ON AIR!! 生徒会 ~番外編「クリスマス接近中 簡単ケーキの作り方だよ」~
皆さんこんばんわっ!
生徒会の給仕係、メイド長御堂さんの師匠ことタクミです。
今回はクリスマスが近づいてきたということで緊急番外編いってみたいと思います。
短編ですよ~。
ON AIR!! 生徒会 ~番外編「クリスマス接近中 簡単ケーキの作り方だよ」~
「これって明らかに職権乱用だよな」
俺はそうつぶやきながらもにやけた顔を元に戻せずにいた。現在、家庭科でよく利用する調理室に潜入もとい占拠中。ってそうじゃなかった貸切で借りていますです。はい。
「ということでタクミの簡単お菓子作り講座~。いえ~いっ!」
俺の声が誰も居ない調理室に響く。
……。
「むなしいぞっ!こんちくしょ~っ!」
……。
はははははっ。という楽しそうな声が聞こえてくる。そして調理室はシーンッとしている。
「さて、やるか」
俺は黒猫のアップリケがついたかわいい水色のエプロンをつけ、手を洗い準備をする。
「今回、俺が挑戦するのは炊飯器とホットケーキミックスで簡単チョコレートケーキか」
もう寂しさなんかにゃ負けないぞっ!一人でも続けてやる、ああ、続けてやるさ。
ということでまずは材料の準備からだな。
え~と、市販の板チョコを1/2枚とホットケーキミックスを200g、卵を1個 と砂糖大さじ2杯だな。
そんで牛乳を150ccっと。あとはオリーブ油大さじ3杯を準備。
とりあえず分量は量ったし後は作っていくだけだ。
「しかし、会長めっ。いきなりチョコレートケーキが食べたいとかわがまますぎるぞっ。そして砂畑とか瓶梨とかまで便乗しやがって。ちくしょ~」
と愚痴っているとどこからか殺気もとい視線がちくちくと刺さる。誰かが見てる?いや観察してる感じだ。
俺は精神を研ぎ澄まして相手と呼吸を合わせる。相手と同調し相手の思考を読み、推測する。
……。
「そこだっ!」
俺は視線を向けていたであろう相手が居るところめがけてボウルを投げる。
カーンッ。
「イタッ」
そこから出てきたのは……。
「御堂さんなにやってんの?」
「え、えっとですね~。師匠の技を~その~」
御堂さんは俺と目を合わせないようにきょろきょろしながら最後にはあきらめたように声を小さくして
「盗み見ようとしてました~」
御堂さん涙目。
「はあ、見たいなら見たいって先に言えよ。ちゃんと教えながらやるからさ」
「ほんとですか? 」
「ああ、だから大人しくしててな」
「はいっ」
「じゃあとりあえずそのボウル洗ってきれいに水気とっておいてな」
「了解ですっ!師匠っ!」
御堂さんはてとてととボウルを持って行き洗っている。
俺は軽く伸びをして気合を入れなおす。
「じゃあはじめるぞっ!」
「おお~っ!」
そうして俺と御堂さんの簡単チョコケーキ講座が始まった。
「まず最初にチョコケーキで重要なチョコを用意したいと思いますっ!」
「はいっ師匠っ!これはバレンタインチョコのときと同じように細かく刻んでから湯銭でいいのですか?」
「さすが御堂さんだね、そのとおりだよ」
「えへへ~。ほめられました」
「じゃあ湯銭は任せていいかな?」
「はい」
「じゃあその間に俺はホットケーキミックスで生地、スポンジの準備をするぞ~」
「ホットケーキミックスで作るんですか?」
「そのほうが簡単にふっくらできるんだよ。細かく丁寧にって言うのはなかなか大変だろ?それに俺はあんまりケーキとか作らないからこっちのほうが初心者向きなんだ」
「つまり、本格的なケーキ作りなら混ぜ方ひとつで大違いってことですか?」
「そうなんだよ、材料の混ぜ方や分量のちょっとしたミスが大きく響くから、今回みたいに急ぐ場合やちょっとしたお菓子作り感覚ならこっちのほうがいいよ」
「なるほどです」
「じゃあ、ボウルにホットケーキミックス、卵、砂糖、牛乳を入れて、ダマがなくなるまでしっかり混ぜるぞ~。ゆっくりと慌てずにきめが細かくなるように丁寧にやるんだ」
