天皇陛下が、数年前より、生前退位の意向を示された、
との報道が、一斉に駆け巡った。
直近の会見等で明らかになった、式典での順序を間違えたこと、
次世代に引き継ぎたい等、今思えば、
その思いが滲んでいたことになる。
現在の法令で、天皇の生前退位についての規定はない、
終身在位を前提とした法体系になっている。
つまり現行法令では、生前退位が不可能ということになる。
とは言え年齢的なもので、天皇としての務めを果たすことが、
難しくなっていることは、加齢による身体的な衰えから、
避けては通れないことは、疑いないだろう。
このことは、ここ10年審議が事実上止まっている、
皇室存続の施策とともに、喫緊の課題である。
生前退位をどの時点で行うか、それにより、
メリットとデメリットが出てくる。それを整理したい。
大きく2つに分けられる。
・意思による退位
メリット →想定外の事態が起きても、柔軟に対処できる。
デメリット→恣意的な退位が可能になり、
政治的な駆け引きに利用される恐れさえ内包する。
・一定期日による自動継承
メリット →恣意的な意図を一切排除することができる。
デメリット→次の元号、次の次の元号をどうするか、
いつまで元号を決めるべきか、という問題に直面する。
本来なら柔軟に対処できる意思による退位が望ましいところだが、
政治的な駆け引きに利用されることは避けねばならない。
となればある年齢に達した時など一定期日をもって退位する、とすれば、
先の見通しも立てることができる。
元号の問題も天皇一身ではなくすれば(具体策はあえて記述を避けます)、
見通しも立てることができる。
いずれにせよ、皇室典範の改正が必要であり、
それは、宮家創設など他の課題とともに議論が必要である。
宮家の問題は、参院選が終わったら書くことにしたい。