オーエル・アナトミア | black kairitu

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デス師匠のweb連載Season3。毎月1日更新。コラム、レビュー、レポート、詩、ショートショート、日記など。増刊号、号外、休刊あり。

 当web連載の前々シリーズ「見る技術」(http://blog.livedoor.jp/waters1946/ ) や前シリーズ「ハガクレガクレ」(http://hagakuregakure.blog112.fc2.com/ )において、私は何度かOLを取り上げてきた。

 いきなり「何か面白い話して」と無茶ぶりするOL、休日になるとなぜか必ず雑貨屋をめぐるOLなどの数々のOLの生態や謎を分析してきた。オーエル・カルチャーは、ユース・カルチャーやサブ・カルチャーに並ぶ研究対象として、興味深い文化を現出しているのである。そこで今回はOLの不可思議なる生態にせまった最近の調査を報告したい。

 早速だが、事件が起きた。

 参与観察法を試みた結果、2時間にもわたりOLの愚痴を聞く破目に陥ってしまったのである。仮にこのOLをA子としよう。

 では、A子の愚痴のあらすじをお教えしよう。

 職場で人気の上司S様を誘い、忘年会を催したO子。しかし、参加できるかどうか微妙な状態にある残業中の職員約2名が来るか来ないかの連絡が入ってこない。幹事としては、状況いかんによって料理の注文量などが変わってくるため、このことがとても気になっていた。そのため、S様とほとんど話すことができなかった。しかも、その後、結局S様は1次会で帰ってしまったのだ。ただ、2次会で結構気に入っている同僚の「テリーマン」(あだ名)と飲むことができ、それなりに満足していた。だが、実はS様は他の参加者とともに2次会に行っていたのであった!

 驚天動地!スリルとサスペンス、予想だにしない結末。

 なんと別の2次会に行っていたとはー!

  

 どうでもいい!!


 長く見積もっても15分で終わる。


 さて、次に取り上げたいOLはB子である。彼女の趣味は、読書である。そもそもOLは、何を読んでいるのだろうか。他のOLに対する調査結果も含め、最近読んでいる本で一番面白かったものを挙げてもらった。その中で、一番多かった答えがこれだ。


 斉藤里恵 『筆談ホステス』(光文社)


 きました。


 理由はこうだ。

 

 「前向きにお勉強になるから」


 前向きである。後向きではないのである。ただ、どう前向きなのかは、私にはわからない。どういった点で勉強になるのか、これは読んでみるしかない。その謎を私は知りたい。ただ、「勉強」ではなく「お勉強」になることは明らかだからだ。


 次に多かったのが、これだ。


 島田秀平 『島田秀平の幸せになれる 開運!手相占い』(河出書房新社)


 ここで、OLの三種の神器をお教えしようではないか。それは、これだ。


 「雑貨屋、エステ、占い」


 島田さんといえば、私にとってはお笑いコンビ「号泣」のツッコミとしてのイメージしかないが、手相占いはOLにとっての大好物なのである。

 なぜならば、「お勉強」になるからである。


 OLに限らず、婦女子の部屋に必ずあるもの。まずは。


 「自然などをおしゃれに撮った写真集」

 

 さらに、多くあるのが。


 「よくわからない人の詩集」


 そして。


 「筆談ホステス」


 読書以外で最近の調査において頻出するのが、「女子会」なる言葉である。女子だけで集まる会、「女子会」。何が行われているのだ。では、「男子会」はあるのか。それが、あるのだ。先日、知人から実際に「男子会」への誘いがあった。男子だけで集まる会、「男子会」。何が行われているのだ。普段、友人との会合・集いにおいて、男性だけということもあるし、弟子とのそれにおいても男子だけということもある。それらは「男子会」なのだろうか。わからない。わからないのだ。ただ一つ、わかっていること。それは、「男子会」に誘ってくれた知人のあだ名だ。


 「ラモっさん」


 彼は、小学校の時、転校してきた。その際、サッカーがうまいという情報が転校先の小学校に流れており、元サッカー選手のラモス瑠偉選手にちなみ、ついたあだ名が。


 「ラモっさん」


 なぜ、OLは『筆談ホステス』を読むのか。なぜ、「お勉強」になるものが大好物なのか。なぜ、ラモス瑠偉は「ルイ」の漢字に「瑠偉」を選んだのか。なぜ、法隆寺に山背大兄王が祀られていないのか。謎が謎を呼び、そのまた謎が謎を呼ぶ。

 「男子会」で何が起きているのか、潜入して真実を確かめなければならない。OLの解体新書(ターセル・アナトミア)である『オーエル・アナトミア』を完成させるべく、私は調査・執筆をこれからも続ける。もはや、OLに関係ないのではないか。もうOLに興味がなくなっているのではないか。「お腹いっぱい」なのではないか。孝徳天皇擁立の背景を検証し、改革派の旗手であったものこそ、実は蘇我氏だったのではないか。謎が謎を呼び、そのまた謎が謎を呼ぶ。

 

 特命リサーチ200X。

 

 日本古代史ミステリー!