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雑文と音楽

思いつきの散文や好きな音楽を

 

 

 それからというもの、優斗と杏子はいつも二人で帰るようになった。学校のこと、友だちのこと、中学校時代のこと、家のことなど、優斗の口からいろいろな話が出てくる。

 杏子と二人でいると自分でも不思議なくらい饒舌になっているのである。杏子はいつも聞き役であまり自分のことは話さなかった。それでも優斗の話に笑ったり、うなずいたり、時には驚いたりした。そんな杏子の反応を見るのが優斗は楽しかった。

 杏子も優斗の話を聞くのが好きだった。優斗がこんなにしゃべれる人だとは思わなかった。話を聞いているうちに優斗の意外な面も知ることができて、益々好きになっていった。

 二人は、学校から駅までのわずかな時間であるが何よりも大切にした。


 そんな二人の行動がクラス中に知れ渡るのには時間はかからなかった。

 

「優斗、北村と付き合ってるんだって?」

 ある朝、沼田が顔を合わせるなり訊いてきた。

「付き合ってるって程じゃないけど・・」

 優斗は、実際、そのように思っていたのである。駅までの道のりを二人で帰ってはいるがそれだけである。交際の申出をしたわけでもなく、ましてや杏子に対する恋愛感情も伝えることができないでいたからである。

 一緒に帰ってくれているのだから、自分に対して少なからず好意を持っていてくれているはずだとは思っている。そもそも、そのきっかけを作ってくれたのは杏子の方だったのだ。

「ただ、一緒に帰っただけだよ」

 優斗は言い訳のように答える。

「どおりで最近いなくなるのが早いと思ったよ」

 高山がへらへらしながらいうと

「そういうのを付きあってるって言うんだよ」

 沼田は、皆に聞こえるような声でオーバーに叫んだ。

「いいなあ、俺も彼女欲しいなあ」

 

 昼休みになると橋口が優斗に近づいてきた。

「うまくいったな」

「うん、ま、で、そっちは?」

「相変わらずだよ。でも、俺、諦めないから」

「そうだな」

「なんだよ、それ。他人事みてえじゃねえか」

 橋口は笑った。

「いや、そう言うつもりじゃないけど」

「ま、他人事だけどね。いいんだ」

 橋口はすねたふりをすると優斗は焦った顔になる。それを橋口は面白がっているのだ。

 

 いつも杏子と帰ることが多かった加奈子は、あれから一人で帰っていた。

 杏子には、よかったねと言ってあげたが、クラスで優斗がチヤホヤからかわれたりするのは見るのはやはり辛い。そんなときは教室から出て行ってしまうことが多い。

 これでいいんだと何度も自分に言い聞かせ、自分も前に進みたいと模索し始めた。

 

 優斗と杏子の噂は、クラスの誰にも知るところとなった。

あの優斗に彼女ができたというのが何よりも驚きだったし、相手が秀才肌の杏子だということもセンセーショナルだったのだ。

 なにせ、クラスのカップルがまだ吉本と佐藤だけだったこともある。優斗と杏子がカップル第2号なのである。

 次は俺の番だと橋口は密かに闘志を燃やしていた。

 

 

 

 

 

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 先日の朝、給湯器が凍ってお湯が出なかった。旧給湯器は自分でタオルを巻いて防寒対策を施しておいたが、現在の給湯器に交換する際、職人から防寒対策はしてあるからそんなことは必要ないと鼻で笑われたので、最新の機器だから大丈夫なんだと思い込んでいたのである。

 凍ってから取説をよくよく見たら、やはり防寒対策をするように書かれていた。よほど販売店に文句を言おうと思ったが時間の無駄だと思い直し、自分で取説通りにタオルを巻いてぬるま湯をかけたらお湯が出るようになった。

 しかし、蛇口をひねるだけで温かいお湯が出てくるなんてなんと幸せなことなんだろうと今更ながらしみじみ感じるのであった。

 

 さて、本日取り上げるアルバムは、CREEDENCE CLEARWATER REVIVALの『PENDULUM』(1971年)である。


 C.C.R.の6枚目のアルバムである。

 4人メンバー揃ってのアルバムはこれが最後で、トム・フォガティが脱退してから3人で1枚アルバムを制作して解散している。

 この頃から、既にメンバー間に亀裂が入っていたようだ。

 

 ジョン・フォガティのワンマン・バンドと揶揄されても仕方がないくらい、ジョンがかなり主導権を握っていたようで、実際、ジョンの曲作りやボーカルは圧倒的な存在感である。

 しかしながら、その後のジョンのソロ・アルバムを聴くと首をひねってしまうのである。やはり、このメンバーがあってこそ、ジョンの魅力が発揮できているように思うのである。

 当時流行っていたブリティッシュロックに代表されるようなギター・テクニックやヘビーなサウンドと比べると、シンプルなサウンドで演奏力もどうなのかと思われるが、だからこそジョンの泥臭いボーカルが引き立つのかなと思われる。

 

 ま、どっちも好きなんだけどね。今日は、こっちを聴きたくなったというだけのことである。

 

 それにしても、CCRで検索すると一番上にCCレモンが表示されたので笑ってしまった。それだけ、過去のバンドってことなのかな(笑)。

 

Pagan Baby - YouTube

※イントロ聴くだけでたまらない



 

 

雨を見たかい/Have You Ever Seen the Rain/CCR - YouTube

※お馴染みの曲