世界人物辞典①アンジェラ・ゴソウ | black kairitu

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デス師匠のweb連載Season3。毎月1日更新。コラム、レビュー、レポート、詩、ショートショート、日記など。増刊号、号外、休刊あり。

 「周りを見渡しても、何だか笑いの質が合う人がいない」と諦めてはいけない。日本を含め、この地球には様々な面白人物が存在する。それは、希少でありながらも確実に存在するのだ。この「デス・シショウ『世界人物辞典』(濃厚出版社)」では、数々の才気溢れる人物や、私が単に知ってほしい人物を紹介していこうと思う。
 今回、紹介するのは、この人物だ。
 「アンジェラ・ゴソウ Angela Nathalie Gossow 1974年~ 」
 
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 この綺麗なお姉さんは、誰だろう。聞きなれない読者も多いことと思うが、何を隠そう彼女こそが、世界的に有名なスウェーデンのメロディック・デスメタルバンド「アーク・エネミー」のヴォーカルなのである。バンドに関しては、激しいドラムに強靭なギターリフ、叙情的なリード及びツインギターのハーモニー。さらに、テンポ・チェンジの曲を多産する単なる爆音ではなく、テクニックに裏打ちされた轟音を響かせる。一言でいうと、「心地良い音楽」を奏でるバンドである。そして、その上に凶悪なデスヴォイスがのっかる。デスヴォイスは、よく喉を痛めてしまうヴォーカリストが多い中、ヴォーカルのアンジェラは、ほぼ完璧なデスヴォイスやスクリームをキープしている。とにかく、聞いていただくと分かると思う。数々の名曲があるが、メタルの伝道者「キャプテン和田」こと和田誠氏監修によるコンピレーション・アルバム『CAPTAIN WADA’S ROCK DRIVE~ドラマティック・メタル・スーパー・エディション』にも収録されている『Ravenous』は、最高峰といえるのではないだろうか。まずは、お聞きいただきたい『Ravenous(OFFICIAL Live DVD Video)』。



 この動画は、愛弟子・サカノ&カシス組と観戦して、盛り上がったのだが、彼女はどうしてこうなってしまったのだろうか。知り合った人で、「あ、この人、面白いぞ」と思った人には、まず生い立ちや歴史から聞いていく性分の私は、アンジェラが何を経験してこうなってしまったのかが気になって仕方がなくなったのだ。 
 例えば、「マンソン先生」ことマリリン・マンソンのブライアン・ヒュー・ワーナー先輩は、自伝『地獄からの帰還』にてその生い立ちを垣間見ることができるが、アンジェラはどうなのだ。フリー百科事典『ウィキペディア』には彼女のことがこう記してある。
 「ドイツ・ケルン出身のデスメタル系ボーカリスト。2001年からアーク・エネミーのボーカルとして活動している。ベジタリアン。左上腕部に"虎"の漢字の刺青がある。このジャンルの女性シンガーのパイオニア的存在。デスメタル界のマドンナ的存在である。左利き。」
 なるほど、ベジタリアンなのね。納得している場合ではない。ベジタリアンと「虎」の刺青は、完全に矛盾していないかい。アンジェラ姉さん。
 さらに、幼児期の記述に震撼した。
 「幼い頃は今では想像も出来ないほど大人しく、母親がキリスト信者であった為、自分がメタルを聞いていることは当初明かす事が出来ず、またこの事が母親に知られてからは、「あなたは私の子供じゃない」とまで言われたともいう。」
 それは、言われる。それは言われるよ。いつ知られたのだろうか。おそらくゴソウ家は、キリスト教だから、ミッション系の学校に行かされていた可能性が高いと推測することができる。ということは、制服の下には「メタルTシャツ」もしくは「オカルトTシャツ」を着込み、通学していたかもしれない。文化祭は、地獄と化したのか。それとも、学園内ではいたって大人しくしていたとも考えられる。んー、気になる。私も、同じような「デスとポップの狭間」で苦悩・苦慮することが多々ある。しかしながら、それは所謂「緊張と緩和」という笑いの基本的手法で昇華できるのだ。アンジェラ・ゴソウに是非、自伝を執筆してほしいものだ。
 
 私を困惑させる全ての間違った弄りたちよ。地球を見ろ。微塵も面白くない大気に覆われてしまっているこの地球には、極上のダイヤモンドの原石が埋まっているのだ。

 「汝自身を知れ。神をあれこれ詮索するようなことはよせ。
     人類にふさわしい研究対象は人間である。」by ホープ・アレック・ダーウェント

 人物辞典は、つづく。