甘利経済再生担当大臣が、
現金授受疑惑の責任をとり、辞任した。
甘利氏は、2012年に安倍首相が総理に復帰してから、
一貫して閣僚を続けてきた。
麻生副総理、菅官房長官とともに、
安倍首相を支える屋台骨だった。
その一角が崩れただけでも痛手だが、
財政では、安倍内閣のバランサーだったことから、
そレを失うことで、今後の政権内部に、
不協和音が出てきてしまう恐れを内包することになった。
安倍首相や菅官房長官は、予算を投入して、
経済活性化を図る、いわゆる「リフレ派」と
呼ばれているのに対し、
麻生副総理は、安倍首相の盟友ではあるが、
財政再建を重視する、財務省の大臣だ。
これまでは、甘利氏が間に入り、うまく調整をとってきた。
(というより、麻生氏がそれを理由にして、
財務官僚を抑え込んできたのだろうが。)
安倍首相の、財務官僚に対する不信は根強いものがある。
安倍氏が直接言うより、甘利氏を介在した方が、
かどが取れる、ということだった。
そのバランサーが無くなる、ということは、
安倍氏と麻生氏との間で、直接調整を図らねばならず、
場合によっては難しい局面を迎えるだろう。
最大の山場は、来年4月の消費増税だ。
ここにきてGDPも伸びがおもわしくなく、
一昨年の増税後の大幅マイナス成長の悪夢を、
どうしても避けたい安倍首相が、
延期を言い出さないとは言い切れない。
金融も含めた今後の経済財政関連政策に、目が離せない。
もう1つ、消費増税延期を確固たるものにするために、
国民の支持を得るために、今年の参院選を、
総選挙とのW選挙にするかどうかも。