発掘したぜ~前に書いた小説w短編です
昔書いた短編小説
「黎明(れいめい)の空、不器用な笑顔」
タマは弱っていた。だけど俺は何もしてやれない、見守ってやることだけしか出来ない。
やりきれない気持ちで蒼く澄みきった夜空を見ていた。そのとき廊下で物音がして、ドアをそっと開けてみる。するとそこにはタマがいて、ふらふらとそのやせ細った体で一歩一歩、小さいけれど確実に俺の目の前を横切っていく、タマは俺に気付いていない。俺はタマに気付かれないように後をついていった。
タマは姉が拾ってきた猫だ。俺はタマと遊んだりしたことがほとんど無い。いや、しなかった。別にタマが嫌いなわけじゃない。けど、絶対的な別れがあると知っていたから俺は、タマとの距離を置いた。
俺が世話をしなくても何も言われなかった。実を言うと俺も、姉のようにタマと遊んだり、寝たり、ご飯を食べたりしたかった。でもしなかった。
その理由は九年前、俺と姉の二人は親に内緒で、近くの神社にいた子猫を育てていた。今、思い返してみるとタマにそっくりな三毛猫だった。名前はミケ、安直な名前だと思う。ミケは神社に捨てられていた子猫だった。最初に見つけたのは、姉。俺は、姉が二人でこっそり飼おうと言ったとき、とてもわくわくしていた。家では動物を飼うことを禁止されてたから。俺達はミケのために、貯めていたお年玉やお小遣いを出しあったり、給食を残して持ち帰ったりして、毎日のご飯や必要なものを使った。友達の誘いを断って、俺達は毎日のようにミケと遊び、楽しい時間を過ごしていた。ミケとの楽しい時間は永遠に続くと小さい俺達は思っていた。そんなある日、ミケはいなくなった。今日みたいな清々しい、澄みきった空の日のことだった。
俺達は学校の帰り、いつものように神社へミケに会いに行った。けど、ミケの姿が見当たらなかった。いつもならすぐに足元にきて体をなすりつけるのに。他の生き物の気配すら感じないほどあたりは静まり返っていた。俺達はミケを探すために二手に分かれて探した。姉は町のほうへ、俺は神社の近くを……。俺が神社の近くを探していると地面に赤黒い小さな点が草むらのほうへと続いているのに気付いた。俺はその点を辿って草むらに入った。そこにいたのは今にも消えそうな息をする傷ついたミケがいた。俺は姉を呼びにいこうと思った。けど、ミケをこのまま、放ってはいけない。まだ小さかった俺は途方にくれ、ミケの命が消えていくのを泣きながら見ていることしか出来なかった。ミケの息が絶えてから少し経って、姉が泣いている俺の声を聞きつけて来た。俺は姉が俺以上に泣くと思っていた。俺から見てミケのことを一番大事にしていたのは姉だったから。でも、姉は泣かないで、笑顔で「ありがとう」と一言、ミケに言い。俺を慰めてくれた。姉は、優しくてとても強い人だと、あの頃の俺は思った。だから、姉の笑顔の顔に、一筋の涙がこぼれていたのを俺は忘れない。
俺は姉のような優しくて強い人間になりたかった。けど、あのときの姉のように俺はまだ、優しくも強くも無い。あの笑顔は、とても不器用な姉の精一杯のミケとのお別れだったのかもしれない。人によっては、不謹慎だ、死んだものに対して失礼だと言うかもしれない。でも俺は、姉のあの不器用な笑顔が一生懸命生きた一匹の猫への最高の贈り物だと感じた。
けど、姉の不器用さにいくら憧れても、俺は俺だ。姉のようにはなれなかった。だから、タマが拾われて家で飼うことになったとき、俺は最後まで、笑顔でタマを見守る自身が無かった。
