沖縄県の警備業務に派遣されていた大阪府警の警察官が、
警備地に押し寄せる米軍基地反対派に対し、
差別用語を投げかけた。
このことに対し、大阪府の松井一郎知事(日本維新の会代表)は、
「(発言はともかく)業務ご苦労様。」とねぎらいの言葉をかけた。
確かに、沖縄県外の基地反対派の行動は、
目に余るものがあるのは事実だ。
本当に、沖縄県民に寄り添っているのか、疑ってしまう。
しかし、件の警察官が発した言葉は、
現地の人=沖縄県民に対してだ。
業務をご苦労様、と言えるレベルでは、到底ない。
しかも、あくまで業務として沖縄に派遣されている。
確かに遠隔地への出張ではあるが、
府内で、ともすれば命の危険にさらされている
他の警察官と違う扱いをするのも、合点がいかない。
最近になって、沖縄全体に対して、一部ではあるが、
差別的な言動がネット上を中心にみられる。
一見関係ないかもしれないが、
障碍者を狙った大量殺人の容疑者も、
障碍者を貶める言動を繰り返していた。
差別はいけない、と押し込められてきた感情が、
ここにきて、抑えきれなくなってきているように思えてならない。
と思った時に、移民や特定の人種に対して、
平気で差別的発言を繰り返す人物とそれを支持する、
マジョリティを思い出した。
そう、米国大統領の共和党候補、ドナルド・トランプ氏だ。
彼を支持するのは、これまで相対的に差別する側で、
失業や低賃金に悩まされ、その不満を募らせている、
いわゆる白人労働者とされる。
気落ちに余裕があるときは、差別禁止でも平気だったが、
生活に余裕がなくなり、その矛先が、
差別禁止を破る方向に向かっている。
我が国でも、先の大量殺人の容疑者も、
仕事を辞めていたという。
加えて、在日韓国人に対するヘイトスピーチも、
ようやく法令で規制される方向になったとはいえ、
かつてに比べ、大きくなっていた。
我が国で、さらに格差が広がり、
生活に余裕のない人たちが増えたらと思うと、
心配してしまうのは、筆者だけだろうか。