Column223.露ドーピング、米欧間の対立か? | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

今月開催されるリオデジャネイロ・パラリンピックで、
IPC・国際パラリンピック委員会は、
ロシア選手の参加を一切認めない決定をした。


先月開催された同五輪とは、ほぼ正反対である。
このIOC・国際オリンピック委員会の決定に対し、
WADA・世界反ドーピング機関は、失望の声明を出している。


IPCのクレイバン会長(2代目)は英国籍だが、
創設時のステッドワード前会長は、カナダ国籍である。


まだWADAは、リーディ快調こそ英国人だが、
アメリカやカナダが組織運営を主導しているといわれている、


一方IOCは、もともとは欧州貴族が
ボランティアで運営していた。
今も組織運営において、欧州主導の色が濃く、

米国や日本は、主導権を握れていない。
中国に至っては、仲間外れの感さえある。
(22年北京冬季五輪の決定票数がそれを表している。)


近年でそれを象徴的にあらわしたのが、競技の見直しである。


五輪の肥大化が問題となっていた時期、
幾つかの協議を外すことになった。
野球が外れたのは、日本人にも衝撃だった。


その際、近代五輪初期から存在していたレスリングが、
その外れる競技のリストに入ったいた。


レスリングは、我が国はもちろん、米国やイランなどでも、
根強い人気があり、有数の強国だ。
一方で欧州ではそれほどでもない。


このとき、当然米国は猛反発した。
皮肉にも、政治的敵対関係にあったイランと共闘し、
のちの関係改善につながった経緯がある。


今回のIOCの決定は、
WADAの勧告を無視したといってもよい。


IOCのバッハ会長は、ロシアのプーチン大統領と、
個人的に親しい関係にあるとも伝わっている。
だから五輪からは追放できなかったとも。


こじつけと言われるかもしれないが、
今回のIOC・IPCの対応の違いは、
伝統的な米欧間の対立が背景にあったのかもしれない。