Column168.談話の次は、あの大戦の、検証だ。 | 打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

打倒池上彰(さん)!? 元局アナ・元日雇派遣労働者がニュースの深層を斬る!!【毎週土曜更新】

テレビ局ディレクター、アナウンサー、国家資格予備校講師、W杯ボランティア、本書き、日雇派遣、不動産飛込営業、コールセンターマネージャ、ITベンチャー人事総務課長という多彩な経験から多角的な独自視点で、今起きているニュースの深層を、徹底的に好き勝手に斬ります。

安倍首相が、昨日発表した戦後70年の談話は、
村山・小泉談話を継承しただけでなく、
戦後の歩みや次世代にツケを回さないとし、
配慮とともに蒸し返しへのけん制も忘れない、
バランスの取れた内容となった。


謝罪の言葉を入れたことにより、
中国外務省の声明は、正面きっての批判は出来なかった。
「心がこもっていない。」とするのが精いっぱいだった。


心がこもっているかどうかは内心のことなので
何とでもいえるが、言葉で残る以上、
それ以上のことは言えない買った。


韓国政府の反応は、今日の光福節での朴大統領の演説で現れるが、
マスコミは、相変わらず根拠に乏しい批判しかなかった。


中韓の反応は想定内だが、
激しいものにできないという、ジレンマを感じる。


さらにそのジレンマを大きくするのが、他国の反応だ。
米国、豪州、台湾は好意的に受け止めている。
東南アジア諸国もそのようになると思われる。


直接戦った米国や豪州の反応から、
欧州の反応も推して知るべしであろう。


中韓だけが取り残されるようになったことで、
今後の反日の動きが、「世界から浮いて見える。」
素地を作ったのも大きい。


ただ日本国内に目を向けると、保守派の反応は芳しくなく、
左よりの立場からは相変わらずの反発のための反発しか聞こえない。


なぜだろうか。


結局は自分たちの主張を続けることが目的で、
本当に何があったかを踏まえていないからだ。


先の大戦では、日本人自身の手による検証が行われていない。
戦争の責任者は「東京裁判」で、ことごとく
戦敵の手にかかってしまった。


あの戦争で何が起きたか、なぜ起きたか、
なぜ300万人もの方が亡くなったのか、
公式には何もなされていない。


戦争のつらい記憶をもつ世代が、
これまでしまってきた記憶を一気に語り出している。
今ここで話さないとその機会を逃してしまうとして。


今こそ国民自身の手で検証する絶好の機会である。


本当に何があったかを解明するためには、
主義主張を捨て、まず事実を明らかにし、
評価はその後に行うという手順にしないといけない。


主義主張や評価は習慣であり、事実では異なるものだからだ。


談話の中にある「歴史と向き合う。」というのは、
そういうことではないだろうか。


それができて初めて、謝罪に
心がこもっていないと言わせないことにもつながる。