yes,my sweet… yes,my sweetest 愛しい人よ もう一度…
あかん、目頭が熱くなりはべりぬ。高橋大輔さんはええ歌うたうのう。とはいえ、ガンダム見てなかったのよねぇ。
表題はガンダム三部作の最終作品「めぐりあい宇宙」のもじりでして、目頭が熱くなるのはその主題歌「めぐりあい」ですね。
「僕にはまだ帰れる所があるんだ」と主人公アムロの呟くラストシーンはあまりにも有名ですね。すいません、品行方正にします、態度を改めます、ゆるしてください…と四杯目くらいまでは覚えているんですがねぇ。
まじめに弊社飲み介先輩ドイツさんと会社帰りに二人飲みをする時に、いつも話題になるのがこの話。二日酔いなどの手痛いしっぺ返しを受けながらも、どうして途中からいつものペースに戻ってしまうのか、阿呆やのう。
なんの話でしたっけ、ああ、ガンダム…違うやろ。
このところ、江戸っ子、ミツワと三大もつ焼き屋の二軒が続きましたので、今日はとある日の宇での経験を振り返ってみましょう。
ある日の昼下がり、平日宇ち入りの目的は、当然コブクロ・テッポウ、いわゆるシンキであります。レバ刺し、ツル焼き同様、平日しか仕入れのないこの二品。コブクロのコリコリとテッポウの歯を跳ね返すようなクニュッと、対比すべき好対照な食感。どちらも噛みしめれば、もつの旨味が洪水のようにあふれ出します。宇ち多流の醤油ベースのタレにお酢たっぷりでお願いすれば、なんとも食欲をそそる平日の昼下がりの贅沢なのであります。そりゃ会社休むでしょ、ねぇ皆さん。
いや確か、この日は、なんかの用事で病院に行ったんだわ。で、確か血ぃ抜かれたんです、はい。血ぃ抜かれたら、増血しないとねという合理的理由があったのだ、うん、…たぶん(^^;
夕方早い時間のこの日、まだ列は長くなく、15分ほどの並び時間で、煮込み鍋前カウンターの角席が空きましたので、お邪魔様。お父さんに梅割りとシンキをお願いします。
ほどなく厚手のグラスにこぼしていただいた琥珀の梅割りと、綺麗な薄桃色のシンキセットが出てまいります。あたしの決まりはコブクロから、一口いただけば…うめぇ!さらに梅割りを流し込めば、これぞ立石の昼だよ、おふくろさん。報われた気分になりますので、未経験の方は、ぜひ一度。
焼き物は何にしようかなと脳内で11種類を順に浮かべながら、やはりこの日もカシラタレの若焼きで行ってしまうのだな。なぜって、直前で「ツルもうないよ」コールがかかってしまいましたので。カウンターの向こうには、ご婦人がお二人、お父さんに丁寧にどこの部位だか教えてもらいながら、ビールを楽しんでおいでですね。「あら美味しいわね」なんて、話す声がちょっと大きいけど、まあ楽しんでおいでならいいでしょう。
シンキのセットでも、あたしはテッポウが好みでございまして、この弾力がまたタマランチなのです。ついお皿のお酢を飲んでみちゃったりなんかしてね。お、お隣の兄さん、「もうひとつもらえますか」とお父さんに聞いてますね。するとお父さん、「シンキは一人一皿までぇ、次に並んでる「ご新規さんにどうぞ」っていう意味で、シンキって言うんです」…なるほど、そういう意味がこもっていたんだ。あたしは新規に入る人(自分)がまず頼むから、シンキだと思っていたんですが、次のご新規さんになんだ、酒場人の思いやりですね、含蓄深いなぁ。それに対してあたしのなんと自己中なこと…反省。でも、シンキ二回食べたくなるお兄さんの気持ちはよくわかります。あたしもできるなら二串テッポウ食べたいもん。
さてさて、カシラが焼きあがってまいりました。血のしたたるようなレアな焼き加減。さらりとした甘めのタレと、カシラの肉汁が絡み合うと、なんとも言えないハーモニーを奏でてくれます。ツルのコリッとした歯ごたえと脂ジューシーな味わいもいいけど、カシラの肉食べてる感もまたよし。カシラも会社帰りに寄ろうとすると、切れていることが多い食材ですからね、これも昼酒のご褒美のひとつでしょう。
と、あらら、先ほどまで上機嫌だったマダムが突然声をあげましたね、「弱いものいじめしないでちょうだい!」って、ん?
どうやらお喋りに夢中で注文の止まっていたお二人に、お父さんからそろそろの声がかかった模様。で、なに、「あたし達より長くいる人いるじゃない!」。…はぁ、長くいる方はおいでですね。でも、長くはいても飲み食いをゆっくり楽しんでいる方ばかりでして、お喋りだけに興じている方はいないと思うんですよね。
先ほどの新規のお話、聞いていなかったんでしょうか…いなかったんでしょうね、二人の話に夢中で。お父さんの粘り強いというか、朴訥な説得に、何とかお勘定を支払われてお帰り。思わず周りのお客さんと目を合わせて苦笑い。長く並んででも食べたいという人が多いお店ですから、満足するまで飲んで食べたら、席を譲るのが礼儀でしょうね。
さてさて、あたしも二杯いただいて心地よくなりました。そろそろ席を立つとしましょうか。
「あとは、ごシンキさんに」の心意気ですね。
広い宇宙のただ中の、立石という狭い土地。その中のただ一つのお店、宇ち多という奇跡のような空間に居合わせることも、また巡りあい。
だからこそ、気持ちよく飲みたいじゃないですか。たくさんの人が楽しめるようにゆずりあいながら…今日もいいお話が聞けてよかったです。ごちそう様でした。
宇ち多 平日14:00~売り切れ仕舞い(19:30頃) 日・祝定休