Column207.三菱偽装、マリノス・レッズの消滅危機? | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

三菱自動車の燃費偽装問題で、
同社から軽自動車の供給を受けていた日産自動車が、
1/3超を出資し、筆頭株主になる見込みとなった。


この問題は、まだまだ明らかになっていないこともあり、
現段階ではまだ取り上げず、様子を見たい。


その代わりと言っては何だが、
今後起こりうる大きな潜在的問題を取り上げたい。


それは、Jリーグへの影響だ。


日産は、横浜Fマリノスの親会社、
三菱は、浦和レッドダイヤモンズ(レッズ)の親会社だ。


両チームとも、Jリーグ創設時からのメンバーだ。
(マリノスの方は、同じ創設時から横浜を本拠地としていた、
 横浜フリューゲルスと合併している。)


特にマリノスは、J2に降格することもなく、
ずっと上位につけている強豪だ。


レッズも、1シーズンこそJ2にいたが、すぐに昇格し、
以来優勝争いの常連にいる。マリノスをもしのぐ強豪だ。


サポーター組織も強固で熱い。


ここで何が問題になるか。Jリーグを主宰する、
公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の規則では、
1つのオーナーが、2つのチームを持てないことになっている。


日産が、三菱の筆頭株主になるということは、
間接的に、レッズを所有することになるかもしれない、ということだ。


過半数ではないが、1/3でも、定款などの重要事項変更拒否権を持つ。
この点が規約に抵触するかどうか、Jリーグの村井満理事長(チェアマン)は、
調査をするとしている。


1/5であったとしても、持分法適用会社として、
連結決算に組み込むことができる。


もし、抵触すると判断されれば、マリノス、レッズどちらかを手放すか、
合併をしなければならない。


フリューゲルスの時と違い、ホームタウンも横浜とさいたまで違うことから、
合併はまずないだろう。


手放すとなると、三菱になるかと思われるが、
サッカーファンなら、逆に日産の可能性が高いことは、
すぐにお分かりになるだろう。


レッズは、数年前から三菱自動車からの資金補強を受けず、
独立して経営ができるほど、財政状態は良い。


マリノスの方は、残念ながらそうはなっていない。
もちろんリーグの中では良い方だが。


なので、Jリーグの規則に抵触するかどうかの判断が待たれるところだが、
定款変更を拒否できるのであれば、予断を許さない。


となれば、抵触しない判断が出ることを祈るのみだが、
危機管理上、判断されたときのことも考えねばならない。


日産のゴーン社長は、日産社長就任時に、
大幅なリストラを行ったが、
マリノスを手放すことはしなかった。


とは言え、マリノス、レッズのどちらかまたは双方の持ち分を
低くしなければならない。


以下はあくまで筆者の独自案だが、似たようなことは考えられる。


まずマリノスの方は、合併時に出資し、
その後引き上げた全日本空輸に再度出資を打診することだ。


マリノス・フリューゲルスの合併は、
フリューゲルスの親会社だった全日空の経営危機がきっかけだった。
同じ親会社だった佐藤工業は、合併時点で出資を引き上げている。


全日空は、いまや日本航空をしのぐ会社となった。
打診は一考の価値があると思う。佐藤工業に頼むのもありだろう。


レッズの方は、他の三菱グループへの打診だ。


三菱グループの中の御三家と言われている、三菱商事、
三菱東京UFJ銀行、三菱重工業は、以前の三菱自動車の危機に、
グループを挙げて支えた。


しかし今回は、3社それぞれ、赤字、マイナス金利の影響、
MRJ開発の遅れというの事情を抱えており、
救済には二の足を踏んでいたところに、日産が救世主となった。
(日産は日産で救済以外道はなかったのだが。)


その恩を盾に、レッズの株を買い取ってもらうのだ。
レッズの企業価値がどのくらいかは、素人のの筆者にはわかりかねるが、
プロ野球のダイエーを買収した時のソフトバンクが、

興行権込みで200億円だったことを考えれば、そこまでは到底届かず、
かつ日産の出資金額2600億円よりはるかに低いことを考えれば、
三菱グループ側も、飲めない話ではないだろう。
(戦後初の赤字となった、三菱商事は微妙だが。)


マリノスと同じ横浜を本拠地としている、
プロ野球DeNAに声をかけることもありではないか。
同社は、野球以外にもスポーツに手を出している。


いずれにせよ、マリノス、レッズとも
Jリーグ屈指の魅力的な球団だ。乗る企業は0ではないだろう。


筆者は、Jリーグが2シーズン制を中断する前の最後の2004年、
前期優勝のマリノスと後期優勝のレッズのチャンピオンシップ第1戦を、
マリノスの本拠地・日産スタジアムで観戦した。


試合内容ももちろんだが、両チームサポーターの応援の見事さも忘れられない。


このカードを見る機会を永遠に失わないためにも、
両チームが今まで通りに活躍できることを願ってやまない。