保たれるホスピタリティ -秋元屋(野方) | 丁稚烏龍帳

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today,detch stood live on the earth,too…

                                            5月23日(土)

 今日はフリーなのでおます。久々に布団を干し、掃除機をかけ、さてどうしようかなと行く先も定めず、午後の電車に乗り込みます。北か南か西かと思いを巡らせていると、ふと先日のご近所との会話を思い出します。そうだ、しばらくぶりに様子を見に行ってみようと、半蔵門線から東西線を乗り継いで、たどり着いたのは中野駅。ここから30分ほどぶらりお散歩です。

 サンクスのソフトクリームが105円セールしてるなぁ…ええ、帰り道食べましたよ、ソフトアイスでしたよ(T-T)。

 ガクアジサイがもう花を着けている、今年は夏の到来も早そうですねぇ…なんて思いながら、たどり着いたのは野方駅。秋元屋さんに今日はお邪魔です。なんでも春先にお隣のお店を買い取って、店舗面積が二倍になったというお話を聞いていまして、で、ご近所と焼き台は増えてないだろうから、どうオペレーションしてるのかねぇ…なんて予想をしていたのでした。


丁稚飲酒帳-新カウンター  予定より10分ほど早くお店の前を通りかかると、すでに長蛇の列。その最後尾に並びますと、僕の後にも次々とさすがは人気店。五分ほどの待ちで暖簾が二竿かけられ、お兄さんが「お待たせしました、どうぞ」と開店を告げてくれます。今日は新しい店舗を覗かないとね…と、秋元屋と白く染め抜かれた暖簾の側、奥の店舗に足を踏み入れます。すると、こちらにも焼き台があるじゃないですか。以前からの店舗に比べて、調理場の幅が狭く、新店はうなぎの寝床型。短辺四人掛けに長辺が10人掛けの細長いコの字カウンターが迎えてくれます。

 老夫婦と若いお兄さんのご一家三人連れに続いて、長辺の一番奥の席に腰をおろします。ここからだと、焼酎の瓶越しに焼き台の様子がよく見えますね。スタートに焼き台に立つのは、マスター。さすがに焼き台が二倍だと、マスターもがんがん腕をふるうしかないようです。


 店内の様子を観察していると、お姉さんが注文を取りに来てくれます。赤ホッピー氷入りでお願いすると、すぐに出てくるジョッキにホッピーのセット。まずは散歩で乾いた喉を潤しましょう…うめぇなあ。

 と、またまた先ほどのお姉さんが注文を取りにきてくれましたよ。まずは串ものを一通りに、さっぱりと青のりをお願いしましょう。なんだか忘れたような気がしてると、隣のアニさんがキャベツを頼んでいます。しまったぁと思って「すいません」と声をかけるも、おねえさんは次のお客さんの注文取りに向かっています。青のりが届いたタイミングでお願いすればいいかと、ホッピーを煽っていると、おねえさん注文取り終えて戻ってきてくれましたよ。
丁稚飲酒帳-定番味噌マヨキャベツ  店舗面積倍増で、店員さんの手が回らないんじゃないかと心配していたんですが、以前より明らかに店員さんの数が増えています。特に女性のかたが。こうして丁寧に注文を取ってもらえるのはありがたいですね。さすがは秋元屋さん、店舗拡張にも死角なしですね。


 ということで、最初のあてはキャベツ味噌マヨ。焼きダレに使う辛味噌がキャベツの甘味を引き出して、変わらず美味しいなあ。これが100円ですから、つい頼んでしまうんですよね…久々で今日は忘れましたけど(笑)。

 続いて届いた青のり。三杯酢でさっぱりと味つけられた青のり、口の中に磯の風味が広がります。また、添えられたワサビがいいんだなぁ。


丁稚飲酒帳-さっぱり岩ノリ  さてさて焼きものも上がってきましたね、定番のレバはミソだれで。レアでなくかつ柔らかい仕上げのレバの甘味に、味噌の甘辛みがピリッと舌を刺激して、ホッピーの一杯目を飲みほしてしまいました。ナカをお願いしているうちに、テッポウとハラミがタレ焼きで上がってきましたよ。

 秋元屋さんというと、つい味噌ダレを頼んでしまうのですが、コクがあって甘すぎずサラっとしているこのタレも美味しいんですよね。テッポウの肉厚の身からあふれるアブラがたまりませんなぁ。さらには先ほどの青のりをチョンと乗っけて食べてみると、これまたさっぱりして絶妙だぁ。


丁稚飲酒帳-味噌タレ三本  そしてとどめに味噌ダレ三本セット。チレにアブラ、そして今日はタンモトも混ぜてもらいました。チレ焼き自体を食べられるお店が少ない中で、このなんとも言えない血合いの香りと味噌だれのニンニクの風味が相乗効果で、あたしの好きな串なんです。加えて熱が通って活性したアブラにこの味噌が合わないわけもなく、さらには出色だったのがタンモト。端のコリコリ感を想像していたのですが、舌と喉をつなぐ部位というタンモト、とても肉々しい味わいなんですね。カシラに近く、かつジューシィでこれまた食欲が進んでしまいます。

 これだけのものを食べられて、かつ接客もきめ細やかとなると、つい長居を決め込んでしまいたくなりますが、たまの西武新宿線、もう少し奥まで行ってみたいので、この位で失礼しましょう。


丁稚飲酒帳-二倍にば~い  お会計1630円をお支払いして、暖簾をくぐるとまだまだ日が高く、夏の日の昼酒のだいご味はやはりこれですねぇ。しかし、二倍になった店内、カウンターだけでなく、入口付近には八人掛けのテーブルが五卓並んでいますが、満卓でこそないもののどのテーブルにも人が腰かけており、人気の高さがうかがえます。

 んー、今度人が来たら、よじあきから始める新宿線迎撃作戦も良いかもしれないなぁ…そんなことを考えながら、野方の商店街に向かったのでした。今日も気持ちよく飲めました、ごちそうさまでした。


秋元屋 16:00~ 月曜定休