Modern Tradition -8ページ目

陶芸の薪窯を作る前に

沖縄県立博物館・美術館 県民ギャラリー三人展

路傍の人

ハタメ

昨日まで久米島へキャンプに行っておりました。

今回も楽しい出会いがたくさんありましたが、
長くなりそうなので小話を。




久米島からの帰り道、フェリー乗り場で一息、ボケ~~~ッとしてたところ、
売店の隣にある飲食店から恰幅の良いおじさんと4,5歳の少年が出てきて、
売店のお菓子をみつくろい始めました。

少年はガム?が2つ欲しいみたいでレジにもってこようとしているけれど、
売店のおばちゃんが1個にしておきなさいと(売る気ないの?笑)

おじさんは2つ買ってあげるさと少年に言うけれども、
おばちゃんは1個にしなさいと言います(完全にないやん笑笑)

家族のように親しみある関係性であることが伝わり、なんとも微笑ましい。

結局おじちゃんが2つで良いさと言うので、レジに2つ持って来られたお菓子。
その一つをおばさんが手にとって、

「お姉ちゃんに1個ちょうだいね~。」

!!!?

まだ言うんかぃ。
いや、そこではありません。
お姉ちゃん!?
どこにおんねんオネエちゃん?





そういえば、伊賀の工芸店でも似たようなことがありました。

そこでは還暦くらいのおばさんが娘の子ども、つまり孫をあやしながら店番をしてました。

僕は品について色々と伺いながら「お孫さんですか。あぁ娘さんの。かわいいですね~。」
なんてあたりさわりのない話しをしていたところ、
子どもが僕の持ってきた品を手に取ろうとするのでおばさんが

「お母さんと遊ぼうね~」

!!!?

お母さん!?
いつからいたのオカアさん?
この違和感をどうしてくれるのですか。





…余談ですが、僕は直接子どもに可愛いとは言いません。
カワイイでは足りないので、他の言葉に置き換えちゃいます。
最近使うのは「Oh!! マイ エンジェル!!」とか。
僕にとって彼らは天使なんです(笑)


昨日もレストランで、あまりにも魅力的なエンジェルに出会いました。

この小さな南国の天使は3歳くらいの女の子。
レオタード&チュチュ風ドレスが印象的な御姿です。

友人と食事をしているところへ唐突に舞い降りたので良く聞き取れなかったのですが
靴を手に持って「靴がこわれちゃった」と言っているようです。


なんてこった!
こんな美しい天使が、炎天下の中さっきまでフェリーで3時間も酒盛りしてこんがりどころか真っ黒に日焼けしたあげく(皮が剥け始めてちょっと卑屈になっている)旅で疲労困憊気味なのに女性ばかりの場違いな店でまだビールを呑んでいるへたれ男の前に現れるなんて!

「(言葉にならないから長く溜めて)天使!エンジェル!!」

ハッと冷静になって、どうしたの?と聞きましたが天使は恥ずかしがって隠れちゃいました。


となりの座敷から抜け出してきたのでしょうか。
時々、少し壁から顔を出してこちらの様子を伺っていましたが、
だんだん大胆になってきて、ついには僕の前に立つようになりました。
一言二言なにか言っては去りを繰り返し…

いろいろ聞いてみましたが、言葉がよく聞き取れずわかりません。

少しずつ、少しずつ…

少し大胆に…なりすぎ…

…いや、暴れすぎだよ姫。

なんとまぁ、お転婆な姫様だったものか(笑)
この無邪気な天使は、あちらこちらを飛び回るようになりました。



幾度かやりとりをするウチに、紙ナプキンで出来たバレリーナ人形(スゴイ!お母さんが作ったのかな?)を手に持ってやってくるようになり「スゴイ!バレリーナだね!」なんて言っていると僕らのテーブルに人形を置いていってしまったので、人形を使って天使と遊ぶようになりました。

