94.1年目の成功 Part.1
パラダイスビレッジの敷地内一年目のシーズンが終わってみると、思ってもみなかったほどの大成功だった。マネージャーのシルビアも大満足だ。ここまで成功するとは思ってみなかったらしい。それまでは、指圧テラピーを選ぶお客さんなどたまにしかいなかった。それが、連日、指圧テラピーが売れる。僕は他のテラピストのように専用の部屋を持っていなかった。不便だったが、空いているテラピールームを部屋から部屋へと移動して仕事をしていたので、ホテル側も僕のためにわざわざ部屋を用意する必要がなかった。その上、指圧テラピーに使うマットや毛布は既にホテルにあるし、精油やクリームなども使わないので、僕を雇っても、ホテル側に余計なコストがかからないのだ。コストもかからない上にスタッフ5人分の給料にあたる粗利益を稼ぎ出す僕はホテルにとって思いもよらない金の成る木であった。(続く)