俺は馬鹿だ。人は他人になどなれない、なら自分になればいい。そんなことにも気付かなかった。俺は俺のしたいようにタマと接していればよかった。今更後悔しても遅いのに、次から次へと考えてしまう。自分の情けなさに涙が出てくる。……ごめんなタマ。
タマ、最後まで俺がしっかりと見守ってやる。今からじゃ何もお前に残してやれないけれど、お前のことは俺がちゃんと覚えててやる。俺は涙をこらえそう決意した。それが、今までタマに何もしてやらなかった俺のできることだから。
タマを追って、家から出ようとしたとき、姉が俺とタマの事に気付いた。姉は何も言わず、寂しげな笑顔で俺とタマの後をついて行く。
気付くとミケとの思い出の詰まった神社に来ていた。タマは神社内の木陰で横たわった。俺達はゆっくりと近づく。そして、消えゆく小さな命を見届けた。それは澄みきった青白い光で満ちた夜明けのことだった。
タマが眠ったとき、姉はミケのときと同じ、綺麗な笑顔でこの夜明けの空のような澄んだ一筋の涙を流していた。
タマ、お前は幸せだったか?俺はお前に会えて幸せだった。何もしてやれなくてごめんな、本当に……。そう言って俺は泣いた。
最後の時は誰にも見られたくない。誰にも知られたくない。それは、僕の本能、そして望み。美樹ちゃんはきっと悲しむだろうから、僕のためにずっと泣いていてくれるだろうから、僕のために学校とかいうところに行かないで、そばにいてくれるだろうから。でも、僕は美樹ちゃんの涙を見たくない。だから、僕はこの道を歩く。誰にも見つからないように……。
これは僕のわがままなのかな。でも駄目だ。美樹ちゃんがいつものように笑っていてくれるように、僕の最後は見せられない。僕が帰らなかったらきっと、美樹ちゃんは心配するんだろうな。僕のことをすぐに忘れてくれるといいな。悲しいけど……だけどその方がいい。美樹ちゃんの涙は見たくないから。
この辺でいいかな。ここなら誰にも気付かれない、ゆっくりと眠れる。もう限界みたいだな。体がもう動かないや。目ももう見えなくなってきてる……。さよなら、大好きな美樹ちゃん……。
真っ暗だ。真っ暗……。ん?声が聞こえる。美樹ちゃんの声だ。そうか、これは僕の思い出だ。美樹ちゃんに出会った頃だ。捨てられてた僕を拾ってくれたんだっけ。あの頃は美樹ちゃんが怖くてよく引っかいてた。美樹ちゃんは僕と仲良くしたかっただけだったのにな。でも、美樹ちゃんは笑顔で僕に「怖くないよ」って優しくしてくれた。
それから一月が経って、だいぶお家にもなれてきた頃、美樹ちゃんのお部屋にこっそり忍び込んで、大切にしていたぬいぐるみを遊んでぼろぼろにしちゃったんだよな。あの時は美樹ちゃんがすごく泣いて、怒ってた。そんなに大事なものなんて知らなかったんだよ。ほんとに、ごめんなさい。
ぬいぐるみに僕がいたずらしたから、美樹ちゃんが学校とかいうところから帰ってくる途中で、猫じゃらしを買ってきてくれたんだっけ。あの時は嬉しかったし、楽しかった。僕のお気に入りって美樹ちゃんは気付いてくれて、いつも遊んでくれたよね。
……美樹ちゃんが泣いてる。あぁ僕が車に引かれたときだ。車っていっても自転車で、僕よりも相手の人のほうが大怪我してたんだよね。美樹ちゃんは僕のこと心配してそばから離れなかった。けど、包帯で動けないくらいぐるぐる巻きにするのはやりすぎだよ。でも、心配してくれてありがとう。
美樹ちゃんが怒ってる。何でだっけ?
