Rusty-Words -5ページ目

月影




欠けた月が再び満ちるように

欠けた心が充たされてゆく



何を探しているのかさえ
分からないまま歩き続けた
流転の日々も今は遠い
只、一筋の光に導かれるように歩く



止まれば二度と進めない



けれどこれだけは失わない決意
『あの光が照らすなら、降り注ぐ刃も笑って潜り歩もう』



光遮る曇天も、永劫ではないのだから

それをあの月が教えてくれたから



たとえこの先結ばれる絆が

全て歪なものであろうと

この身朽ち果てるまで

雲を払う風が止むまで。



明日に降る雨




明日を生きる為に

此処へ死にに来た。



嘲笑い踏みつけ誇らし気に胸を張る『大人』達へ告げよう。



「此れを穢れさせる事だけは絶対に許さない」



人間は決して他人の痛みを等しく理解出来ないのだから



止まれ噤め頭を垂れろ。

災禍は要らない。只、慈雨を。


せめて此の雨が彼の花を開かせたら

笑んだまま瞼を閉ざせるから。

約束


借り物の言葉を紡ぎながら
傷痕を抉り溢れる憎悪
重ね合わせた景色のズレに
何も感じなくなったのは何時だったか



鮮やかな世界を黒で塗り潰し
借り物の言葉さえ汚して浮かべる笑み
酷く歪なそれは
まるで泣いているよう



胸に落ちる
叩き割った鏡の欠片
映り込むモノを正視出来ずに
凍えてゆく魂



それでも

いつか光の中、穏やかに微笑めたらと願う。
諦めは許されないから。



約束を、したから。