「ふむふむ」
「さて、こんな感じかな?チョコの準備はできた?」
「ばっちしです」
「お、いい感じに解けてるな。じゃあそのチョコレートをこっちに入れちゃっていいよ。ただしそーっとこぼさないようにな」
「はいっ!」
「湯煎したチョコをいれたらまたよく混ぜるぞ~」
「チョコと生地をしっかりと絡ませるんですね」
「そうそう」
「じゃあ、私はオーブンの準備を~」
「っと、ちょっと待った、御堂さん炊飯ジャー持ってきてもらえる?」
「へ?ご飯でも炊くんですか?」
「違う違う。炊飯器で作るんだよ」
「だからご飯を?」
「ケーキをだよっ!炊飯ジャーって温度調整とか自動でしてくれるから実際のところ、使い方によってはパンだって作れるんだよ」
「へえ~そうなんですか~。じゃあ持ってきますね」
「じゃあ俺は、できた生地にオリーブオイルをいれて混ぜてっと」
「持ってきましたよ~」
「ほいほ~い。じゃあ炊飯ジャーに生地を流し込むぞ~」
「このまま入れて大丈夫なんですか?」
「心配ならサラダ油を軽くクッキングペーパーにしみこませて、内釜をコーティングしておくといいよ」
「ふむふむ」
「じゃあ流し込むな」
「それでこの後どうするんですか?」
「炊飯器を普通炊きに設定して、待つだけ~」
「それだけなのですか?」
「うん、あとはそうだね~チョコクリームでも用意しておいてできたら軽くデコレートすればOKだね」
「さすが師匠です」
ピーッピーッ。
炊飯器ができたよーの合図を俺たちに送る。
「さて、どうかな~」
「どきどきです」
炊飯器のふたを開ける。
「なかなかふっくらできてるね~」
「じゃあ早速お皿に~」
「はいストップ、その前にこの竹串をザクリとさして、そっと引き抜く。うん、生地が付いてないから大丈夫だね」
「もし、付いてたらどうするんですか?」
「もっかい普通炊きすればOKだよ」
「なるほど~」
「じゃあお皿にうつして、デコレーションをしてっと」
「おぉ~っ!」
『出来上がり~っ!』
「本当に簡単でしたね」
「うん、初心者でも簡単にできるから安心だね。特にオーブンを使うとスポンジが焦げちゃったりうまく膨らまないってことあるからね」
「そうですね~いや~本当に師匠はすごいです」
「じゃあ少し冷ましたら持って行こうか」
「そうですね」
この後、俺たちは簡単チョコレートケーキを生徒会の皆で分けて食べたところ、人数が多いため一人分の取り分が少なく物足りないと言われ、何回も調理室と生徒会室を往復していた。
途中で関係のない人や先生が混じっていたのは気のせいだろうか、気のせいだと思いたい。
まあ、皆おいしそうに食べてくれたからよしとしよう。
ただ、ケーキの材料が生徒会の会費で落ちなかったのだけが心残りだった。
ON AIR!!生徒会 ~第13話「名探偵あっきーが行く 電車男の怪 その5」~
俺と本多は会長のほうを見て次の言葉を待つ。
「ジョリー斉藤さんは確か兼部していたわよね?」
「そうなの?」
「わたしも初耳ですよ」
「え~と、確か~、ひたすらに走る会じゃなくって。仮面をつけて走る会でもなくて~」
会長は頭をひねりながらいろんな言葉を羅列させて考えている。
俺はさっき見ていた部活の欄を思い出していってみることにした。
「電車をひたすら追いかける会のこと?」
「あ~それそれ、なんだかわからないけどそんな感じのに入っていたわね」
「うちの学校って変な部活多いですからね~」
「そもそも、何でそんな物騒な部活が認められているんだろうな」
「そうよね」
俺たちは現状の部活について実態をよく知らないのを痛感した。
「今度一斉審査しましょうか」
「部費が無駄になってるところもありそうだしな」
「そうですね」
「とりあえず電車をひたすら追いかける会の部室に行きましょうか」
「それも俺が調べるの?」
「もちろん」
「ワトソンタクミ君、後は頼みましたよっ」