「これくれるの?」と聞くと「プリキュア?があるんだからね!」と言って
なぜかアッカンベーをされる繰り返しになりました。
つまるところ意味は伝わらなかったのです。




バコッと靴を投げ出して(靴はなんともなかったみたい)天にお戻りになられる様子。
時が経てば別れが訪れるものですね。

お別れに「あげる」と言われたので「ありがとう。お兄ちゃん嬉し…」



あぁ~!!!!!!?
おにいちゃん!?
絶対俺おっさんやん!!
天使と僕とでは美女と野獣クラスの違いがあるでよ。




…天使は一つの教えと微笑みと、
ほんわかした温もりを僕の心に残して去っていきました。

Feature

「らしくないこと」するのはダサイ。

だから、今まで作ったモノすべてダサイ。

「誰かのために」なんて言い訳は醜い。

自分がしたいからする。それでいい。


みっともなくていいから、一番大切なことを続けよう。






と、いうようなことを最近テーマにし始めた途端、

かえって身の回りに気を配るようになりました。



僕を知る人の間では、僕がファッションに全く気を遣わないことはあまりにも有名でして

僕にセンスがないかどうかは別として、結構便利だったんですよね。

その人の本質を知るのに。


人って、もの凄く見た目の印象で決めつけるところがあります。

僕もやってしまいがちですが、特にジャッジする意識を持つ方の多くがそうですね。


ジャッジと言いましても特別なビジネスの場面に限った話でもなくて、

この人と自分が「釣り合う」のか、「上か下か」とか、身近な場面での人物評のことです。

評価の基準は人それぞれでしょうが、評価の対象は外見であったり、

話し方であったり、態度や仕草であったり、大抵似通っていると思います。


ファーストインプレッションが大事なのは当たり前ですが、

その人が今「何を考えているのか」「生活水準がどれくらいか」くらいは読み取れても

「何を行動の基準にしているのか」「何を大切にしているのか」というようなコアな部分

とりわけ「本当にこの人は信頼できるのか」という最も知りたいところを

言葉や外見から判断することはできない…訳ではありませんが、精度は低いものです。

あくまでも、その人がふとした時にとる行動、無意識の行動で判断すべきことですね。



今までにお会いした方で凄い方だなぁと思わせてくれる人は、

やはり僕の見た目ではなく、話の内容に耳を眼を輝かせ、

僕の行動に対しての意見をくれた方々です。

厳しいご意見も多々ありますが。




とはいえ、染みついた日常の行動に心動かされたこともあります。

沖縄に住み始めた頃、6年位前でしょうか、馴染みの飲み屋で呑っていた時のことです。

大変エネルギッシュな女将さんの沖縄風家庭料理がとても美味しいお店でして、

ここの女将さんには本当にお世話になり、沖縄の母と思っております。

相も変わらず不孝者ですが。




ある日、僕の後に背広の二人組がやってきました。

僕はいつもの通りのへたれた格好です(笑)

ご年配のお二人は、女将と長く懇意にされている様子。

馴れたもので、ちびりちびりやり始めました。


酒も料理も出し終えた女将が一息ついたところ、二人を紹介するなんて言い始めまして、

僕はご迷惑じゃないかな?なんて恐縮していたのですが、結局成り行きまかせ。

女将に連れられ、お二人の席まで寄りました。


そうしたら、お二人ともスッと席を立って、先に挨拶してくれたんです。

「あっ」と思って、何言っただろう?

全く覚えてないです。

予期せぬ行動に心からおそれいりました。

ともかく名刺交換して、拝見しましたらOTVの代表取締役専務と局長。


如何にお偉いさん嫌いな僕でも、得体の知れない若造に礼儀を尽くす方々に

悪い印象を受けるはずがありません。

沖縄の飲み屋は、濃厚でくったくのない人付き合いが魅力でもありますが、

この時ばかりはプロフェッショナルなビジネスマンの振る舞いにやられました。

僕は名刺をぞんざいに扱うような趣味はありませんが、

今でも頂いた名刺は彼らの名刺の下に積むようにしています。





今も、これからも、僕にとって一番大切なことはなんだろう。

そう考えた時に、あぁ、クリエイターのお役に立ちたいのだったなぁと。

他のことは大して重要なことじゃないや。

つまらないことにとらわれるのはやめようか、となったのです。