考えず、何者にも邪魔されず。ゆっくりと流れる小さな者たちの優雅なひと時。
それはとても美しくて、とても素敵なひと時だった。
とても悲しい夢を見た。
それはそれは灰色に包まれたモノクロの映画。昔見た外国の映画のようなレンガ造りの町並みにひっそりと立つひとつのアパート。そのアパートの二階に僕は立っていた。木枠の窓から見える景色はとてもとても寂れていて、下には大きな街道があり、忙しなくたくさんの人が行きかう。レトロな自動車に乗ったジェントルマンや新聞を配る少年。花を買ってと籠を抱えた少女。煤けた服を着てとぼとぼと歩く老婆。いろいろな人がたくさんの人が入り乱れ、互いを無視し、ただそこにあるものとして関わることの無い世界。
僕は木枠の窓辺に置かれたオルゴールの人形だった。
気づくと一人の髪の長い可愛らしい女の子が近づいてきていた。服も顔も少し薄汚れているけれど、その瞳はとてもとても澄んだ蒼色をしていた。
彼女は僕を持ち上げると足元に付いているオルゴールの箱に自分で持ち歩いていたのだろうゼンマイを差してカチッカチッと静かにまわす。
一通り回し終わったのだろう、彼女は僕を元の位置においてその近くにある木の椅子に腰掛ける。
彼女はずっと僕を見ていた。ポロンッポロンッと鳴る音楽にあわせて僕は同じ軌道をくるくると回る。同じ動きを僕は繰り返す。それはまるでこの世界を表しているかのよう。ただひたすらに同じことを繰り返す。寝るということがゼンマイだとしたならば、この世界の人々はオルゴールの人形。世界という音楽にあわせて同じ軌道を同じ動きを繰り返す。他に干渉せず、干渉されず。壊れるまで続くオルゴール人形。
彼女はそれを飽きずにじっと見つめている。悲しそうな目で愁いをこめたその瞳で。
僕はひたすら踊り続ける新しい軌道も、新しい踊りも出来ないまま。彼女に新しい世界を見せることはついに出来なかった。
目が覚めると涙が一つ頬を伝う。
起きてしまったのならもう関係ないのに、夢なのだから関係ないのに。
ただ、気になったのはあのカラスアゲハとあの少女。
夢の話なのにどうしてこんなにも恋しいのだろう。悲しいのだろう。
それはきっとそこに僕がいたから。
今ここにいる僕は誰かの見ている夢なのかもしれない。
それこそ僕が夢で見た、アゲハチョウが見ている夢なのかもしれない。
それこそ僕が夢で見た、オルゴール人形が見ている夢なのかもしれない。
薄く光るカーテンの隙間から今日の朝日が差し込む。どうやら今日は晴れらしい。
今日の夜はどのような夢を僕は見るのだろうか。
After World's End ~道具は使う者によって、使い方によってその重要性がかわる~
生き物というものは必要にあわせて進化をする。
では人間はどうして二足歩行し、手を使うようになったのか。
上記の定義に沿うのであれば、人間という生き物は手を使う、つまり手によってなにかをしなければならない必要があったと考えられる。
手を使わなければならない事象とは何だったのであろうか。進化を始めた当初の状況は今の私達にはおおよそでしか理解すること、確認することが出来ない。
ただ、道具というものを作り、扱って来たことは今でも確かなことである。
道具と呼ばれるモノは人間の手によって生み出され、使用され、進化し、壊されていく。
ときに大量殺戮の兵器として、ときに無くてはならない必需品として。
人間がもし、人間に近い何かを作ったとしよう。そのとき人はそれを道具と扱うのか、人間と同じように扱うのか。
それはそのときにならない限り、わからないことである。
「とりあえず大丈夫か?ジャス」
「ん?問題ないが」
「さすがだな」
と、一応の無事の確認をして一息つく、勢いに任せたのが失敗だったかなぁ。さっきのメールの件はこれでうやむやになったろう。うん、きっと大丈夫だ。
「タイシ、携帯になんかのキャラクターが映ってたけどもっかい見せてもらっていいか?」
隊長の一言に俺は硬直する。
誤魔化し切れてなかった!!
俺はしぶしぶという様子を見せないように
「いや~、俺もなんか驚いて、つい投げちゃったから」
と別の方面でもう誤魔化すしかないな。
「驚いても投げはしないだろ」
「たしかにそうだな」
と、隊長につっこまれジャスに納得される。
「とりあえず見てみようぜ」
俺たち、ジャスも気になったのか俺の携帯に男三人群がって、画面を覗き込む。
携帯の中に居る、うちのパソコンの中の居候と目が会う。いや、合うというよりも向こうは真っ直ぐ前を向いてるだけ、俺たちはそれを真っ直ぐ見ているから必然的に目線が合うわけだ。
「もしもし……聞こえてる?……」
携帯の中の彼女が話しかけてくる。
「しゃべったぞ」
「すごいななんか」
隊長とジャスは興味深々でした。その一方で俺は謎の冷や汗が出て、このあとの展開をどうしようかと悩む。
1、知らない振りをする。2、みんなに紹介する。3、何事も無かったかのようにその場から逃げる。
出来れば1の案を採用したい。だが、それをやったならば家に帰った後が怖そうというか、今日の朝の警告音でグッドモーニング以上なことがおきそうで怖い。
「もしもし、聞こえてるよ」
ということで俺は何事も無かったかのようにメアリーらしきキャラクターに話しかける。うん、開き直りです。
「そう、ならいい……」
それだけですか!?ヤバイ、忘れてた。彼女が極端に言葉の数が少ないことに……。全くもってこの展開は予想していなかった。
「タイシ、これ何なんだろうな」
「いや、それがさ。最近うちのパソコンに住み着いてる人工知能?です」
「なぜ疑問系?」
「いや、俺もよくわからないんだよ。ただ、パソコンのOSまで勝手に書き換えちゃってそのままずっとって感じで」
「まじか、それにしてもここまでどうやってきたんだ?」
展開に頭が回っていなかったがそういえばウイルスで携帯の通信機能は使えないはず、なのにどうやってここまで来たんだ?
「ウイルス片付けてきた……」
「「……」」
「おぉすごいな」
俺と隊長はその発言に軽い戸惑いを隠せず、その一方でジャスだけが反応を返す。
「タイシ、早く帰ってこい……」
ほとんど命令口調なというか命令ですね。それで帰還せよということらしい。
「隊長悪いが詳しいことは今度話すわ」
「ん、了解」
「ジャスもさっきは悪かったな」
「いや、問題ない」
俺はとりあえず、メアリーさんには逆らえそうに無い。俺の家のパソコンが占領されてる(人質にされている)以上どうしようもないのだ。と、勝手に自己完結することにした。