その日俺は生徒会室に残って検索作業をする羽目になった。
そして翌日。
「会長、見つかりましたよ」
「やっぱり仕事速いわね」
「面倒くさいし、さっさと解決しないと厄介ですからね」
「ちなみに今日は部員は集まるのかしら?」
「そのようですよ、今日は週一の定期集会みたいだから」
「じゃあ行きましょうか」
俺と会長は目的地に向かう。
目的地は部室棟の奥の奥にある隅っこの部屋。そこはまるで倉庫のような状態になっていてちょっとだけ埃っぽく不気味な雰囲気だった。
コンコンッ。
『はい、どなたでしょうか?鍵ならあいてますよ』
ノックをすると普通に返事が返ってくる。
俺たちは
「失礼しま~す」
「失礼するわね、生徒会よ」
中に入る。
部室に居るのは一人だけだった。スポーツマンとは思えない細身の男が一眼カメラを磨いている最中のようだ。
「せ、生徒会の方が何の用でしょうか?」
「いえ、特にこれといって通達することはないよ、ただ聞きたいことがあってね」
俺はやわらかい笑みを作り雰囲気の緩和を心がける。
「単刀直入に聞くわね。ここの部員はあなただけなの?」
会長は相変わらず容赦がなかった。
「い、いえ。今日は皆用事があるとかで僕だけがここに居ます。えとほかに部員が4人居ますよ」
挙動不審な感じで部員の人がそう言った。
「あなたが今の部長さんかしら?」
「はい、そうですけど……」
「ここの部員に斉藤走太って居るわよね」
「はい、今年でもう退部となりますが居ますよ」
「ここの活動はどのような活動なの?電車をひたすら追いかける会ってあるけれど、本当に追いかけるわけではないわよね」
「追いかけるといえば、一応追いかけますが僕たちの活動はこれが基本ですよ」
そういって電車をひたすら追いかける会の部長さんは手入れをしていた一眼のカメラを軽く持ち上げる。
「なるほど、そういう追いかけるか」
「そう、ならいいわ。これからもいい写真取れるようがんばってね」
「は、はいっ!」
俺たちは部室から出ようと後ろを向いた時、部長さんは
「あ、でも斉藤君はどうも勘違いしていたみたいですよ」
「へ?」
「それはどういうこと?」
「電車をひたすら追いかける会とありますが、実際に追いかけるわけではなく追っかけのファンとして電車の写真を撮るのが僕たちの部の活動なのですが、斉藤君はどうも本気で追いかけるのだと勘違いしている節がありまして……」
「それで注意はしたの?」
「そりゃもちろんしましたよ。でもぜんぜん人の話聞いてないんですよね」
部長さんはため息をついていた。
「たっくん」
「なんですか?」
「とりあえず貴重な証言を得られたから報告に行きましょう」
「めんどくさいから先生方に任せましょうか?」
「そうねそれがいいわ」
俺と会長は部長さんが哀れに思えたと同時にこの事件への面白みを感じなくなっていた。
ということで教職員の方に事情を説明し処分は丸投げ。部活のほうは全く危険性のない健全なものだったと報告しておく。
そんでもって生徒会室。
「なんかすっきりしないな~」
「そうね~」
俺と会長はもう何もやる気がしない。
「もっと裏のある事件だったら面白いのに、これじゃ全然盛り上がらないじゃない」
「まあ事件が起こる、うんぬんは賛成しかねるけどこれじゃねぇ」
「「はぁ……」」
事件自体ぐだぐだなもので俺たちは机の上に頬をつけてぐだーっとする。
…………。
すると昨日のように外で何か音がした気がする。
……。
かすかに地面が揺れている気も。
ああ、このだんだん近づいてくる足音は。
どどどどどどどどどどどっ。ばんっ!
またか。
「先生っ!この謎を解くの手伝ってくださいっ!」
「またドラマの影響受けてるわね」
「今度のは結構前の学者の人のやつか」
「お願いしますっ!」
俺と会長は息をスーッと吸い込んで
『お断りだっ!!!!』
もうぐだぐだな結果にしかならない本多の事件。俺たちは関わらないようにしようと心に誓った。
