安倍政権が今国会で成立を目指す、
安保関連法制案を、来週にも衆議院を通過させようと、
与党内で調整が続いている。
これに対して野党は対案を出し、
強行採決には反対する構えだ。
安保法制が必要なのは、我が国周辺を取り巻く情勢から、
異論をはさむ余地がない。
しかし今回の与党案の中身は、
我が国周辺の事態とは関係ないところでの事態にも、
国会の承認を不要とし、内閣だけで決められることに、
大きな不安が出てきている。
安倍首相は、今賛成でなくても、
20年経ったら賛同をられることもある、
80時間の審議を経た、として、
決める時は決める、としている。
果たして、今回の法制案は、
20年後に賛同を得られれば、
今は賛同が得られなくてもよいものなのだろうか。
憲法の解釈を変えてまで通そうとする法案を、
今までの例に従った時間だけで通して良いものなのかどうか。
各紙の世論調査でも、
国民への説明は不十分だとする回答が、
軒並み8割前後に上る。
安倍内閣の支持率も、不支持率を下回った。
時間がないのは分かる。
しかし今ここで議論が不十分なまま決めてしまったら、
来年の参議院選挙は、8年前の二の舞になりはしないだろうか。
ここは落ち着いて、もっともっと議論を尽くすべきではないだろうか。