黄葉を満喫すること二時間半。日も翳ってきたし、ぼちぼちと足を表参道方面に向けます。
表参道ヒルズってどこにあるんだろうなぁ…と探す気はあれど、関心はなく。さらっと過ぎ行き、青山学院前も越えて、いたるは渋谷駅。
今夜の口開けは、また迷ったよ、富士屋本店でございます。いつも、東急の前からぐるぐる迷っちゃって目印の上州屋がみつけられないのよね。
それはともかく、地下一階の階段を下りると、来ました地下に広がる広大な空間、私達のオアシス。今日も左奥の定位置に陣取ってと、そういえば初めてきた時から、この位置以外で飲んだことないなあ。初めての一人酒のときも、シェフと二人、指しで飲んだときも、四、五人でお邪魔したときも。こういう全方位飲み屋の場合、立ち位置によって見える風景がガラッと変わりますし、またスタッフも変わってきますからね、自然と慣れた位置に足が向いてしまうのかな。
まずは生ビールをお願いします。それと、湯豆腐はじめました(200円)の黒い紙が目に入ります。まずは暖を取らないと…って、生ビールなのに(苦笑)。湯豆腐もお願いしますね。
さて、出てきた中ジョッキを煽って乾杯!寒い季節もとりあえず生、足がズキッと…いや、最近身の危険を覚えなくはないんですよね、周りにも発症されてる方が何人もおいでですし。それはともかく、グビッとうまいねどうも。程なくして、あつあつの湯気立つ湯豆腐登場。ノーマル湯豆腐は、奥丹のも我が家のもあまり好まない私ですが、こちらのだったり、立石鳥久のだったりは好物なんでございます。というのも、こちらの湯は出汁のしっかり効いたスープなんでございます。いやあ、温まりますねえ、ほくほく。
さて、先ほどの続きで、定番メニューの黒板を見回すと、あれごぼう天がない。品切れかな?まあ、食べきれないから注文するつもりはないけど、あの大人の頭部(顔じゃないよ)大のごぼう天もパリパリでおいしいのよね。今回はもう一つの定番、ハムキャベツとおすすめのさんまの開きをいただきましょう。
立ち位置正面の厨房で、おかみさんが冷蔵庫から取り出したのは大袋一杯のハムの切り落とし。キャベツをごそっ、マヨをニュニュッと、そして出てまいりましたこの一品。まさに、ハムの造山運動や~!(c)某レポーター。これがまた、厚切りのハムがうまいんだわ。どうもあのペラペラのは食べた感じがしないというか、ハムは断然厚切り派のあたくしでございます。実際フレッシュなキャベツとハムの旨味にマヨネーズがこくを添えて、おいしいんだなあ。これで350円はお得だなぁ。
続いてロースターの扉がオープン、そのまま焼き網を取り出してと…って、ああ扉からなんか出てるなと思ったら、焼き網をロースターにそのまま突っ込む構造なんだ。皿までは運びやすいけど、熱は逃げないのかね…なんて余計な心配をしつつ、大根おろしを添えられて出てまいりましたさんまの開きちゃん。これまたパリッとした焼き加減がいいですねぇ。添えられた大根おろしも甘みが強いし、これから大根が美味しい季節になりますね。余談ですが、ついに買っちゃいました、大根おろし器(苦笑)。いや、前のおろし器があまりに鈍くて、引越しの時にお役ごめんにしてからこっち、買わなきゃと思いつつ、つい情にほだされて、ここまで…。おいしい季節に間に合ってよかった。ちなみに、さらに余談を重ねますが、のどもとにチクッと一本、お土産もいただきました(^-^;
さてさて、ほどよく小腹も満ちてきたし、そろそろ次に移りましょうか。カウンターの上のおつりを回収して、1350円でこれだけ食べられるとは、それは秀治感激なわけですよね。渋谷にもほっとできるお店がある…そんな悦びを感じながら階段を上り、クリスマスのイルミネーションに彩られた街の雑踏のなかに足を踏み出します。さて、次はどちらに参りますかな…。