甘くはないぜ、インドカレー -丹波屋(新橋) | 丁稚烏龍帳

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today,detch stood live on the earth,too…

 念願、常に心にかけて強く望むこと(出典:大辞泉)。

 念願というのはあるものでして、アタシの場合ほんの些細な念願なんですが、先日、ついに叶えることができました。それが、幻のカレーを食べることだったのでございます。


丁稚飲酒帳-丹波屋  今日は日中に大きな会議、委員さんの送迎役で昼食時間帯もごはんを食べずに待機。これはいい機会と会議が終わったところで仕事を切り上げまして、京成電車でずんどこずんどこ。新橋駅に降り立ちます。烏森口を出ましたら、宝くじ売り場の脇をまっすぐに抜けまして、ニュー新橋ビルを回りこみますてぇと、そこにございますのがこちらの丹波屋さん。そう、立ちそばのお店なんでございます。

 店頭のグランドメニューには様々なそばの名前が並んでいますが、そば屋さんですからね、当たり前のお話です。それとは別の黄色い紙に大書される「インドカレー」の文字。


 発端は路麺大帝からの「失禁するほど美味いカレーがあるのを発見した」との連絡から。これを味わった熊ちゃん、たーぼーさん、方々口を揃えて美味しいと。最近新橋まで行く根性と機会がありませんで、それでも時間を見つけて何度かトライ。残念ながら、午前中ではまだ用意がなく(11時位からの販売のようです)、遅い時間では既に売り切れており、今日が三度目。まさに念願のカレーでございます。


丁稚飲酒帳-黄色いアイツ  意気揚々と乗り込んだ四時過ぎの店内は、アイドルタイムで先客はお三方。若い大将の前に立ち、「インドカレーください。」とお願いします。耳が悪いのか、あたしの滑舌が悪いのか、なんだか冷たげな目で「はい?」と聞き返されたりして、もしかして立ちそば屋だからカレーだけは駄目なのかしら…なんて、最初に振られたときは思いましたが、三度目ともなれば変わらぬ対応にも慣れたもの。そういう接客なのねとうなずけます。もう一度、「インドカレーをお願いします」というと「はい。」とご店主。アルバイトのインド系の女性に前金で450円をお支払いして、到着を待ちます。


 ご店主まずは、貝のような形のお皿に、丁寧にごはんを盛り付けて、続いてあたしの目の前の大鍋のカレーを、レードルで丁寧にかき混ぜるのですが、立ち上る香りがなんとも食欲を刺激してくれます。

 食べたいものを決めた時って、気持ちがはやりますよね。で、振られた時は修正が聞かずに、別の店で同じものを頼んだりして(^^;。特にカレーの場合は、独特の香気もあって、その傾向が顕著なような気がします。焦げ付かないようにか、丁寧に丁寧にかき混ぜながら温めること二、三分でしょうか…なんとも待ち遠しい時間が流れていきます。そして、ついについに…念願のカレーとのご対面です!そのお姿は、パステル色といいますか、ただの黄色ではない白みがかった複雑な色見のルゥと、白いご飯とのコントラスト。そして写真からは伝わらない、香りがまたいいんです。まずはスプーンをグラスの水にひたして、と。


丁稚飲酒帳-インドカレー  一口いただきますと、野菜の甘味でしょうか、それとも色見から想像しますにココナツミルクですかね、なんともクリーミィというか柔らかい味わい。噛み締めると、ガラムマサラの複雑な香りが鼻腔をくすぐります。ごはんと一緒に飲み下すときの幸せ感と言ったらもう…これは確かに皆さんが幻と評するのもわかりますわ。美味しい!

 甘味を感じた一口目ですが、食べ進めていくにしたがって徐々にその刺激的な真実の姿を現してきます。口の中がヒリヒリと熱さを感じるのですが、手が止まらない。ルゥの辛味がごはんの甘味を引き立てて、脳内トランス状態ですよ。シャバシャバ系のルゥと、固めに炊かれたごはんとの相性も、また計算され尽くしていますね。

 具はほとんどがルゥの中に溶け入っており、ほろりと舌先でほぐれる鶏肉が少々、これを口にするとルゥに更に肉の旨味が加わって、相乗効果を奏でてくれます。さらに添えられた福神漬と一緒に食べても、甘味が加わって美味しいのですが、単純にこのルゥとごはんだけで完成され尽くしている感がありますので、添え物や具はなくてもいいくらいです。


 思わず水も口にせずに手をとどめることなくかき込み続け、気づくと皿の上には何もない…またもやBBゴロー状態だったのでありました。これで450円は、新橋リーマンのなんとうらやましきことか。わがヘッポコ社員食堂のカレーが、これと変わったら、毎食食べて飲み代が減っちゃうなぁ(^^;)。

 食べたらぐずぐずしないのが、立ち蕎麦の流儀。ゆっくり食べたつもりでも、ものの十分ほどの幻との出会い。気づけば幻のように君は消えていた。でも僕は君が幻なんて思わない、…口の中のヒリヒリ感、それが確かに君が僕の傍らにいてくれた証拠。

 また会いたくなったら丹波屋さんを訪ねよう、だからそれまで…、ご馳走様、幻のインドカレー。


丹波屋 7:00~23:30(カレー供給は11:00頃から)  日曜祝日定休