Column216.生前退位、各案のメリット・デメリット。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

天皇陛下が、数年前より、生前退位の意向を示された、
との報道が、一斉に駆け巡った。


直近の会見等で明らかになった、式典での順序を間違えたこと、
次世代に引き継ぎたい等、今思えば、
その思いが滲んでいたことになる。


現在の法令で、天皇の生前退位についての規定はない、
終身在位を前提とした法体系になっている。


つまり現行法令では、生前退位が不可能ということになる。


とは言え年齢的なもので、天皇としての務めを果たすことが、
難しくなっていることは、加齢による身体的な衰えから、
避けては通れないことは、疑いないだろう。


このことは、ここ10年審議が事実上止まっている、
皇室存続の施策とともに、喫緊の課題である。


生前退位をどの時点で行うか、それにより、
メリットとデメリットが出てくる。それを整理したい。
大きく2つに分けられる。


・意思による退位
 メリット →想定外の事態が起きても、柔軟に対処できる。
 デメリット→恣意的な退位が可能になり、
       政治的な駆け引きに利用される恐れさえ内包する。

・一定期日による自動継承
 メリット →恣意的な意図を一切排除することができる。
 デメリット→次の元号、次の次の元号をどうするか、
       いつまで元号を決めるべきか、という問題に直面する。


本来なら柔軟に対処できる意思による退位が望ましいところだが、
政治的な駆け引きに利用されることは避けねばならない。


となればある年齢に達した時など一定期日をもって退位する、とすれば、
先の見通しも立てることができる。


元号の問題も天皇一身ではなくすれば(具体策はあえて記述を避けます)、
見通しも立てることができる。


いずれにせよ、皇室典範の改正が必要であり、
それは、宮家創設など他の課題とともに議論が必要である。


宮家の問題は、参院選が終わったら書くことにしたい。