誕生日の夜2 | Commentarii de AKB Ameba版

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Tags:N1、恋

 「誕生日の夜」については、前回で終わりにしようと思ってたんだけど、書き忘れたことがあったのに気づいちゃった。たいしたことじゃないけど。

 ヘッドセットのこと。

 前2曲同様、この曲もヘッドセットをつけて両手フリーで始まるんだけど、イントロというか最初のヘンテコな動きが終わると、すぐにメンバーの一部が両袖にはける。

 残ったメンバー、8人くらいが、高橋を先頭にピラミッドフォーメーションを組んで、前回読んだ英語の歌詞を歌う。この時、もちろんヘッドセットをつけたまま。

 英語のパートが終わると、さっき引っ込んだメンバーがマイクを手に持って登場。それと入れ替わりに最初のメンバーがひっこむ。そう、マイクを取りに行くために。

 これ、何でなんだろう?
 せっかくヘッドセットで歌っているのに、なんでわざわざ曲の途中からハンドマイクに替えなきゃなんなかったんだろう。

 この演出はN1でも一緒。「ヘンテコダンス」の後、8人を残してみんなはける。

 うーん、なんでだろう。

 ひとつ思いついたのはこういうこと。
 これまで何度か書いたように、A3は、Team Aにとって起承転結の「転」にあたる公演であり「何か違うもの 何か新しいもの」を求め試みようとしていた。つまり実験。

 その実験の典型が「月見草」であり「Warning」であり、両者の演出に欠かせないヘッドセットによる歌唱システム。

 好き嫌い、良い悪いの評価は別として、この2曲は確かに斬新だった。
 でも公演丸々このまんまの実験スタイルってわけにはいかない。だってみんなアイドルを見に来てるんだもん。アイドルっぽくなくちゃ楽しめない。

 というわけで、実験は「誕生の夜」の最初の「ヘンテコダンス」から英語の歌詞まででオシマイ。
 こっからあとは、みんなもよく知ってるいつものAKBだから安心してね。
 
 そういうメッセージを客に伝えるためのサインとしてわざわざハンドマイクに持ちかえた。

 そう、片手にマイクを持って、もう片手でみんながコピーできるようなフリをしながら歌う姿こそアイドル。実際メンバーも片手にマイクを持っているときの方が、ヘッドセットをしていたときよりも思いなしか自由に見える。マイクを持つことによって物理的な自由度は減るのにね。

 もうひとつの可能性。これはN1を見て思いついた。

 実はあの「ヘッドセット」はヘッドセットに見えてヘッドセットではなかった。ただのお飾りだった。メンバーの口の前にあったあの黒いものは、一切音を拾ってなかった。
 
 ヘッドセットをして、ダンスの自由度が上がったのはいいけど、そうするとどうしても歌がキビシクなる。激しく踊っても息を切らさずにいられるほどのスキルを彼女たちに求めるのは無理。
 
 だからこの2曲は「ヘッドセットで歌ってるテイ」。

 じゃあどうやってみんなの歌声をスピーカーに流すことが出来たのかって?
 ほら、あれだよ。前にもちょっと書いたけど、シアターには「妖精の粉」が充満してるんだよ。
 この粉の力のお陰で、シアターではたとえマイクがオフになっていてもメンバーの歌声を流すことが出来る。
 それどころか歌詞を間違えたり、歌うのを忘れても大丈夫な魔法の粉なんだよ。

 ただこの粉の弱点は、「歌声」しか流すことが出来ないってこと。

 N1のDVDには、この歌の後の自己紹介のいわゆるMCも収録されていた。
 ひとりひとりが好き勝手なことをしゃべる場面では、さすがの「妖精の粉」も役に立たない。
 だから開幕から切れ目なしにMCにつなぐためには、どこかでハンドマイクに持ちかえなければならなかった。
 
 だから「誕生日の夜」では途中からヘッドセットからハンドマイクに持ちかえた、と。
 そんなことを考えてた週末でした。

 余談ながら、「生きている」マイクを左手に持ったまま拍手をすると、「ドドドドドド」というノイズが発生してしまう。それを避けるために、MCでは拍手をする時、マイクをちょっと掲げて右手で左手の肘の辺りを叩く。
 歌の途中でクラップハンドが入ることがあるよね。
 そういう時も、マイク持つ左手から少し離した、手首辺りを叩いてる。
 でも時々思いっきりマイク持った手を直撃してる瞬間があったりするんだが、ノイズは発生しなかったんだろうか。それともこれも「妖精の粉」のおかげだったんだろうか。」

 余談続き。
 
 N1のDVDには、自己紹介のいわゆるMCが収録されている。
 これまでの公演DVDには無かった試みで大変喜ばしい。
 AKBと言えば「ぐだぐだのMC」が名物と言われるが、シアターに行ったことのない自分としては長らく未知のものであった。
 
 最近の公演についてはライブオンデマンドで堪能出来るようになったが、昔の公演ついては、それに触れるよすがもない。
 唯一、2006年の日本青年館コンサートDVDに収録されていた「自己紹介」にその片鱗が垣間見える。おつむのギアを「日常」から「AKB」に入れて見ることによって楽しむことが可能になる「ぐだぐだ芸」。

 これも「妖精の粉」が大きく関与していると見たね、僕は。
 映像で見せられても何てことのない色物の芸が、寄席で見ると腹を抱え、涙が出るほどおかしいのと一緒だね。きっと。

 で、N1。
 
 MC、ぐだぐだしてない。ちょっととちる人はいても、ぽんぽんぽんとテンポよく進む。
 自己紹介の後メンバーが言う「イェーイ」もシャープ。
 客もよく呼吸を心得て、合いの手も破綻なし。
 これは血とブレインと訓練の成果なのでしょう。
 
 でも、最初のコンサートで、客席から「おめでとー」と声をかけられて、「おめでとー」と返す小嶋の「何がおめでとうって言ったのかわかんないんですけど」と、気力も空気も漏れているMCも捨てがたい魅力なんだなあ。「埼玉県から来ました」って浦和で言ってたらしいし。