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デス師匠のweb連載Season3。毎月1日更新。コラム、レビュー、レポート、詩、ショートショート、日記など。増刊号、号外、休刊あり。

 先月の続きである。『私は見た!謎と怪奇の世界 ザ・宇宙人』!


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 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

 この映画を映画館で見ていたとき、私の隣でホットドッグセットを豪快に食した大柄の女性、ここまでくれば、気持ちがいい。
 真希波・マリ・イラストリアス、恋慕。
 上映終了直後、「あのままアスカが死んでたら暴れる所だったよ」と友人に言い放った青年、せめて映画館を出てから言ってくれ。小寒。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』上映室は満席。しかも、キャラの坩堝であった。 
 映画自体も素敵であった。特に、残酷なシーンで可愛い音楽(「翼をください」や「今日の日はさようなら」などが流れる。それは、スタンリー・キューブリック監督の『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』や、『時計じかけのオレンジ』の名シーンを彷彿とさせる「恋するシーン」であった。
 
 次の日、私はサントラを買いに行った。

 そんな「とびっきりのシーン」に思いをはせるべく、サウンドトラックを聞こうとしていたちょうどそのときである。一番聞きたかった「翼をください」がキッチンから聞こえてきたのだ。
 至って控えめで、天然キャラなのにも関わらず、去年からママさんコーラスを始めた母親でだった。
 まさに、「お前が歌うんかい!」である。
 当映画に関係ないが、母親は歌い終わった直後、唐突に昨日見た福田沙紀主演ドラマ『メイド刑事』の面白さを必死に伝えようとしてきたのだ。そこで私は、「正直に教えて、ああいうメイドの格好ってしてみたい?」と問うてみた。
 すると母親は。
 「うん、してみたい」
 「あ、やっぱりね。してみたいよね」と私。

 この親子に幸あれ!

 
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 『小三治』

  敬愛する柳家小三治師匠を3年半をかけて追ったドキュメンタリー映画。この映画は、何度も見なければいけない。何度もだ。とにかく、学ぶべきことが多すぎて一度ではカバーしきれない。小三治師匠はもちろんのこと、共演されていた入船亭扇橋師匠の佇まいにも惚れる。また、小三治・扇橋両師匠の落語が聞きたくなった。

 次の日、私はサントラを買いに行った。

 なかった。

 そこで、市販されている小三治師匠のCD及びDVDは全て見ているため、入船亭扇橋師匠の落語が拝見できる『日本の話芸 特選集 落語編』を入手し、堪能した。
 そういえば、いまだに第一回公演しか打てていないのだが、愛弟子と劇団「ヒルバラ」というものを結成している。この劇団の第二回公演『コウモリのいけにえ タコの沼』は、上演を予定していた小屋が閉鎖することとなり、未公演に終わった。実は、その台本の中で私は、宗教法人「蝙蝠会」の教祖として落語をするシーンを入れていた。出囃子は、メロディック・デス・メタル。内容は、預言者となる過程や教えを落語で説いていく。つまり、聖典を落語でやるというものであった。本編が上演できていないのに、スピンオフでやってみたい。いや、だめである。何せ私には、『自動筆記サネトミ』(当web連載先月号参照)をもう少し掘り下げる使命がある。


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 『みうらじゅんDS Vol.1~Vol.6』

 みうらじゅんさん御自身が当DVDにおいて言われていたことであるが、みうらさんの一般的な認識のされ方というのは、「たまに『タモリ倶楽部』に出ている人」であるのかもしれない。しかし、氏は日本が生んだ“サブカルキング”であり、このDVDは氏が、中学高校時代に発表した詩や漫画を紹介しながら、みうらさん御自身がこだわる「どうかしているもの」(「DS」)について徹底的に研究していくバラエティー番組を収録したものである。
 私も、何度か「みうらじゅん大物産展」にて、その作品群の一部を拝見することはできたが、こんなに細部まで味わうことはできなかった。
 エンディング曲には、氏が中高時代に製作・録音した曲が使用してある。

