Column192.甘利辞任後の安倍内閣に待ち受ける試練。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

甘利経済再生担当大臣が、
現金授受疑惑の責任をとり、辞任した。


甘利氏は、2012年に安倍首相が総理に復帰してから、
一貫して閣僚を続けてきた。


麻生副総理、菅官房長官とともに、
安倍首相を支える屋台骨だった。


その一角が崩れただけでも痛手だが、
財政では、安倍内閣のバランサーだったことから、
そレを失うことで、今後の政権内部に、
不協和音が出てきてしまう恐れを内包することになった。


安倍首相や菅官房長官は、予算を投入して、
経済活性化を図る、いわゆる「リフレ派」と
呼ばれているのに対し、


麻生副総理は、安倍首相の盟友ではあるが、
財政再建を重視する、財務省の大臣だ。


これまでは、甘利氏が間に入り、うまく調整をとってきた。
(というより、麻生氏がそれを理由にして、
 財務官僚を抑え込んできたのだろうが。)


安倍首相の、財務官僚に対する不信は根強いものがある。
安倍氏が直接言うより、甘利氏を介在した方が、
かどが取れる、ということだった。


そのバランサーが無くなる、ということは、
安倍氏と麻生氏との間で、直接調整を図らねばならず、
場合によっては難しい局面を迎えるだろう。


最大の山場は、来年4月の消費増税だ。


ここにきてGDPも伸びがおもわしくなく、
一昨年の増税後の大幅マイナス成長の悪夢を、
どうしても避けたい安倍首相が、
延期を言い出さないとは言い切れない。


金融も含めた今後の経済財政関連政策に、目が離せない。


もう1つ、消費増税延期を確固たるものにするために、
国民の支持を得るために、今年の参院選を、
総選挙とのW選挙にするかどうかも。