雑文と音楽 -25ページ目

雑文と音楽

思いつきの散文や好きな音楽を

 

 

 優斗は、フォークソング同好会での活動は続けながらも徐々に洋楽にも興味を持つようになっていた。ところが、優斗のクラスには、洋楽を聴く者が優斗の知る限り誰もいなかった。洋楽に限らず、音楽に興味のある生徒が意外に少なかったのである。

 同じ趣味を共有したり、これがいいだのこっちがいいだのと共感しあえる友人がクラスにいないことが少し寂しく感じていた。

 誰か話の出来る奴はいないかなと思っていたところにある日突然相手が出現したのである。隣の6組の鈴木稔という男子であった。

 

「斎木!ロック、好きなんだって?」

昼休み、トイレに行こうとしていたところ突然声をかけられたのである。

「ああ、まあ、あまり詳しくないけど・・」

 優斗は、自分が洋楽を聴くことを誰から聞いたのだろうと素朴な疑問を持ったが、共通の話題で話ができることで少し嬉しくなった。

「何聴いてるの?」

 鈴木が眼を輝かせながら訊く。

「グランド・ファンクとか・・」

 優斗は、相変わらずグランド・ファンク・レイルロードが好きで聴いていた。

「グランド・ファンクか? あいつら下手くそじゃねえ?」

いきなり、自分の好きなバンドをディスってくるとは何て奴だ。

「パープルとかツェッペリンは聴かない?イアン・ギランもいいし、ロバート・プラントもかっこいいよ。リッチー・ブラックモアのギターなんか最高に上手いじゃん。この前、ツェッペリンのライヴ見てきたんだけどさ、ジミー・ペイジも最高だったよ。世界の三大ギタリストだぜ、グランド・ファンクなんかガキのバンドじゃん・・」

 そこまで言うか?他人の好きなバンドをそこまで貶して面白いのか?優斗は不愉快になってきた。

 それでも、顔には出さないでいた。

「あ、それよりオシッコ、オシッコ」

 優斗はそう言いながらトイレに逃げ込んだのである。せっかく、共通の話題で盛り上がれると思ったのにな。いろいろと教えてもらえるかなと期待したがあれでは話す気になれない。ぬか喜びした自分がバカだった。

 

 そんな中、同じ6組に鈴木とは別に音楽好きな奴がいることを知った。淵本隆という人物である。高山や桑野と同じように元サッカー部員だったため二人とは仲が良かった。6組とは体育を一緒に受けていたため淵本の顔は知っていて、優斗はその二人を通じて時々話をするようになっていた。

 ある時、ひょんなことから淵本が音楽好きだということを知って話しかけてみた。

 淵本は、鈴木とは違って淡々と話す男で、決して他人の好みを貶したりバカにしたりすることがなかった。優斗はいつしか淵本には心を許して話ができるようになっていた。

 そんな淵本が好きだったのは、オールマン・ブラザーズ・バンドやニール・ヤングであった。

 その頃、優斗はローリング・ストーンズやロッド・スチュアートなどもお気に入りだった。

 ディープ・パープルは鈴木が推していたので逆に聴く気にはなれず、レッド・ツェッペリンは元々好きでセカンド・アルバムだけは持っていたがそのことは鈴木には黙っていた。

 実は、ディープ・パープルも聴いては見たが、鈴木が推していることもあってか好きになれなかった。ちなみに、後のボーカルがデビット・カヴァディールに変わってから聴くようになるのである。

 ニール・ヤングについては、中学校時代の友人からCSN&Yの『4Way Street』を聴かせてもらって知っていたが、オールマン・ブラザーズは優斗の初めて聞くバンド名であった。

「よかったら聴いてみる?」

ある時、淵本はオールマン・ブラザーズ・バンドの名盤『At Fillmore East』のレコードを快く貸してくれた。

 ワクワクしながら家に帰ると早速レコードに針を降ろした。ライヴ会場のざわめきが聴こえてくる。司会のバンド紹介があるといきなり演奏が始まった。「Statesboro Blues」初めて聴くサウンドに優斗は少なからずショックを覚えたのだった。ツイン・リード・ギターにツイン・ドラムの重厚なサウンド、グランド・ファンクにはないブルース・フィーリングたっぷりのスライド・ギターの音色。それまで馴染みのなかった何とも言えない大人の音楽がそこにはあった。

 優斗は、その演奏に一気にのめり込んでいた。一発でそのバンドが好きになってしまったのであった。後にサザン・ロックなるジャンルだと聞いて益々好きになり、他のバンドにも興味が及ぶようになっていった。

 

 

 

 

 

 

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 さて、本日取り上げるアルバムは、ALLMAN BROTHERS BAND7回目の登場にちなんで『Seven Turns』(1990年)である。

 

 

 

 

 デュアン・オールマンとベリー・オークリーを亡くしてから、何度目かの活動再開にあたってリリースされたアルバムである。

 メンバーにギタリスト兼ボーカリストのウォーレン・ヘインズとベーシストのアレン・ウッディなどが加わった時期のものである。

 

 バンドの主柱を失ったり、メンバー間の確執があったりで困難だった時期を乗り越え、久しぶりに充実した作品となった。

 

 新加入のウォーレンとアレンは、もともとディッキー・ベッツのバンドにいたとのことで、ここでもウォーレンとディッキーのコンビによる楽曲を数曲提供している。

 

 大好きなグレッグ・オールマンのボーカルも健在。特に「Gambler’s Roll」はブルース・フィーリング溢れる歌唱が素晴らしい。

 

 

 

 

やっぱり、オールマンは最高 !!

 

※すっかり前段の雑文と混同してしまい、紹介したかったのはこちらの曲「Gambler’s Roll」でした。

 失礼しました(笑)