 次の日、もちろん私はサントラを買いに行った。
 
 なかった。
 
 思い返せば、私が90年代後半から2000年初頭にかけて活動していたバンド「人体電影箱(ジンタイテレヴィ)」(後のGIN-TIE)において、みうらじゅんさんが喜国雅彦さんとともにされていたバンド「大島渚」の代表曲「カリフォルニアの青いバカ」をカバーしていたことを思い出した。そして、そのカバーしていたときの映像を先日偶然にも見つけてしまったのだ。このDVDのように、発表することはできないので、そっとしまっておいた。みうらさんの偉大さが改めて身にしみた。


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 『松尾スズキpresents 美しい男性!「白男性」「赤男性」「青男性」「黒男性」』
 
 「本当に美しい男性とは何か」を松尾スズキが徹底的に追求し、ドラマ・コント・歌・ダンスなどが繰り広げられる番組のDVD。全4巻。魔夜峰央的な雰囲気もある。その雰囲気は、前項の『みうらじゅんDS』においても、みうらさんの男子校話でも語られている。そういった雰囲気だ。
 ふと気づいたのであるが、DVDの中でバックダンサーをされている女性は、劇団「Highleg jesus」(2002年解散)におられた方だ。なぜ、気付いたかというと、私は大阪在住時代にたまたま観劇に行っていただ。そこで、なぜか私は、前の方の席に座ってしまったのである。そこしか、空いていなかったのだ。当時、過激な舞台で「ネオ演芸」と呼ばれていた「Highleg jesus」。どうなったのかというと、いきなり俳優たちが納豆を武器に全裸でプロレスをはじめたのである。完全なる全裸である。そして、俳優たちの放った納豆の一粒が、私のニット帽にちょこんとのっかったのである。そう、ちょこんと。忘れられない思い出。しかし、どんな劇団なのだろうか。無残な感じになってしまった私であったが、実はその日に実家の広島に帰省する予定であった。したがって、納豆の臭いがとれないニット帽とともに新幹線に乗り込んだのであった。めでたし、めでたし。忘れられない思い出。
 話が脱線してしまったが、オープニング曲がまたとても心地のよい名曲であったのだ。

 次の日、やっぱり私はサントラを買いに行った。
 
なかった。

 それでは、『美しい男性』のオープニング曲を聞きながら、今月はお別れしよう。


 今回は、5ヶ月ぶりとなるレビュー・コラム『見る技術 vol.4』なのであるが、もはや映画だけでなく、参加したイベントの感想までも飛び出している。
 どうしたんだ Hey Hey Baby。
 いや、どうしたもこうしたもない。面白いものを見ることに境界を設けてはいけないのである。
 見えないものを見ようとする誤解 全て誤解だ。 
 では、こうしてはどうか。タイトルを変えようではないか。『見る技術』改め。
 『見て見ぬふりを一旦しておいて、後から弄る技術』
 私が好きな手法である。もしくは、こういうのはどうだろうか。
 『見て見ぬふりをされたことを、後からネタにする技術』
 これも、よくやる手法である。
 もう、いっそのこと、『見ない主義』というのはどうだろうか。
 OLは言う。
 「私、ドラマは役者で選ばない主義だから」
 うん。もう「うん」としか言えないことになる。
 もしくは、こうも言う。
 「私、付き合わないとしないタイプだから」

 俺たちに明日はない。


 閑話休題。

 それでは、いってみましょう。

 『面白いものを見たい派宣言』!