そうか、僕がねずみを美樹ちゃんにあげたときだ。僕は、美樹ちゃんが喜んでくれると思ったのにな。おいしいのにもったいない。
今、思い返してみるとたくさんのことがあったんだな。悲しいこと、嬉しいこと、辛いこと、楽しいこと、本当にたくさんのことが。どんなときでも美樹ちゃんは、最後には必ず笑って、優しく僕を撫でてくれたっけ。僕はどんな豪華なご飯よりもどんなに楽しいおもちゃよりも、美樹ちゃんの笑顔が暖かい手が好きだった。
いたずらしてごめんね、意地悪してごめんね、噛んだりしてごめんね、心配かけてごめんね、これからも一緒にいてあげられなくてごめんね。そして、こんな僕でも、精一杯、愛してくれて、ありがとう。本当にありがとう、とっても嬉しかったよ。
もう、終わりか……。美樹ちゃんと思い出もっと作りたかったなぁ。
あぁ美樹ちゃんのにおいがする。空想じゃない、すぐそばにいる。でも、どうして。どうして僕の居場所がわかったの?もうすぐ夜が明けるよ。もしかしてずっと探してくれてたの?ごめんなさい心配かけたくなかったのに……。
美樹ちゃんごめんね、最後まで辛い思いさせて、でも、僕の願いは叶ったよ。
ありがとう。
あぁこれで本当に最後なんだ。最後まで笑顔でいてくれたね、僕はその笑顔が好きだった。その笑顔を忘れないで。最後までありがとう、美樹ちゃん。
おやすみ……。
タマがいなくって一ヶ月になる。今、どこにいるのか、何をしているのかもわからない。タマは、もうこの世界にはいない。私は見てしまったから知っている。お父さんやお母さんは誰かに拾われたんだろうと私を慰める。でも、私は彼の、タマの最後を見届けた。
だから、迷い猫として探さなかった。悲しくないわけない、とても辛いし一晩中泣きたかった。一晩じゃ足りないと思うくらい苦しかった。でも、タマと約束したから。約束といってもきっと一方通行の独り善がりな約束。何があっても、最後はいつものように笑顔で、優しく見届ける。タマは優しい子だからきっと私の泣いている姿を見たら安心して向こうへ逝けないから。
人は私のことをひどいやつだ、可笑しいやつだ、と思うかもしれない。けどタマは、私の笑顔が好きだったと思うから。私はタマに精一杯のありがとうの気持ちを込めて、最後には必ず笑顔で見送ると決めた。
タマは自分が死ぬとわかって、家から、私の元から、いなくなった。私に自分の最後を見せないように、どこかできっと生きていると思わせるように。そして、私の記憶からいなくなれるように。それがタマの、私への精一杯の感謝の気持ちだったと思う。きっと辛かったと思う。誰からも忘れられるように、自分から去っていくことは……。
タマは、本当は私に憶えていて欲しかったと思う。悲しい思い出も、嬉しい思い出も、辛い思い出も、楽しい思い出も、全部。
それはタマが生きていた証だから、私と一緒にいたという証だから。
私の勝手な考えでもいい。私はタマが好きだった、いや、今でも好き。だから、タマのことは絶対に忘れない。私がタマに、最後に笑顔を向けたとき、タマが安心した顔で眠ったから。これは私の思い違いじゃない、絶対に。
最後にもし、今タマに一言伝えられるなら、この言葉を伝えたい。
ありがとう。
タマが眠った時の空は、澄みきった夜明けの青白い光で満たされていた。
カバディで燃え尽きたTAKUです ぐはwヽ(≧ω≦ゞ)
はい、ということで「ON AIR!!生徒会」も二桁に入ってしまいました。
楽しんでもらえてるでしょうか?
まぁ俺自身、自己満足で書いてるって感じがあるので
つまらない言われても仕方ないですがw
俺の実験場ですね
文体とか読みやすさとか
表現とかの練習ですね、もうw
そんななかでみなさんに楽しんでもらえたら光栄です(*・ω・)*_ _))
今回、まあ第12話のことなんですが
ちょっとだけ異質ですね
ほとんど会話のみというw
こんな書き方もありなのかなぁなんて思いながら書いてましたが
いかがだったでしょうか
誰がしゃべっているかわからないとかがあったら
俺が未熟なためですw
キャラクターの特徴をはっきり出せたらいいんですけどね
いちいち名前出さなくてもいいから
そんなわけでこれからもよろしくお願いします。
(*・ω・)*_ _))
もうそろそろ、クリスマスネタ解禁ですかね(´・ω・`)ノ

