茨城、栃木、宮城3軒を中心に起きた今回の豪雨災害は、
今もなお15人が行方不明であるなど、まだ続いている。
一刻も早い無事の情報を祈るばかりである。
一部地域で、堤防が決壊してから、
避難指示が出たことに、疑問の声が上がっている。
災害が起きる恐れがある時に、住民に対して出されるのが、
「避難指示」と「避難勧告」だ。
これらは、災害対策基本法第60条に規定があり、
市長村長が出すことが「できる」とされている。
同条には、避難することが反って危険な場合には、
自宅待機を指示することができるともされている。
一見こまめに規定されているように思えるが、
そもそも、避難と待機のどちらが安全かは、
地域や時間の経過とともに変化をする。
目前に災害が迫った時点で、
それを分析する時間的余裕はない。
避難指示や勧告をだすタイミングが、
非常に難しくなることは容易に想像できる。
そもそも今の地方自治体の多くはは、
大都市も含め経済的困窮に陥っており、
正規職員を減らしている状況だ。
平常時でも、災害に備えた体制作りは、
人員的困難を伴う。
災害の専門知識を持った職員を、
自治体ごとに雇用するのは事実上無理がある。
しかし国民の生命と財産を守るのは、
国家だけでなく。自治体にも課せられた、
第一の使命である。
災害に関する施策は、その多くを共有できる。
一方で、地形など地域の特性を把握できるのは、
自治体が一番適している。
であれば、国土交通省や気象庁などの政府機関が、
その施策作りに自治体と共同で関与するのが、
一番適当な形ではないか。
まず地域の特性を自治体が調査し、
その結果を政府機関が分析して、
適切な事前防止策、起きたときの対策を助言し、
策定するのだ。
広域に及ぶことも想定して、
市区町村だけでなく、都道府県も共同で関与する。
自衛隊に出動要請ができるのは、都道府県だからだ。
(正確には、市長村長の要請に基づき、
都道府県知事が防衛大臣に行う。)
調査すら難しい場合は、その段階から政府機関が関与する。
または都道府県レベルで対応する。
今後も、あらゆる災害は避けられない。
今までの枠を超えた連携が、公共団体には求められる。
国会・政府には、その中心的役割を果たしてほしい。