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 ⓒサカノヨシヒコ 

 『G-5グランプリ~Summersonic~』

 私の主宰するアート集団『NOW-KOW』主催のネタ見せイベント『Gシリーズ』。このイベントは、自分たちの笑いのスキル向上を図る定期的なイベントとして2007年から始まった。その5回目となる『G-5グランプリ~Summersonic~』が先月の28日に開催された。
 今回の出場者は、『ガスバーナーズ』、『ヤッターマンズ』、『ワニ消しゴム』、『篁(たかむら)』というNOW-KOWの四天王に、ピン芸人として今回参加することを宣言していた私、デスこと『屍太郎』を加えた5組で争われた。そして審査委員長には、ひとり有毒雑技団こと『MOTOKO嬢』がかけつけてくれたのである。あの「天丼、カツ丼大嫌い」で有名なMOTOKO嬢である。ありがとう、MOTOKO嬢。
 前回と比べて出場組数は減少したが、内容は血で血を洗う壮絶な攻防戦となった。熟練された「かけひき」で魅せる『ガスバーナーズ』、独自のコントを確立した『ヤッターマンズ』、ベタとシュールの止揚を目指す『ワニ消しゴム』、カッコイイ時事漫才のパイオニア『篁』。どれもレベルは確実に上がっていた。
 総括として、今後彼らに必要なものは、次の三つである。
 「発声」、「テンポ」、「ネタの成立性」。
 もう、それぞれが舞台やショーレースに出られるレベルを次は求めたい。センスは十分。後は雰囲気や表現力を飛躍的に向上させるために、とにかく舞台に立つことが大切である。
 ちなみに、お笑いルシフェル『屍太郎』であるが、『自動筆記サネトミ』という新キャラを用意して挑んだ。昨今のショートネタブームへのアンチテーゼとして、瞬間的には分かりにくいピン芸を体現したかったのだ。実演してみて一つだけ言えること、それはこれだ。
 「私、当分の間、このキャラでいきます」 
 ピン芸は苦手としてきたが、少しだけ続けて挑戦してみたい。 


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 『少年メリケンサック』

 この映画は、何といっても田口トモロヲ氏である。トモロヲさんの抑えた演技。これにつきる。何せ、トモロヲさんは実際に80年代ジャパニーズ・パンクを牽引した張本人であるからだ。もしも、海外で『少年ビョウ付きリストバンド』というメタル映画が製作されたとしたら、ボーカルの役をロブ・ハルフォードが演じるようなものだ。「ザ・御本人!」である。
 映画には、さらに遠藤ミチロウさんなどのパンク・ゴッドたちがカメオ出演しているのである。町田康さんや「あぶらだこ」の面々なども出てほしかったというと贅沢すぎるか。『少年ビョウ付きリストバンド』でいうならば、オジー・オズボーンとイングヴェイ・マルムスティーンとクリス・インペリテリがカメオ出演しているようなものだ。立ち飲み屋の店長とかで。
 宮藤官九郎監督の前作『真夜中の弥次さん喜多さん』でも、監督自身が「露天風呂で笑い屋のおばちゃんを煽るAD」役として、松尾スズキ氏が「ヒゲのおいらん」として出演していと所が突出して面白かった。故に、今回も二人にも中盤に出演してほしかったといった思いはある。
 ただ、劇中歌は素晴らしい、何と言っても、田辺誠一演じるTELYAが歌う「アンドロメダおまえ」だ。歌っているのは、 作曲者でもある向井秀徳氏である。どうしても、フルで聞きたい。そんな気持ちに苛まれた。どうしてもだ。

 次の日、私はサントラを買いに行った。

 ちょっとだけ、聞いてもらおう。



 DVDには宮藤官九郎・木村祐一・田口トモロヲ・三宅弘城によるオーディオコメンタリーが収録されているのであるが、途中で登場する架空のバンド『GOA』に対して三宅さんが「こんなバンド多いですよね」と言って皆さんの賛同を得ておられたが、確かにそうだなと思う。このようなバンドを下北系と言うのであろうか。渋谷系ではないことだけは確かだ。では、高円寺系はあるのか。御茶ノ水系は。銀座系。何だか怪しい銀座系。銀座系第三帝国軍。

 今月は、何だか長くなってしまった。まだ、数作品のレビューが残っている。
 来月につづく!
 「周りを見渡しても、何だか笑いの質が合う人がいない」と諦めてはいけない。日本を含め、この地球には様々な面白人物が存在する。それは、希少でありながらも確実に存在するのだ。この「デス・シショウ『世界人物辞典』(濃厚出版社)」では、数々の才気溢れる人物や、私が単に知ってほしい人物を紹介していこうと思う。
 今回、紹介するのは、この人物だ。
 「アンジェラ・ゴソウ Angela Nathalie Gossow 1974年~ 」
 
