「〇〇にまつわる思考の遍歴」シリーズを、今回からはタイトルをその都度、変えていこうと思う。
なぜならば、そういう気分だったからだ。
気分というものは大切である。ただ、気分が面に出ることはない。顔の筋肉が全て死んでいるという筋金入りの無表情だからである。戦友のK本氏と今回のコラムに出てくる「ズー宏(ひろし)」とプリクラをとったときも、氷の面構えであった。また、弟子の中でもプリクラに精通しているチームと精通していないチームにわかれ、精通していないチームでプリクラをとったときも氷の面構えであった(その模様は、アート集団「NOW KOW」の映像作品でお楽しみいただきたい)。そんな私であるため、所謂「顔芸」と呼ばれるものは素晴らしいなと思う。それは、「リアクション芸」につながる重要な芸である。リアクション芸を得手とする芸人ではない私のリアクションは一つしかないのだ。
ノーリアクション。
色々な芸風があってこその「芸ごと」である。
のっけから話が反れた。笑いに関してのコラムは、現在時間をかけてまとめ中である。今回のテーマはこれだ。
ファミリーレストラン。
主にファミリー客層を想定したレストランの一種であり、英語では家族が行くのにふさわしいレストランのことだそうだが、所謂ファミリー・レストランで、家族で来ている人たちを、あまり見たことはない。ファミリーがマフィア的な意味のファミリー・レストランだったら、面白いのになと思考。内装・外装、全てモノトーン。そうだ、コント、作ろう(JR東海キャンペーン風)。
本題に入ろう。
宣誓!私は、ファミリー・レストランにおける注文時において、注文したいメニューの名前を決して口に出すことなく、「これ、下さい」とか「じゃ、これを」といったように注文したいメニューを指差すことによって注文をすることを誓います!
なぜならば、単純に「さむい」からだ。注文の名前を読むことによって、ファミリー・レストランでの注文という作業は、私をすべらせていく。それが、「ファミリー・レストランの注文」という行為なのだ。
ここからは、講義形式でおとどけしよう。
「さあ、まずは、例題を出します。注文時に注文したメニューの名前を読む際、どこまで読むと『サムい』でしょうか」
<例題>
若鶏のグリル&海老フライ
<解説>
よくありがちな「若鶏のグリル&海老フライ」を検証・解説していこう。この場合、若鶏ですでにもう怪しい。さらに、グリル。これも、きついぞ。そして、&でアウト!完全なるアウト。純然たるゲーム・セットである。「&」を「と」と発音した場合もそうだが、「アンド」と発音した日には、発熱性消耗性疾患で寝込んでしまう可能性が高い。
恐るべし、「若鶏のグリル&海老フライ」。
「はい、例題と解説により、コツは掴んだかな。次は、練習問題にチャレンジしてみよう。どこからが、『サムい』かな」
<練習問題>
鶏と豆腐の健康ハンバーグ和膳
<解答>
「鶏と」の「と」。ここで既に臭う。すべり臭いぞ。次に、「豆腐の」の「の」。この「の」でもうすべりの沼に片足がはまっている。それも、確実にはまっている。確実にだ。さらに、「健康」!うわあ、これは、違う意味できつい。だって、ハンバーグは健康じゃないもの。矛盾だもの。韓非だもの。そして、極めつけは、「和膳」。決して「御膳」ではない。あくまで「和膳」だ。もう「和膳」だけで、生けとし生ける全ての者たちをすべらせることができる。「和膳」とは、すべり界のシアー・ハート・アタックだ。吉良吉影だ。
「世界には、面白いことが隠されている」と私はよく言う。「そのため、目を凝らすのだ」と。しかし、その反面、常にすべらされる危険にさらされているのだ。
二元論。
そこで、「いかにしてそのような危険を回避していくのか」といったことが問題となる。災害対策の指南書『征寒論~あるいは、どこからがスベるのか“スベ学問題集”~』を早急に書き上げなければならない。
だがしかし、ファミリー・レストランにおいて、スベることがわかっていながらも敢えて注文したいメニューをフルで読み上げる男がいた!(千葉繁・北斗の拳ナレーション風)
その名は、「ズー宏」!
彼とは、以前勤務していた職場で知り合った。職場で初めて出会う、同じ養成所の出身者であった。ズー氏が言うには、スベっているところをがっぷりよつで店員に見てもらうことによって高揚感を得るとのことだ。
恐るべし、ズー宏!
彼に何度も、一緒に「M-1グランプリ」に出ようと誘われたが、中高生や大人の前で2度ほど漫才をするに留めた。当時、色々と思うことがあったためだ。だが、その後もズー氏の私への勧誘は続いた。
恐るべし、ズー宏!
ただ、その後、私はべしゃりの魔術師・S原監督と出場することになるのであるが、その悲劇はまたいずれ。
くわばら、くわばら。