制服が邪魔をする2 | Commentarii de AKB Ameba版

Commentarii de AKB Ameba版

AKBとかその周辺とか

words
video
Tags:Single、N1、Desire
 
 このブログ始めたばかりのころ、「キスはだめよ」について、

攻めてる男の子、ちょっと引きながら守りに入っているの女の子。そういう状況の歌。これが攻守交代すると制服が邪魔をするになるわけだ。

 なんて書いてた。
 あの時は、すぐに「制服…」の話ができると思ってたんだよー。ずいぶん時間かかっちゃったなあ。

 そう、A1の「キスだめ」では、積極的な男の子に対し、制服を理由にして女の子が拒んでいました。ま、歌ってるお姉さん方は制服じゃなくて、「金色のでかいスパンコール(というよりアイスのふたのようなもの)が下がったワンピース」を着てたんだけどね。

キスはだめよ/肩を抱かないで
制服のままじゃ/イケナイでしょう?

じゃあ制服を脱いだらキスしてもいいのか、というと、どうやらそうでもないらしい。
 
 だってすぐ後で

軽いノリだけで/はじまるのもいいけれど
あなたは違うの

 なーんて言ってるくらいだもの。
 「制服のままそういうことしちゃイケナイ」って言うのは、ちょっと言い訳Maybeくさいよね。

 ここでは「制服」は彼女の純潔(と踏ん切りのつかなさ)を守っている「鎧」だった。

訳知り顔の大人が/眉を顰めて通り過ぎてく
やな感じ

 人目も気になるから自制もするし。
 それがこんどは攻守交代。

 舞台もカッコイイ若者の街w「渋谷」ですもの。
 ついこの間まで「アキハバラフォーティーエイト」って歌ってたのに。

制服が邪魔をする/もっと 自由に愛されたいの
どこかへ 連れて行って/知らない世界の向こう

 だって。

 ここでは「制服」は文字通り邪魔者。愛し愛される自由を奪う、彼女のカラダを包む世界で最も薄い牢獄。
 「知らない世界」よりも「向こう」って、どんだけ遠いところなんだよ。ってくらい、ホントに吹っ切れちゃったみたい。

誰か(誰か)/見てても
関係ないわよ/キスしなさい

 制服を着てることによって気になっていた他人の視線もどーでもよくなっちゃうくらい。てか渋谷あたりじゃ制服を着たままチューしてる女の子、いるよね。
 
 制服が邪魔してるんなら、じゃあ脱ぎゃいいじゃんか。
 なーんてそれはあまりにも短絡的なご意見。
 ここでいう「制服」というのは、ただの衣類のことではなく、それが象徴する制度も含んでいるんであるよ。

 人によっては(60歳代でトップは薄いのに、サイドとバックだけはどうしても長くしておかなくては気が済まない髪型に固執して、たまにマオカラーのジャケットを着るような御仁、奥さんは草木染めですかその微妙な色合いとか、あ、別に特定の個人ではありません)、菅直人に投票したり、個人の自由を抑圧する「制服」などという制度は断固排除すべしと言ったりしちゃうわけだが、話はそんな簡単ではない。

 菅直人に投票しちゃった人は腹を切って地獄に堕ちるべきである、ということはワキに置いておいて、「キスだめ」でみたように「制服」という制度は自由を抑圧すると同時に個人を守る仕組みでもある。
 だから

友達より早く/エッチをしたいけど

 なーんて言ってるくせに一方で

セーラー服を脱がさないで/今はダメよ我慢なさって

 などと言うんである。セーラー服でも何でも脱がさなきゃ話が始まんないじゃんか。
 脱ぎたい、でも脱がさないで欲しいというアンビバレンツ。

 え、これAKBじゃない?
 失礼、秋元先生の嫁選びおニャンコでしたね。

 いずれにせよ、自分を縛ると同時に守っている「制服」に対する葛藤という点では「制服が邪魔をする」と「セーラー服を脱がさないで」は同じ範疇なわけ。

 秋元先生も進歩しねえなあ、とここまでは思った。
 ここまでは。