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 この綺麗なお姉さんは、誰だろう。聞きなれない読者も多いことと思うが、何を隠そう彼女こそが、世界的に有名なスウェーデンのメロディック・デスメタルバンド「アーク・エネミー」のヴォーカルなのである。バンドに関しては、激しいドラムに強靭なギターリフ、叙情的なリード及びツインギターのハーモニー。さらに、テンポ・チェンジの曲を多産する単なる爆音ではなく、テクニックに裏打ちされた轟音を響かせる。一言でいうと、「心地良い音楽」を奏でるバンドである。そして、その上に凶悪なデスヴォイスがのっかる。デスヴォイスは、よく喉を痛めてしまうヴォーカリストが多い中、ヴォーカルのアンジェラは、ほぼ完璧なデスヴォイスやスクリームをキープしている。とにかく、聞いていただくと分かると思う。数々の名曲があるが、メタルの伝道者「キャプテン和田」こと和田誠氏監修によるコンピレーション・アルバム『CAPTAIN WADA’S ROCK DRIVE~ドラマティック・メタル・スーパー・エディション』にも収録されている『Ravenous』は、最高峰といえるのではないだろうか。まずは、お聞きいただきたい『Ravenous(OFFICIAL Live DVD Video)』。



 この動画は、愛弟子・サカノ&カシス組と観戦して、盛り上がったのだが、彼女はどうしてこうなってしまったのだろうか。知り合った人で、「あ、この人、面白いぞ」と思った人には、まず生い立ちや歴史から聞いていく性分の私は、アンジェラが何を経験してこうなってしまったのかが気になって仕方がなくなったのだ。 
 例えば、「マンソン先生」ことマリリン・マンソンのブライアン・ヒュー・ワーナー先輩は、自伝『地獄からの帰還』にてその生い立ちを垣間見ることができるが、アンジェラはどうなのだ。フリー百科事典『ウィキペディア』には彼女のことがこう記してある。
 「ドイツ・ケルン出身のデスメタル系ボーカリスト。2001年からアーク・エネミーのボーカルとして活動している。ベジタリアン。左上腕部に"虎"の漢字の刺青がある。このジャンルの女性シンガーのパイオニア的存在。デスメタル界のマドンナ的存在である。左利き。」
 なるほど、ベジタリアンなのね。納得している場合ではない。ベジタリアンと「虎」の刺青は、完全に矛盾していないかい。アンジェラ姉さん。
 さらに、幼児期の記述に震撼した。
 「幼い頃は今では想像も出来ないほど大人しく、母親がキリスト信者であった為、自分がメタルを聞いていることは当初明かす事が出来ず、またこの事が母親に知られてからは、「あなたは私の子供じゃない」とまで言われたともいう。」
 それは、言われる。それは言われるよ。いつ知られたのだろうか。おそらくゴソウ家は、キリスト教だから、ミッション系の学校に行かされていた可能性が高いと推測することができる。ということは、制服の下には「メタルTシャツ」もしくは「オカルトTシャツ」を着込み、通学していたかもしれない。文化祭は、地獄と化したのか。それとも、学園内ではいたって大人しくしていたとも考えられる。んー、気になる。私も、同じような「デスとポップの狭間」で苦悩・苦慮することが多々ある。しかしながら、それは所謂「緊張と緩和」という笑いの基本的手法で昇華できるのだ。アンジェラ・ゴソウに是非、自伝を執筆してほしいものだ。
 
 私を困惑させる全ての間違った弄りたちよ。地球を見ろ。微塵も面白くない大気に覆われてしまっているこの地球には、極上のダイヤモンドの原石が埋まっているのだ。

 「汝自身を知れ。神をあれこれ詮索するようなことはよせ。
     人類にふさわしい研究対象は人間である。」by ホープ・アレック・ダーウェント

 人物辞典は、つづく。