有名な心霊スポットを見た後、3人は近くにあるという「カウボーイ料理の店」に行くことにした。
恐怖の香り。
何せ、「カウボーイ料理」だ。看板に書かれた矢印の方へ街灯の全くない道を進む。
「この先にあるの?」
と、ミユが言った。
「ないよ」と、サワサキ。
「ないんかい」
予定調和すぎるやりとり。だが、皆顔がひきつっていた。だが、着実にクボが車を進めていくにつれ、見えてきた1軒の家。「カウボーイ料理の店」と書かれた看板。傍らには、サボテンが。今日の会の名前は、ここで「サボテン・ブラザーズ」になることが決定した。
土と石で出来た階段をのぼり、ドアの前へ。店内の様子を伺ったが、暗く人影もない。
「休みじゃねえ?」
サワサキの言葉を無視し、扉を開けるクボ。
「こんばんは」
返事なし。
物音なし。
しばらして、奥からカウボーイが現れた。それはまさに、想像どおりの見紛うことなきカウボーイ。テンガロンハトにウェスタンブーツ、上から下までぎゅぎゅっと、しぼった100パーセントのカウボーイなのである。
ただ、一つ疑問点があった。それは、これだ。
「顔が無表情」
カウボーイってそうなの?
ボーっとつったってしまっていた3人に、カウボーイが言う。
「何処でも好きなところに座ってください」
「あ、はい」とクボが答えるも、どこに座るかまごまごしていると。
「立って食べる訳にもいかないでしょう」
店のおじさんにありがちなギャグ。
だって、カウボーイだから。と、わけのわからぬ納得をした後、急いで座る3人。そしてメニューが登場した。そこには大きく。「アメリカン・ステーキセット」の文字。
「じゃ、どうしようかアメリカン・ステーキセットでいい?」
クボに聞かれて、うなずく2人。ただ、そこはうなずくしかなかった。
「すみません、アメリカン・ステーキセット3つ」
「はい」
返事は普通だが、無表情。
「おい、クボ、なんであいつは無表情なんだよ」
「え...だってカウボーイだから」
「え...そういうものなの?」
「見て、あそこ」
ミユに言われて2人が階段の上を見ると、壁に大きな毛皮がかかっている。
毛皮をじっくり見ていたサワサキが言った。
「あの毛皮は、牛じゃないんじゃねえ?」
「え...だってカウボーイだから」
「いや、それは違うだろ。カウじゃねえんだから、その返しは使わさねえぞ」
そのとき
「ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!」
「なんだ、この音は」と、厨房に駆け寄ったサワサキが見たものは。
「チェーンソー」
助けて。
殺される。
「おまたせしました」
カウボーイが料理を持ってきた。チェーンソーで肉を切っていたのだった。
カウボーイがもってきた料理は、ばっちりアメリカンなジューシー・ステーキ。味は濃かったが、上々であった。
「だって、カウボーイだから」
ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!
切られていく肉。
ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!
切られていく肉。
肉。
肉。
助けて。
ぶあああああああああああ。
ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!ヴィーンヴヴヴイイイーン!!!!
肉。