財務省(英名略称「MOF」)が、
消費税増税時の負担緩和策として打ち出した、
食料品該当額の給付策について、
読売新聞が、連日非難報道をしている。
財務省の案は、マイナンバーカードを利用して、
そのカードに蓄積された食料品の購入情報を基に、
年4000円を上限とした実質的な税の戻しを行うというものだ。
読売新聞は、それを特ダネですっぱ抜いたときから、
天下の愚策のような論評を、事実だけを伝えねばならない
本文記事で伝えている。
それだけではなく、与党の幹部からも
猛バッシングが起きているかのような報道をしている。
そしてこの施策のメリットは一切書かれていない。
上限で4000円なのに、「バラマキ」と糾弾している。
(4000円にとどめたのが、財政再建目的であることが分かる。)
確かに減税を隠れ蓑にした
マイナンバー情報集めの側面は、否めない。
各小売店に専用端末を置くなど、非現実的だ。
3000億円もかかるとの試算があり、
第2の新国立競技場だ、とまで言っている。
しかしマイナンバーを使わずとも、
消費税の不公平感を緩和するには、
食料品分の消費税のうち2%の分を原資にし、
一律の額を出して所得税の減税または金券給付にすれば、
財務省の「表」の目的は達成される。
そのような側面には一切触れず、
とにかく財務省案は悪だ、との前提に立った、
最早財務省案撲滅キャンペーンの様相を呈している。
読売新聞がここまで財務省案を敵視するのは、
ひとえに、新聞を、増税の対象から外し、
軽減税率適用にしたいからだ。
一体誰のための反対なのか、
少なくとも国民目線とは少しずれた、
我田引水的な主張の背景を感じる。
そもそも新聞に軽減税率が必要なのか、
その議論は全く深まっていない。
もっとも全ての品目において議論は浅すぎる。
軽減税率を適用する品目を決めるには、
利害関係対象が余りに多すぎ、
2%UPの再来年には間に合わない恐れもある。
そこを財務省は突いて押し切ろうとしたのだろうが、
読売新聞がここまでキャンペーンをはったら、
その思惑は阻まれたと言ってよいだろう。
その一方で、軽減税率適用品目の決定は、
間に合うかどうか、もはや赤信号、と言ってよいだろう。
いろんな動きがいろんな思惑をもってうごめいているが、
すべてエゴでしか動いておらず、
税負担軽減は一体だれのためなのかは全く考えられてない。