
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』
この映画を映画館で見ていたとき、私の隣でホットドッグセットを豪快に食した大柄の女性、ここまでくれば、気持ちがいい。
真希波・マリ・イラストリアス、恋慕。
上映終了直後、「あのままアスカが死んでたら暴れる所だったよ」と友人に言い放った青年、せめて映画館を出てから言ってくれ。小寒。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』上映室は満席。しかも、キャラの坩堝であった。
映画自体も素敵であった。特に、残酷なシーンで可愛い音楽(「翼をください」や「今日の日はさようなら」などが流れる。それは、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』や、『時計じかけのオレンジ』の名シーンを彷彿とさせる「恋するシーン」であった。
次の日、私はサントラを買いに行った。
そんな「とびっきりのシーン」に思いをはせるべく、サウンドトラックを聞こうとしていたちょうどそのときである。一番聞きたかった「翼をください」がキッチンから聞こえてきたのだ。
至って控えめで、天然キャラなのにも関わらず、去年からママさんコーラスを始めた母親でだった。
まさに、「お前が歌うんかい!」である。
当映画に関係ないが、母親は歌い終わった直後、唐突に昨日見た福田沙紀主演ドラマ『メイド刑事』の面白さを必死に伝えようとしてきたのだ。そこで私は、「正直に教えて、ああいうメイドの格好ってしてみたい?」と問うてみた。
すると母親は。
「うん、してみたい」
「あ、やっぱりね。してみたいよね」と私。
この親子に幸あれ!

『小三治』
敬愛する柳家小三治師匠を3年半をかけて追ったドキュメンタリー映画。この映画は、何度も見なければいけない。何度もだ。とにかく、学ぶべきことが多すぎて一度ではカバーしきれない。小三治師匠はもちろんのこと、共演されていた入船亭扇橋師匠の佇まいにも惚れる。また、小三治・扇橋両師匠の落語が聞きたくなった。
次の日、私はサントラを買いに行った。
なかった。
そこで、市販されている小三治師匠のCD及びDVDは全て見ているため、入船亭扇橋師匠の落語が拝見できる『日本の話芸 特選集 落語編』を入手し、堪能した。
そういえば、いまだに第一回公演しか打てていないのだが、愛弟子と劇団「ヒルバラ」というものを結成している。この劇団の第二回公演『コウモリのいけにえ タコの沼』は、上演を予定していた小屋が閉鎖することとなり、未公演に終わった。実は、その台本の中で私は、宗教法人「蝙蝠会」の教祖として落語をするシーンを入れていた。出囃子は、メロディック・デス・メタル。内容は、預言者となる過程や教えを落語で説いていく。つまり、聖典を落語でやるというものであった。本編が上演できていないのに、スピンオフでやってみたい。いや、だめである。何せ私には、『自動筆記サネトミ』(当web連載先月号参照)をもう少し掘り下げる使命がある。

『みうらじゅんDS Vol.1~Vol.6』
みうらじゅんさん御自身が当DVDにおいて言われていたことであるが、みうらさんの一般的な認識のされ方というのは、「たまに『タモリ倶楽部』に出ている人」であるのかもしれない。しかし、氏は日本が生んだ“サブカルキング”であり、このDVDは氏が、中学高校時代に発表した詩や漫画を紹介しながら、みうらさん御自身がこだわる「どうかしているもの」(「DS」)について徹底的に研究していくバラエティー番組を収録したものである。
私も、何度か「みうらじゅん大物産展」にて、その作品群の一部を拝見することはできたが、こんなに細部まで味わうことはできなかった。
エンディング曲には、氏が中高時代に製作・録音した曲が使用してある。
次の日、もちろん私はサントラを買いに行った。
なかった。
思い返せば、私が90年代後半から2000年初頭にかけて活動していたバンド「人体電影箱(ジンタイテレヴィ)」(後のGIN-TIE)において、みうらじゅんさんが喜国雅彦さんとともにされていたバンド「大島渚」の代表曲「カリフォルニアの青いバカ」をカバーしていたことを思い出した。そして、そのカバーしていたときの映像を先日偶然にも見つけてしまったのだ。このDVDのように、発表することはできないので、そっとしまっておいた。みうらさんの偉大さが改めて身にしみた。

『松尾スズキpresents 美しい男性!「白男性」「赤男性」「青男性」「黒男性」』
「本当に美しい男性とは何か」を松尾スズキが徹底的に追求し、ドラマ・コント・歌・ダンスなどが繰り広げられる番組のDVD。全4巻。魔夜峰央的な雰囲気もある。その雰囲気は、前項の『みうらじゅんDS』においても、みうらさんの男子校話でも語られている。そういった雰囲気だ。
ふと気づいたのであるが、DVDの中でバックダンサーをされている女性は、劇団「Highleg jesus」(2002年解散)におられた方だ。なぜ、気付いたかというと、私は大阪在住時代にたまたま観劇に行っていただ。そこで、なぜか私は、前の方の席に座ってしまったのである。そこしか、空いていなかったのだ。当時、過激な舞台で「ネオ演芸」と呼ばれていた「Highleg jesus」。どうなったのかというと、いきなり俳優たちが納豆を武器に全裸でプロレスをはじめたのである。完全なる全裸である。そして、俳優たちの放った納豆の一粒が、私のニット帽にちょこんとのっかったのである。そう、ちょこんと。忘れられない思い出。しかし、どんな劇団なのだろうか。無残な感じになってしまった私であったが、実はその日に実家の広島に帰省する予定であった。したがって、納豆の臭いがとれないニット帽とともに新幹線に乗り込んだのであった。めでたし、めでたし。忘れられない思い出。
話が脱線してしまったが、オープニング曲がまたとても心地のよい名曲であったのだ。
次の日、やっぱり私はサントラを買いに行った。
なかった。
それでは、『美しい男性』のオープニング曲を聞きながら、今月はお別れしよう。


