カフェやバー、あるいはレコード店などでも言えることなのだが、こういった店内でかかっている音楽って、家のオーディオで聴いているときとまた違った聴こえ方がするものである。
おしなべて、良く聴こえ、印象がいい。
特にいいスピーカーで聴いているからということでもなく、店の雰囲気などその場のシチュエーションが影響しているのかもしれない。
先日、訪れた中古レコード店で物色していると、店内のスピーカーから流れてくる演奏が実によくて、思わず店長に誰ですかと訊いてしまった。
「ジェリー・ガルシアだよ」と棚に飾ってあるレコード・ジャケットを指しながら、いいだろう?と言わんばかりに店長が微笑んだ。
ジェリー・ガルシアって、確かグレイトフル・デッドのギタリストだったよな?
デッドは、ほとんど聴いたことがなかった。
ましてやギターの演奏を聴いただけでわかるわけがない。
Spotifyで検索すると、かなりのアルバムがアップされていて何から聴いたらよいかわからないし、ガルシアで検索しても結構な数のソロ・アルバムが表示される。
とりあえず、初期の作品を聴いてみるとなんだかカントリーっぽい。
店で聴いたのは、ソロのライヴ・アルバムだったような気がするが、詳しく訊いてみればよかったな。
ウィキッってみると、なんだか長々と記事が書かれている。
ふむふむ・・・。
さて、そんなことで今聴いているアルバムは、ジェシー・ガルシア・バンドの『Garcia Live 7』(2016年)である。
ガルシアが亡くなったあとに、過去の音源がアーカイブ・シリーズのライヴ・アルバムとして続々リリースされていて、既に20作ほどあるらしい。
このアルバムは、シリーズ7作目のものである。
ジェリー・ガルシア・バンドとして、1976年11月8日、カリフォルニア州パロアルトのソフィーズで録音されたものである。
バンドは、ギターとボーカルにジェリー・ガルシア、キーボードにキース・ゴッドショー、ベースにジョン・カーン、ドラムにロン・タット、バック・ボーカルにドナ・ジーン・ゴッドショーというメンバー。
演奏曲は、カヴァーが多い。
ボブ・ディランの「Knockin' on Heaven's Door」やJ.J.ケイルの「After Midnight」なども演っている。
ボブ・マーレーの「Stir It Up」やピーター・トッシュの「Stop That Train」などのレゲエも取り上げていて面白い。
自分のバンドだけあって、自由に好きな曲を演奏している感じで、リラックスした雰囲気が伝わってきて、聴いている方もゆったりとした気分に浸れる。
ライヴだけに1曲1曲が長いが、その分ガルシアのギターソロもたっぷり堪能できる。